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2019年05月

岡山 ビルマ戦線語り継ぐ機関誌を発行 「岡山県ビルマ会」


太平洋戦争の最中に、激戦地・ビルマに岡山から派遣された、元日本兵の遺族などでつくる「岡山県ビルマ会」が、初めての機関誌を発行しました。
戦争の記憶を風化させてはならない。
平和への思いなどがつづられています。

「ビルマと私」、4月に完成した機関紙です。
ビルマ戦線に岡山から出征し、命を落とした日本兵の遺族など、8人の思いが収められています。
太平洋戦争中、激戦を極めた、ビルマ戦線です。
19万人もの日本兵が、戦死したといわれています。
岡山県からは、2万数千人が出征し、4500人あまりが命を失いました。
岡山県ビルマ会の会長、小田啓介さんの父親、敦巳さんは、ビルマ戦線から生還し、語り部として活動しましたが、2013年に亡くなりました。
啓介さんも、69歳。
子ども世代の高齢化が進む中、伝え聞いたことを記録に残す時期に来ていると考え、機関紙を発行しました。
希望者には、無料で提供することにしています。
戦後、74年が経とうとしています。
いかにして、痛ましい戦争の記憶を引き継いでいくのか。
平和を切望する声に、耳を傾ける必要があります。

岡山市待機児童353人 4月、前年同期比198人減 (厚生労働省の全国調査でワースト2位だった前年同期の551人から198人減少)
子供を守れ



岡山市の大森雅夫市長は30日の記者会見で、4月1日時点の市内の待機児童数が353人だったと発表した。厚生労働省の全国調査でワースト2位だった前年同期の551人から198人減少した。

 市によると、認可保育施設に入園を申し込んだのは前年同期比820人増の1万8284人。このうち入園が決まった1万6817人、認可外の企業主導型保育所や市の特認登録保育施設などに入った386人、特定の保育所を希望して調整がつかなかった642人などを除いた人数を待機児童として集計した。

 市は2018年度、保育園や認定こども園の新設によって1584人分の受け皿を新たに整備し、総定員1万8967人分を確保。入園申し込み数を上回っていたものの、保育士不足などにより約3割の認可施設で定員を下回る受け入れしかできなかった。

 また、市が待機児童解消の目標としている20年4月時点での入園見込み数は、10月からの幼児教育・保育無償化による潜在的ニーズを含めて2万3756人と推定。昨夏の算出から約4300人上方修正した。

 市長は「解消に向けたハードルは上がっているが、諦めずにやっていくしかない。施設整備は一定の時間を要することを前提に、一層の充実を図っていく必要がある」と述べた。

 全国集計がまとまるのは9月ごろの見込み。

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岡山市の待機児童数、昨年より200人近く減少も先行き不透明 保育士不足などの影響も

岡山市の今年4月現在の待機児童数は昨年より200人近く減りましたが、保育士不足や保育無償化の影響で先行きは不透明です。


岡山市/大森雅夫 市長

(岡山市/大森雅夫 市長)
「来年4月1日までに(待機児童)ゼロにしたいと申し上げてきたが、明るい兆しはないわけではないが困難さが増してきた」

 岡山市の今年4月の待機児童の数は353人で、全国ワースト2位だった去年4月を198人下回りました。


今年4月の待機児童の数は353人

 昨年度1584人分の受け皿を新たに確保したものの、保育士不足のため3割以上の認可保育施設で定員を下回る児童しか受け入れられませんでした。
 また、市が今年1月に行ったアンケートによると、来年度の入園申し込みは保育無償化などの影響で今年度より約5400人多い2万3756人に達する見込みです。

 市は今後、認可保育所の新設や増改築、保育士の確保に取り組む方針です。
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岡山県 「重点防災ため池」18倍に増加 新基準適用で県内4028カ所に / 【ボランティア情報】倉敷市 30日現在




 岡山県は30日、優先的に対策を進める「防災重点ため池」について、西日本豪雨を踏まえた国の新基準を適用して再選定した結果、対象が4028カ所に上り、従来の229カ所から約18倍に増えたことを明らかにした。今後、地元自治体と連携して、決壊時に影響が大きい池からハザードマップの作成などに取り組む方針。

 従来は、堤防の高さ15メートル以上など大規模な池を選定していたが、国が豪雨に伴う決壊によって全国で死者や住宅被害が出たことから基準を変更。規模の大小を問わず、決壊した池から100メートル未満の浸水区域内に家屋や公的施設があるなど要件を細分化した。

 県の再選定では、これまで該当がなかった高梁、新見市、早島町が加わり、自治体数が25市町に拡大。総数は県内のため池9700カ所の約4割に当たり、自治体別では岡山市925カ所(旧基準66カ所)▽赤磐市343カ所(同11カ所)▽倉敷市318カ所(同19カ所)―の順だった。

 選定された池では今後、管理する民間や市町など関係機関との間で緊急連絡網を整備するほか、想定される被害程度に応じて浸水想定区域や避難場所などを盛り込んだハザードマップを作る。県耕地課は「マップの作成などを通じて住民の防災意識向上に取り組みたい」としている。

 西日本豪雨では、決壊した全国のため池32カ所(岡山県は4カ所)のうち、防災重点は3カ所(同なし)だった。

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【ボランティア情報】倉敷市 30日現在



 現地活動は土・日曜。まび復興支援ボランティアセンター(真備町箭田の市真備保健福祉会館、086―697―0111)は熱中症対策を呼び掛けている。センターホームページなどから2日前までに予約登録(予定人数に達した時点で締め切り)し、当日は同会館前で午前9時〜10時に受け付け。最寄りは井原線・吉備真備駅。被災者の派遣要望などは午前9時〜午後4時に受け付ける(電話は平日のみ)。
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東京大学祝辞 上野千鶴子氏の祝辞を「評価」したのは誰だったか 東京大学新聞がアンケート調査
reiwa 時代 700

