最優秀賞は岡山・ももぞの学園
岡山県内の障害者の芸術作品を4会期に分けて紹介した連続展覧会「きらぼし★アート展」(山陽新聞社会事業団主催、県、県教委、山陽新聞社共催)の最優秀賞が30日、社会福祉法人ももぞの学園(岡山市北区粟井)の利用者9人による抽象画に決まった。6月15日、同社さん太ホール(同柳町)で表彰式がある。 1月から5月28日まで順次開催された展覧会の全出品作約380点を対象に、備前焼の重要無形文化財保持者(人間国宝)伊勢崎淳氏=備前市▽版画家高原洋一氏=岡山市▽元特別支援学校教諭でアール・ブリュット(美術の専門教育を受けていない人たちが生み出す芸術)支援者の射矢諄一(いるや・じゅんいち)氏=倉敷市=が選考した。 最優秀賞の作品は1畳分(1・8メートル×0・9メートル)のパネルに、赤、黄、黒、白などさまざまな色で思い思いに表現し、鮮やかな仕上がりになっている。9人が昨年9月ごろから今年2月にかけ、絵の具を筆で垂らしたり、たたきつけるようにかけたりした。タイトルは無い。 選考会では、伊勢崎氏が「いろいろな感性、技法が重なり合い、大胆なだけでなく繊細な部分もある」と推薦した。高原、射矢両氏も「豊かな表現は、みんなで奏でた交響曲のようだ」と高く評価した。 制作者のうち、桐畑俊浩さん(57)は「描いていて楽しかった。画家になれるかな」と喜び、則武晴美さん(62)は「もっといろいろ描きたい」と意欲を膨らませた。 特別賞には就労継続支援B型事業所スカイハート灯(ともしび、真庭市若代)の利用者藤原正一さん(66)が描いた「モナリザと数字のコンポジション」が選ばれた。ふくよかなモナリザの肖像画が数字で埋め尽くされ、発想のユニークさが評価された。 きらぼし★アート展は山陽新聞社会事業団(松田正己理事長)の創立70周年記念事業として開かれた。 最優秀賞制作の他の7人は次の皆さん。(敬称略) 吉田直子、西崎高広、益田富恵、畑満里子、岸本文子、三宅孝行、為貞孝宏