宮下酒造の「酒工房 独歩館」完成 岡山
宮下酒造(岡山市中区西川原)が、本社敷地内に建設していたウイスキー蒸留所とレストラン併設の観光施設「酒工房 独歩(どっぽ)館(かん)」が完成した。増加する訪日客ら観光需要を呼び込み、自社ブランドの知名度向上や酒の魅力発信を図る。30日のオープンを前に29日、関係者らに公開された。 独歩館の本館は鉄骨2階延べ約800平方メートル。1階には独歩館限定で提供する同社初のウイスキーをはじめ、自社のビールや日本酒など100種以上の酒と料理を味わえるレストラン(42席)のほか、商品の直売所を開設。2階には団体客(20〜50人)に対応した会議室2室を設けた。 独歩館の新設に合わせ、本館北側の建物にウイスキー専用のドイツ製蒸留器(ポットスチル)を酒蔵から移設。「岡山蒸溜(りゅう)所」と名付け、本館の窓からレストラン利用者らが見物できるようにした。総投資額は約4億円。 営業時間はレストランが午前11時半〜午後9時、直売所は午前10時〜午後7時。水曜休み。初年度は3万人の来店、2億円の売り上げを目指す。 同社は近年、酒の輸出に力を入れており、アジアや欧州などの10カ国以上に輸出している。宮下附一竜社長は「観光が注目される中、岡山の酒文化を国内外に発信できる絶好の機会。酒造りの現場を見てもらい、酒に親しむきっかけづくりの場に育てたい」と話している。