女性の関心の高さ際立つが・・・




東大入学式2019・上野祝辞アンケート分析① 回答傾向の分析から

 4月12日の学部入学式で上野千鶴子名誉教授が述べた祝辞は、学内のジェンダー問題や大学で学ぶ心構えを説き、学内外で反響を呼んだ。東京大学新聞社は、この祝辞について東大内外の全ての人を対象にアンケート調査を行い、東大生(院生含む)603人を含む4921人から回答を得た。東大生以外では87.5%が祝辞を評価した一方、評価した東大生は61.7%にとどまり、祝辞への反応の差が浮き彫りになった。東大生の中でも、性別や学年、文系理系によって回答の傾向に相違が見られた。


2019年度入学式
 

 調査では、祝辞について①全文を聞いた、あるいは読んだか②内容をどの程度理解できたか③どの程度評価するか④学部入学式にふさわしい内容だったと思うか─の四つの質問を設け、①以外の三つに関しては回答の理由を聞いた。さらに、祝辞で取り上げられた東大の四つのジェンダー問題について、祝辞以前にどの程度認識していたかも聞いた。

 

◇東大生の回答傾向
 

女性の関心の高さ際立つ
 

 回答した東大生のうち、男性は67.5%、女性は29.9%。祝辞を「たいへん評価する」「評価する」と回答した割合は東大生全体では61.7%だった。性別では、女性で82.2%だったのに対し男性は53.1%にとどまり、女性の方が高く評価していることが示された。祝辞の理解についても、「よく理解できた」「理解できた」を合わせた割合では男女で大きな差はなかったが、「よく理解できた」に限ると、女性が約20ポイント男性を上回り、女性の方が祝辞の内容をより深く理解できている傾向が見られた。祝辞が学部入学式にふさわしい内容だったと思うかについても、男女で約30ポイントの差があった。ただし、女性でも「どちらとも言えない」が13.9%、ふさわしいと「思わない」「全く思わない」が13.3%で、ふさわしいかについては慎重な意見が見られた。

 

 祝辞で上野名誉教授が取り上げた学内の問題については、いずれも「よく認識していた」の割合は女性の方が高かった。特に「研究職・管理職における男女比率の偏り」は、「よく認識していた」「ある程度認識していた」を合わせた割合が、男性では83.3%だった一方、女性では92.8%で、女性の方が9.5ポイント高く、問題の認識に差があることが示唆された。

 

 学部1、2年生に限定し、文科と理科に分けての分析も行った。回答者のうち、文科生は6割に達した。前期教養課程に在籍する全学生中の文科生は4割であることから、理科生に比べ文科生の祝辞への関心が高かったことがうかがえる。さらに性別ごとに文理を比較すると、男女いずれでも、文科生の方が理科生より祝辞を評価した割合が高かった。祝辞を「たいへん評価する」「評価する」とした割合は、文科生の男性で62.4%、女性で80.5%だったが、理科生の男性で52.2%、女性で50.0%にとどまった。祝辞のふさわしさを尋ねた質問でも、同様の傾向が見られた。ただし、理科生の女性は回答者が12人しかおらず、文科生・理科生の女性を単純に比較することはできない。

 

新入生、上級生より高評価
 

 新入生は103人が回答。回答者の女性比率は26.2%で、新入生全体の女性比率18.1%を上回った。祝辞を「たいへん評価する」「評価する」と回答した新入生の割合は74.8%で、新入生を除く東大生の59.3%を15ポイント以上上回った(図1)。ただし、男性で72.4%、女性で81.5%と性別による意識差は新入生にも見られた。この意識差は、祝辞をふさわしいとした新入生の女性が81.5%に上ったのに対し、男性で52.6%だったことにも表れている。学内の問題については、「学生の男女比率の偏り」を除いて、新入生の認知度が新入生以外に比べ低く、今回の祝辞が、新入生が東大のジェンダー問題を知る契機になったといえる(図2)。四つの問題に共通して、「よく認識していた」「ある程度認識していた」を合わせた場合の男女間の差は大きくないが、「よく認識していた」に限ると女性が男性を大きく上回り、新入生の男女間で問題の認識に差があることも明らかになった。

 



 



 

◇東大生以外の回答傾向
 

男女いずれも東大生より高評価
 

 今回は東大生以外にも同様の調査を行い、4318件の回答を得た。うち67.3%が女性であり、特に女性の関心が高かったことが示唆された。世代別では、40代が32.3%で最も多く、30代、50代がそれぞれ22.3%、21.7%と続いた。

 

 祝辞を理解できたかについては、96.6%が「よく理解できた」「理解できた」と回答しており、東大生の92.2%とともに9割を超えた。ただし、「よく理解できた」は東大生以外で73.0%に達し、東大生の50.8%を大きく上回った。

 

 祝辞を「たいへん評価する」「評価する」と回答した割合は、東大生以外で87.5%と、東大生の61.7%に比べ高かった(図3)。性別ごとに東大生と東大生以外を比較すると、女性では東大生82.2%、東大生以外95.0%、男性では東大生53.1%、東大生以外70.9%と、いずれの場合も東大生以外が上回った。

 

 祝辞が入学式にふさわしい内容だったかについても、「大変そう思う」「そう思う」の割合が東大生で51.7%、東大生以外で82.8%と異なった。男女別でも東大生以外の方が東大生よりも男性、女性でそれぞれ22.0ポイント、18.0ポイント高かった。

 



 

20代、30代以降で評価高まる
 

 年齢別(以下、回答者が3人以下の9歳未満、80代、90代を除く)に見ると、祝辞を「たいへん評価する」「評価する」と回答した割合は10代の72.9%を除き、20代以降になるとどの世代も80%を超えた。祝辞がふさわしい内容だったかについても、「大変そう思う」「そう思う」の割合は、10代で60.6%、20代で74.1%だった他は、いずれの世代も軒並み8割を超えていた。男女別で見ると、男性は10代、20代では評価する割合がそれぞれ55.6%、60.3%なのに対し、30代以降は7割を超える。女性の場合は、10代で86.2%、20代以降は90%以上と、世代に関係なく祝辞を評価している傾向があった。

 

 上野名誉教授が取り上げた東大のジェンダー問題に関しては、全体的に東大生に比べ認知度が低く、特に「東大女子が入れないサークル」の問題は44.1%が「あまり認識していなかった」「全く認識していなかった」と回答。一方、「研究職・管理職における男女比率の偏り」については、認知度が東大生で86.2%、東大生以外で83.6%と、2.6ポイントの差にとどまった。

 

 この調査では、東大生の保護者か否かも聞いた。祝辞が入学式にふさわしい内容だったかに「大変そう思う」「そう思う」と答えた割合は、新入生の保護者で78.9%、東大生の保護者以外で84.9%だった。新入生以外の東大生の保護者では81.7%であり、新入生以外の保護者の方がふさわしいと考える傾向がわずかに強いことも明らかになった。

 

◇結果の分析から
 

 東大生については、男性に比べ女性の方が、全学生に占める回答者の割合が高く、祝辞を肯定的に捉える傾向が顕著だった。さらに、学内のジェンダー問題にもより強い関心を持っていることが示された。女性はこの問題においてマイノリティーの立場にあり、祝辞の問題提起をより切実に捉えていたことがうかがえる。

 

 新入生と学部2年生以上の学生で比較したところ、新入生の学内の問題への認識度が相対的に低かった。このことから、今回の祝辞は、新入生が東大内の問題を知る機会として大きな役割を担ったということができる。学生の男女比は容易に認識できるものの、東大の女性が入れないサークルは今回の祝辞によって初めて問題として認識された可能性がある他、2016年の集団強制わいせつ事件は今後風化する恐れもあった。さらに、研究職・管理職における男女比率の偏りは、他の問題と比べると学生には身近でなく、この問題については、新入生に限らず学生全体にとって新たな問題提起となったと考えられる。

 

 学部2年生以上の方が新入生に比べ祝辞への評価が低いことも明らかになった。ここで学部2年生以上が批判を向けたのは、祝辞の主張それ自体よりもむしろ、周辺的な事柄に対してだった。まず、主張を裏付ける根拠が必ずしも説得力を持っていなかった点が槍玉に挙げられることが多かった。祝辞冒頭で触れられた、理Ⅲにおける女子学生の合格率に対する男子学生の合格率1.03倍は統計的に意味を持たないのではないか。他の大学との合コンで東大の男子学生がもてるというのは必ずしも正しくないのではないか。祝辞の趣旨を認めつつも、こうした議論の弱さを指摘する声が多かった。さらに、内容の正否や意義とは別に、それが入学生が祝われるべき「祝辞」という枠組みで捉えられる限りでは評価できない、という意見も多数あった。

 

 東大生以外は、全体的に東大生よりも祝辞を肯定的に捉える傾向があった。東大生の女性も祝辞を評価しているが、東大生以外の女性はさらに高く評価しており、男性の場合も、3人に1人が祝辞を評価していない東大生の男性と比較すると、かなり高い評価を下している。この違いは、東大生以外の中で多数を占めた社会人の方が、社会での経験が豊富であり、問題がいかに深刻であるかを目の当たりにしてきたことに起因していると考えられる。これは、東大生を除いた集団の中で、10代、20代の若い世代よりそれ以上の世代の方が祝辞を評価している割合が高いことからも裏付けられる。


 このアンケートは、4月18日〜5月10日にかけ、東大生に限定せず全ての人を対象に実施した。Googleフォームで回答を受け付け、東京大学新聞の紙面及びオンライン、SNSで回答を呼び掛けた他、東大生向けにはLINEなどを通じて周知を図った。

 

 属性に関しては、全ての人に年齢(10歳区切り)、性別、学生か否かを聞き、学生でないと答えた人には職業も聞いた。学生と答えた人のうち、東大以外の学生には通学している学校の種類を、東大生(院生含む)には学年と所属を尋ねた。いずれも回答者自身の申告にのみ基づき、実際と異なる可能性がある。

東大入学式2019・上野祝辞アンケート分析② 回答理由の記述から

東京大学新聞社は、2019年度学部入学式で上野千鶴子名誉教授が述べた祝辞について、東大内外の全ての人を対象にアンケート調査を行い、東大生(院生含む)603人を含む4921人から回答を得た。この調査では、祝辞を評価したか、学部入学式にふさわしいと思うかを5段階で回答した後、回答の理由を任意で記述できるようにしていた。この記述から、祝辞を個々人がどのように受け止めたのかより詳細に探りたい。

(構成・山口岳大)

 

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東大入学式2019・上野祝辞アンケート分析① 回答傾向の分析から

 


2019年度入学式
 

※凡例

・基本的に原文を尊重し、表記統一は施していない。

・各意見の末尾には、所属・職業と性別、「祝辞を評価するか」「祝辞は学部入学式にふさわしいと思うか」への回答を付記している。

 

◇東大生の回答
 

環境要因、ジェンダー問題の提起に支持集まる
 

 祝辞を評価した東大生の理由記述では、主に二つの側面に注目が集まった。

 

 第一に、「がんばれば報われる」と思えること自体が環境のおかげだと上野名誉教授が述べた点だ。

 

地方公立高校出身の学生として環境が進学に与える影響は非常に大きいと感じる
また女子学生が男子学生よりも実家を離れることが難しい現状も存在する
何らかの理由で東京大学に入学できた私達は多少なりとも社会を良くしていく責任を負うべきだと思うから

(法・4年、男性、「たいへん評価する」「たいへんそう思う」)

 

将来リーダーとなっていくであろう東大新入生に、入学という個人の成功が自分の力だけではないということを自覚させ、弱者とされる人への配慮を促したものだったから。

(理Ⅲ・1年、男性、「評価する」「どちらとも言えない」)

 

 第二に、東大のジェンダーの問題を提起した点だ。

 

東大女子や女性、またマイノリティが社会において置かれている状況を非常にうまく表していると思う。上野先生が東大生の性差別の例として出したものは私が日頃から性差別として意識していたものだった。また、そのような状況を改善するために東大生が何をすべきか強く打ち出していて、私個人は非常に共感でき励まされた。さらに、私は1年生の時に会った東大生が保守的で性差別的なことをいう人が多く、東大に入らなければよかったと心底思ったので、上野先生の、このようなスピーチを東大が入学式の祝辞に選んだという点で、東大に希望を持つことができた。

(養・3年、女性、「たいへん評価する」「たいへんそう思う」)

 

東大生は幸か不幸かホモソサエティーな空間であり、一般に社会をリードするようなポストに就く人が多い。しかし、そのような人々に(だけではないが)ジェンダー意識が欠けていることは多い。入学式という場ではあったが、彼ら彼女らに強制的に非常に大切だが、見えにくく、意識しづらいジェンダーの話をしたことには、大変意義があるのではないだろうか。

(教育学研究科・修士1年、男性、「評価する」「どちらとも言えない」)

 

 こうした性差別の側面への言及が多数を占める中、祝辞が、フェミニズムにとどまらずメリトクラシー(人を業績で評価する考え方)批判へ移行していると捉えた意見もあった。

 

一見すると上野の祝辞は女性差別の問題を批判するフェミニズム的な紋切り型のものだと思われるかもしれないが、それだけではない。フェミニズムの問題からメリトクラシー批判へと移行しているように私には読める。東大生というある意味で学力しか取り柄のない私たちには、他の人たちと全く同じように苦手なこと、誰にも言えない悩み、そういうものが当然つきまとう。学力や就職偏差値、年収、そのような画一的な物差しのなかで競争をしている間は、その物差しに照らした優劣でしか他人のことをそしてまた自分のことも測ることができない。それはとても息苦しい生き方だ。大学では、社会に強制されるようなかたちで与えられた尺度ではなく、むしろ自分に相応しい尺度を見つけること、そしてその尺度というものが多様であることを認識したうえで、自分も他者も一面では強い人間でありまた他面では弱い人間であることを認める。上野の祝辞はそのような大学的な知へのエールだと私は読んだ。

(人文社会系研究科・修士2年、男性、「たいへん評価する」「たいへんそう思う」)

 

 祝辞の内容にとどまらず、祝辞が及ぼした影響に目を向ける意見もある。

 

祝辞そのものの内容に加えて、社会的な影響の大きさ。議論を生んだこと。なにより、今年東大に入学した1年生は女性差別について発言、議論しやすいのではないかと思う。あるいはそれ以外の差別問題、社会問題についても。

(法・3年、男性、「たいへん評価する」「たいへんそう思う」)

 

現状の男女平等が進みつつある世界で日本がそれに遅れていることは確かであり、世間の注目するこの場でこの問題に言及すること自体が世間における議論の活発化に繋がると考えられるため。

(理Ⅱ・1年、男性、「評価する」「そう思わない」)

 

データや表現の恣意性に反発
 他方、これらの面をたたえつつも一定の留保をつける意見が目立った。

 

本来伝えたかったであろうメッセージはふさわしいと思うが、全編にわたり散見される言葉選びや不十分なデータから強引な解釈を導くなどの問題点が些細なものではなく強烈な印象を残すものであり、反発を招いたと考える。男女の性差を除くことは今日盛んに議論されている問題であり、祝辞においても挙げられたように東大でも女子学生が少ないなどの実感が得られる。しかしこの議題はこれまでの社会のあり方や固定観念に沿うものではないため、些細に注意を払った議論がなされなければ、過激化して本来の思想とはかけ離れた思想をもった一部のフェミニストのような印象を与えてしまう。特に新入生に問題を投げかける祝辞という場面であったことも考えあわせると、今回の祝辞は内容の選び方についてあまりに慎重さを欠いたものであったのではないかと思う。

(養・3年、女性、「どちらとも言えない」「どちらとも言えない」)

 

 祝辞に否定的な回答をした理由としては、こうした恣意(しい)的な根拠づけに対するものの他、新入生を祝うはずの入学式にふさわしくないという意見もあった。

 

知らなければならない重大な問題について新入生に説明したのは良いが、少々言葉選びが過激だと感じる点があったため。
当日、自分自身男の新入生としてはかなり耳が痛く、別の機会にじっくり聞きたい、と思っていた。

(文Ⅱ・1年、男性、「評価する」「どちらとも言えない」)

 

 その他、既存の東大内の問題を東大・東大男子学生への偏見という形で新入生に押し付けているのではないかという意見、教育格差や経済格差など女性差別以外の要素にも目を配るべきだったという意見が散見された。

 

最終的な結論自体は良いと思うが、そこに至る推論が不適当。他大入試での女性差別、テニスサークルの東大女子差別、集団強姦事件、合コンでのモテ方など、新入生が今まで関与していた話ではない。これから是正していってほしいというのなら分かるが、東大・東大男子への偏見と一般化して新入生に押し付けるのは呪詛的でお門違い。(むしろその偏見は除かれるべきものではないのか)ましてやオーラルコミュニケーションであることを考えれば、新入生が身に覚えのない説教をされているように感じるのは当然。
東大生が環境面で下駄を履いていることや、女性学の起こりについての話には至極納得したが、上記のセンセーショナルな部分によって霞んでしまったように思った。

(文Ⅱ・2年、男性、「どちらとも言えない」「どちらとも言えない」)

 

東大生になったことは、もちろん自分の努力の証でもあるけれど、この大学に入学した時に受からなかった人とその環境を忘れてはいけないというメッセージは、正しいと思うから。でも、上野さんは女性差別に特に重点を絞ってしまいましたが、教育格差、貧富の差、社会資本の再生産など、他に様々なファクターがあることを強調するべきだったと思います。そのため、もちろん間違ったことは言っていないし、日本社会が立ち向かわないといけない重要な問題だとは思いますが、感情論として批判されたりなど、今回のリアクションが起きたのではないかと思います。

(文Ⅰ・2年、女性、「評価する」「どちらとも言えない」)

 

問題点は本当に問題か
 

 これらの問題点が必ずしも重要ではないと考えた回答者もいる。

 

東大生ひと学年が一堂に会するのはおそらく入学式と卒業式くらいであろう。極めて貴重な機会である。
祝辞において最も大事なことはなんであろう?
確かに彼女の祝辞において、統計についての誤った解釈や男子学生に対する過度な一般化が含まれていたかもしれないが、それは対して重要ではない。なぜなら東大生には祝辞の内容を鵜呑みにしてそれを完全に信じてしまうような馬鹿はいないであろう(そう信じたい)からだ。
私は祝辞において最も大事なことは、話を聞いた人の人生にどれだけ良い影響を与えるか?であるとおもう。内容よりも、結果的にどれだけ聞く側に影響を与えられたかが大事だと思う。
結果として彼女の祝辞は多くの人の記憶に残り、多くの議論を呼び起こした。多くの東大生に性について考えさせ、意見発信させ、彼ら彼女らの知を深めさせた。これは明らかに彼ら彼女らの人生をより良いものに変えたであろう。たった十分ほどのスピーチでここまでの反響を呼んだのだから極めて評価に値する。
東大生ひと学年が一堂に会するのはおそらく入学式と卒業式くらいであろう。そんな貴重な機会を最大限に有効活用したと言える。
私は昨年の祝辞を全く覚えていないが一年後もこの祝辞は覚えている、そんな気がする。

(理Ⅰ・2年、男性、「たいへん評価する」「そう思う」)

 

新入生をやや力強い言葉まで用いてアジることで学問の世界に、言説の世界に引きずり込ませることは、そうした世界に迎え入れられるだけの人として、目の前の人を評価してる(祝っている)ことになると思う(最後の「ようこそ、東京大学へ。」ってフレーズもそういう文脈から出た言葉として読める)ため。

(文・3年、男性、「たいへん評価する」「たいへんそう思う」)


 東大生が祝辞を評価するか否かは、雑ぱくに捉えるならば、祝辞の力強いメッセージと、その主張を裏付ける論理や表現がはらむ問題の、どちらの側面に重きを置いて評価するかによって分かれているといえるだろう。多くの東大生は祝辞の両面を把握しており、評価軸の設定の違いがそのまま回答の相違として表れているにすぎないのではないか。

 

 とはいえ、紹介した記述が示す通り、祝辞を評価する側にもそうでない側にも、その理由にはバリエーションがある。自己の体験に重ねるもの、語られていないものに目を向けるもの、聞き手・読み手への影響まで含めて理解しようとするもの。ここに単純な分類を設けて説明するには、回答はあまりに多方面に及んでいる。

 

 ここで、図らずも東大生は、祝辞で述べられた「正解のない問いに満ちた世界」の一端に立ったといえよう。祝辞を目にした、耳にした多くの東大生が、ただそれを額面通りに受け取るのではなく、自分にしか持ち得ない視点から、独自の解釈を紡ごうとした。このムーブメントが、上野名誉教授が語った「これまで誰も見たことのない知」を生み出す萌芽になっていることは確かなようだ。

 

◇東大生以外の回答
 

女性の違和感を代弁
 

 東大生以外の回答で目立ったのは、自分の違和感が言語化されたと感じる女性の声だった。

 

大学でジェンダーを学ぶ機会があったが、こんなに心に腑に落ちる内容はとても共感が持てたため。家では女の子なんだから短大で良いよと言われて育ちました。(実際には4年大学に通いましたが)実際に社会人として働き始めて、女性だからある業務内容までは教えなくても良いと言われたり、女を利用して仕事してるんじゃないのか?など言われたこともありました。社会に出れば出るほど、女性が向上心を持って行動すればするほど、壁が高くやる気をなくしていました。そうゆう経験を、代弁していただいたような気持ちになりました。

(30代会社員、女性、「たいへん評価する」「たいへんそう思う」)

 

私自身が生きていく上での大きな気づきをいただいた為。
涙が出てとまりません。今まで差別を受けていることに蓋をしてきたのだなあ、と実感しました。そして強がって生きてきたのだと気づきを得ました。がんばりかたの方向が見えました。
今回の騒動により、祝辞内容を目にすることになったものの一人として、メッセージを受け取らせていただき感謝しています。(後略)

(40代公務員、女性、「評価する」「たいへんそう思う」)

 

 祝辞は新入生が対象だったが、学外の人にも気付きを与えていたようだ。

 

努力だけではなく、周りの環境によっていかされている。という、自分だけのことを考えるのではなく、周りのことを意識することになった。また、自分の力を自分が勝ち抜くためだけに使わないで。ということばが、中間管理職をしている自分にものすごく突き刺さり、今までの自分の仕方が恥ずかしくなった。
私の中で、こんな世の中に誰がした!と子どもや自分よりも若い人からいわれたら、それは、私達です。という、年齢だとおもっているので、これからは、自分の力な、使い方、いろんな人との関わりかたを見直し、行動したくなりました。

(30代公務員、女性、「たいへん評価する」「たいへんそう思う」)

 

東大卒業生です。「努力が報われると思えること自体が恵まれている」という指摘が、自分自身の環境に対して言われているようではっとしました。
「がんばりを自分のためだけに使わない」ことを意識して生きていこうと思いました。

(30代会社員、女性、「たいへん評価する」「たいへんそう思う」)

 

 「入学式にふさわしくない」という意見がある一方で、祝辞が「入学式」という場で行われたことを積極的に評価する意見も。

 

おそらく入学生には男女問わずピンとこなかったかもしれない。私が当時の事を思い出してもそうだと思うから。しかし世の中に出る前に伝えておくべき内容であり、いつが一番適切かと考えると合格を掴んで入学するあの場が一番ふさわしいと思う。私も入学時に聞いて知っておいたら、もっと将来の選択の前に考えることができたと思うし、さらに有意義に学生生活を過ごせたかもしれないと思う。

(40代エンジニア、女性、「たいへん評価する」「たいへんそう思う」)

 

入学式という「話を聞かなければいけない」「聞かされる」場で、それが何であれ、何かが心に残る内容だと思うから。多分、これから先の人生でふとした時に思い出す内容だと思うし、そうであって欲しい。卒業式ではなく、入学式っていうのがいいと思う。

(40代主婦、女性、「評価する」「たいへんそう思う」)

 

 ジェンダー問題に対し東大が真剣に取り組むことが表明されたと見る意見もある。

 

学校や企業で何か問題や不祥事があった場合、式典で誰かしらそのことに触れ、「改善していく」「二度と起こさない」(のでお前らも意識を共有し協力せよ)などと言うのはどこでも必ずやります。逆に誰も触れないと「問題意識が無い」との世間のバッシングは免れえません。たとえ新入生への祝辞という体裁でも、組織から社会へ向けたステートメントです。上野氏の祝辞の内容と上野氏を指名したことは素晴らしいですが、東大の問題に言及した(させた)こと自体は「普通」「当然」です。

(40代主婦、女性、「たいへん評価する」「たいへんそう思う」)

 

親世代がまだまだ男尊女卑な考え方な為に東大に女子学生が集まらない現実や、医学部差別が起こった現状を、若い世代の人々に是正していって欲しいし、当たり前を享受してる男子東大生に強く意識して欲しいから。
ただ、お祝いの席で言うべき事かとの批判も一理ある。
ただ、東大はジェンダー問題に真摯に取り組むと外部にアピールするには絶好の機会だったと思う。

(50代主婦、女性、「評価する」「そう思う」)

 

男子学生、不利な環境にある学生に配慮を
 

 他方、祝辞に批判的な意見には、根拠の恣意性への指摘に加え、祝福の要素に欠けるというもの、男性や不利な環境にある学生への視点を欠いたというものがあった。

 

東大入学式という注目される場で男女格差に触れること自体は悪くはないと思うのだが、もう少し祝辞の祝いの部分が強調されるべきだったのではないだろうか。

(10代学生(国公立大)、女性、「評価する」「どちらとも言えない」)

 

自分が生徒(所属高は進学校)に生育歴の優位さや無自覚について話をしたとき,つらそうにしているのはむしろ環境の壁を乗り越えて大学第一世代を目指している生徒だったりする。(後からそっと「実は私は」と話しに来てくれたり)だから今は,この中にもそうやって乗り越えた人もいるはずだけれど,という話をする。これらの経験からは,今回のスピーチはただただ優位な立場の学生に向けられており,実はその中にいる不利を乗り越えた生徒への眼差しが一切無いという点では残念。祝辞としては,この中には多様な人達がいるけれども,という前提に立つべきであったと考える。

(50代高校教員、男性、「評価する」「どちらとも言えない」)

 

男子生徒への配慮が著しく欠けている。
男子生徒が全員こうであるといった固定観念があるように見受けられた

(10代高校生、男性、「どちらとも言えない」「どちらとも言えない」)

 

 また、新入生に祝辞のメッセージが届いたかを疑問視する声もある。

 

冷や水をかけたようであるが、スタートにおける心がけとみればかような祝辞もあるのではないか。ただ、入学ばかりで浮かれているだろう入学者にはその思いは届かなかったのではなかろうか。意義深い話であったも届かないとね。

(60代大学教員、男性、「評価する」「どちらとも言えない」)

 

新入生よりも、東大の在校生に話した方が理解が得られる内容だったのでは。

(30代教員、女性、「評価する」「どちらとも言えない」)

 

 東大教員からは、東大の現状が反映されていないという指摘も。

 

東大女子学生に、サークル等での差別があることは、現場教員として何度も当事者から聞いている。それに触れた上野先生の意図は理解するが、何よりも冒頭の発言によって、東京大学の入試自体に(男女差別の)不正があるような主張に読める。これは由々しいことだと、東京教員(編集部注:原文ママ)の一人として大変残念に思う。

(50代大学教員、女性、「評価しない」「そう思わない」)

 

東大の男性社会の中で研究生活をしていても、そんな絵に描いたような女性差別者には現実にはほとんど出会わず、普通に女性を研究仲間として対等に受け入れてくれる人がほとんどなのに、その人達の存在をなかったことにして、今でも根強い差別があるように世間に誤解させるから。悪くない人たち(この場合は男性)のことを曲解して悪者扱いするような論調には賛同したくない。

(30代大学教員、女性、「評価しない」「そう思わない」)


 東大生以外の回答者の多くを占めたのは、すでに社会経験豊富な社会人。それゆえ、自己の経験に裏打ちされた記述が目立った。

 

 祝辞を支持する回答でよく見られたのが「学生のときには分からなかったが、今なら理解できる」という言葉。ジェンダーの問題にせよ、弱者の存在にせよ、社会で身をもって体験した今だからこそ、その重みがよく分かるということだと思われる。将来的に社会を動かすことになる学生に今のうちに知っておいてほしいという願いや、自分自身にとっても意義深いものだったという感想が多く寄せられた所以だろう。

 

 他方、実際の社会を知っているからこそ、それが祝辞に必ずしも正しく反映されていないことが非難されるという側面もある。男女や強者弱者という枠組みで語ることはある程度は避けられないにせよ、正確な認識や相応の配慮が必要であるという意見は少なくない。

 

 支持するか否かを問わず、学部入学式の祝辞に東大生以外からこれだけの反響があったこと自体、上野名誉教授が取り上げた事象が、潜在的に回答者一人一人にとって、ひいては日本全体にとって、切実な問題であったことを物語っているといえるだろう。

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 このアンケートは、4月18日〜5月10日にかけ、東大生に限定せず全ての人を対象に実施した。Googleフォームで回答を受け付け、東京大学新聞の紙面及びオンライン、SNSで回答を呼び掛けた他、東大生向けにはLINEなどを通じて周知を図った。

 

 属性に関しては、全ての人に年齢(10歳区切り)、性別、学生か否かを聞き、学生でないと答えた人には職業も聞いた。学生と答えた人のうち、東大以外の学生には通学している学校の種類を、東大生(院生含む)には学年と所属を尋ねた。いずれも回答者自身の申告にのみ基づき、実際と異なる可能性がある。

 

2019年5月28日10:45【記事修正】「環境要因、ジェンダー問題の提起に支持集まる」の中で「〜〜批判へ移行しているという捉えた意見もあった。」となっていた誤植を修正しました。


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上野千鶴子氏の祝辞を「評価」したのは誰だったか 東京大学新聞がアンケート調査

アンケート結果を受け、東大新聞社は上野氏へのインタビューも検討しているという。


「がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています」

東京大学の入学式で大きな話題となった上野千鶴子東大名誉教授による祝辞。「共感できる」「祝辞にふさわしくない」と意見が分かれたこの祝辞について、東京大学新聞社が行なったアンケート調査の結果が5月28日に公表された。

祝辞について「評価するか」「入学式にふさわしかったか」などを問う回答には、少なからずジェンダー差が現れる結果が出た。

記者は上野ゼミ出身だ。淡々とした語り口で鋭く突く上野氏の祝辞に、「変わらないなぁ」と懐かしく思い、内容に頷きながらも、新入生に真意が届くのかと心配にもなった。でも正直に言えば、祝辞そのものよりも、東京大学が上野氏に祝辞を依頼したこと、その後東大新聞社が祝辞についてアンケートを始めたことに驚いた。

編集部にメールを送り、アンケートを企画した学生に会いに行った。


「何かやらなきゃ」…東大新聞記者たちの問題意識

「震えました。これほどの反響とは予想しなかったけれど…」

5月27日、午後8時に始まる編集会議前に記者を迎えてくれたのは、編集部の山口岳大さん(文学部3年)。入学式には取材のために出席していたといい、メディアに配られた祝辞のスクリプトを読んだ感想をこう振り返った。

「女性の抑圧について身をもって実感することは難しいけれど、心に引っかかる部分がありました」。恵まれた環境と能力を他者のために使うよう説いた内容にも、「大学にいると、外への視点が欠けがちになる。身につまされた」と共感した。

祝辞が話題になっていると知り、「何か(ニュースとして)やらなきゃ」とslackで編集部の仲間に呼びかけたのは工学部3年の高橋祐貴さん(20)。

「祝辞が炎上したのは、内容が厳しいからではなく、ジェンダーを扱ったから。そんな中で東京大学がジェンダーをテーマとした内容の祝辞を発信した、というのはある意味メッセージだと思う。東大新聞としてもこのメッセージの発信に協力したかった」と振り返り、こう強調した。

「東大の祝辞は、ただお祝いするだけの内容であるべきではない。こういうジェンダーのテーマは、外部に向けて可視化した上で議論の俎上(そじょう)に上げることが大事だと言われているので、今回の入学式の祝辞は、二重の意味で適切だったと思う」

 

「東大男子お断り」のサークルはない

東大内の女子差別に関する祝辞の内容にも、心当たりがあったという。

東大には今でも東大女子が実質的に入れず、他大学の女子のみに参加を認める男子サークルがあると聞きました。わたしが学生だった半世紀前にも同じようなサークルがありました。それが半世紀後の今日も続いているとは驚きです。
記者が新入生だった2001年にも、東大の女子学生が入れないサークルは存在した。それどころか、入会を希望する女子大学の学生に対して、「顔セレクション」「キャラセレクション」と呼ばれる選抜を行うサークルもあった。まさか今も続いているとは…

男子学生からは「東大男子というだけではモテない」という反発もあったようだが、高橋さんは「東大女子が入れないようなサークルには、『東大男子』という将来高収入になるだろう肩書きに魅力を感じた女子学生が集まってくる、お見合い的性質もあります」と、東大内の性差別だけが問題ではないと指摘し、こう強調した。

「逆(東大男子お断りのサークル)がないことが気持ち悪いんです」

東京大学本郷キャンパスの安田講堂
JIJI PRESS
東京大学本郷キャンパスの安田講堂
 

「何かやろう」と口火を切った高橋さんが想定していたのは、祝辞全文やコメントの掲載だったが、山口さんは「それだけだと意味がないよね」と提案。「他のメディアの二番煎じになる。何か別のことをやろう」と、大学内外へのアンケート企画が持ち上がったという。

 

回答にもジェンダー差

東京大学新聞社のアンケートは、4月18日〜5月10日、SNSを通じて学内外に呼びかけ、東大生603人を含む4921人から回答を得た。

山口さんらは、性別、年代、学内外の別ーーで、回答にどのような傾向があらわれるかを分析した。

性別で見ると、回答者の女性比率は東大生が29.9%(東大の学部生の女性比率は約20%)、学外が67.3%と、女性の関心が高いことがうかがえる。「祝辞を評価する」「祝辞としてふさわしい内容だったと思う」と回答したのも、女性の割合が高かった。

上野千鶴子氏の祝辞を「評価」したのは誰だったか 東京大学新聞がアンケート調査
東大新聞オンラインより
東大生よりも学外の方が評価が高かったのも特徴的だ。

ただ、山口さんは「東大生は性差別問題への関心がなくても祝辞に関心がある学生が回答している。学外の方は、そもそも性差別問題に関心がある人が回答している可能性があり、一概に比較はできないと思っている」と語る。


東大新聞オンラインより
「翼を折られた経験を持つ世代の女性」が共感?

年齢別にみると、祝辞を「評価する」と回答した割合は、10代で72.9。20代以降は、どの世代も80%を超えたという。

祝辞にふさわしい内容だと思った割合も、10代で60.6%、20代で74.1%、30代以降で8割を超える結果となった。

山口さんは「回答者のボリュームも40代女性が多かった。翼を折られた経験を持つ女性が、自分自身の経験を重ねて祝辞に共感したのではないか」と推測する。

ただ東大生の親に限ると、「学部入学式の祝辞にふさわしい内容ではない」と考える人は多かったという。

 

4年後、どんな感想を持つだろうか

上野氏に大学から祝辞の打診があったのは昨年末。上野氏本人によると、初めは冗談だろう、と驚いたという。

「上野が何を話すかも分からない。内容に介入したら、私はそのやり取りも公開するかもしれないでしょ」(上野千鶴子氏)

結果的に、執行部からの内容への介入は事実関係の訂正以外はなかったという。

内容に批判が上がったことに対しては「反発する人もいるかもしれないとは思ったけれど、ファクト(事実)を述べただけ。まともな読解力があれば理解できるはず」と笑ったが、東大新聞がアンケートを実施していることを伝えると驚きながら「結果を知りたい」と興味を示していた。

アンケートの結果について、高橋さんは「祝辞への評価が一番低かったのは東大男子。回答に東大内のジェンダー差が出てしまったことは残念だった」と語る。

たしかに入学式の祝辞というタイミングで、自分たちが無意識のうちに被害者にも加害者にもなりかねない社会問題を突きつけられたら、「そこまでひどくない」と反発したくなる気持ちは分からなくはない。

だが新入生たちも、大学での生活や就職活動を通じて、今も歴然と存在する男女差別を実感する機会があるはずだ。研究者を志す女子学生は少なくないのに、授業で出会う「教授」の多くは男性。就活で出会う面談の相手も、相手のポジションが上がれば上がるほど、女性は少なくなっていく。

そして4年後、卒業式で再び入学式の祝辞を思い出せば、きっと今とは違う感想が浮かぶのではないだろうか。

アンケートの結果を受け、東大新聞社は上野氏へのインタビューも検討しているという。

 

別れ際、「まさかアンケートを企画したのが男子学生だったなんて!」と驚く記者に、高橋さんが鋭く突っ込んできた。

「そこに驚くことに、驚きました(笑)」

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新冷戦 米中貿易戦争+ ファーウェイ排除の裏で「漁夫の利」を得る真の勝者は (「Android」のサポートを停止) / 今度は南シナ海で
米中関係




(ファーウェイが一定期間無力化された場合、それがサムスンの利益になることは間違いない。 これがファーウェイの独自OS? 新たな「ARK OS」で再出発も前途多難か… 早くても2020年初め / 今度は南シナ海で対中制裁呼びかけ──米上院 / 豪軍ヘリにレーザー照射=南シナ海、中国船か )



 先週、Googleが華為技術(ファーウェイ)に対して「Android」のサポートを停止することが報じられ、その後、一時的な猶予が認められることが発表された。それに加えて、Armもファーウェイとの取引を停止する企業群に名を連ね、最後のとどめとなるかもしれない強烈な一撃をお見舞いした。これらのことは、米国と中国の貿易戦争が悪化した場合、テクノロジー業界にどんな影響が及ぶか、という警告とみなすべきだろう。

 米大統領執務室からは脅し文句や大げさな言葉が発せられているが、事実は単純だ。両国間のサプライチェーンがあまりにも複雑に絡み合っているため、どちらの国も大きな痛みを感じずにそのもつれを解くことはできない、ということである。

 皆さんがどんなデバイスで本記事を読んでいるにせよ、それは米国企業の部品と知的財産を使って、中国で組み立てられたものである可能性が高い。

 設計と製造に必要なリードタイムを考えれば、このエコシステムの分離を求める米政府の命令は、実施までの期間を月単位ではなく年単位で考えるべきだろう。

 ファーウェイをソフトウェアやハードウェア、知的財産から切り離せば、多くの企業が倒産してしまうはずだ。そのような命令から立ち直る能力を備える企業があるとしたら、それはファーウェイだろう。

 中国での成功だけを見ても、ファーウェイは世界最大級のメーカーの1つだ。今回のような事態に備えて、秘密裏に代替ソフトウェアの開発も進めてきた。同社には、HiSiliconというチップ部門もある。

 今回の騒動の結果として、ファーウェイがAndroidを利用できなくなった場合、失う影響が最も大きいのは「Google Play」ストアだろう。しかし、ファーウェイがすぐに独自のストアを開設したり、中国のほかのスマートフォンメーカーと協力して国家主義的な代替のストアを作り出したりすることは、想像に難くない。

 Androidの世界には、通常のAndroidのほかに、それとは大きく異なる中国製のバージョン(例えば、「ColorOS」)も存在する。私たちが今、目の当たりにしているのは、ホワイトハウスによってもたらされたAndroidの分離なのかもしれない。

 重要なのは、ファーウェイには従業員以外の株主がいないため、証券取引所への説明責任なしに、姿を消す、自社の利益のために行動する、組織を刷新するといった厳しい決断を下せるということだ。Armのチップ設計を利用できなくなって、独自チップの開発に着手する必要が生じた場合、これは極めて重要なポイントになってくる。

 米政府が中国政府との取引を有利に運ぶために禁止措置を断念した場合、すべての禁止措置が無駄に終わる可能性もある。

これまで言及していなかったが、確実にこの問題に強い関心を持っており、現状を見て笑っているのがサムスンだろう。ソウルで蜜の味を感じているに違いない。

 サムスンはGoogleのモバイルOSを利用してスマートフォン分野で優位に立ったにもかかわらず、サムスンとGoogleは、よく言っても崩壊した結婚生活を続けているような、友人を装った敵対者同士だ。

 世界第2位のAndroidスマートフォンメーカーであるファーウェイが一定期間無力化された場合、それがサムスンの利益になることは間違いない。

 だが、サムスンが得られるかもしれないものは、スマートフォン分野での優位だけではない。同社は世界の主要5Gネットワーク機器メーカーの一角としての地位を確立したいと考えている。

 サムスンは白物家電や造船、半導体など、多くの事業分野を支配できるかもしれないが、同社のネットワーク事業は幾度となく成功をつかみ損ねている。


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アメリカが陥るファーウェイ制裁の落とし穴
The 5G Fight Is Bigger Than Huawei

<トランプ政権の強硬策がアメリカの利益を損なう恐れも――5G覇権は貿易戦争ではなく公正な競争で勝ち取るべき>

アメリカが強めている中国ファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術)への攻勢は、結果的にアメリカの国益を損ねる恐れがある。

ドナルド・トランプ米大統領は、「国外の敵」に関係のある企業との取引や情報通信技術の使用を禁止するとの大統領令を発した。続いて米商務省も、ファーウェイを産業安全保障局(BIS)の「エンティティー・リスト」(米政府のブラックリスト)に加えると発表した。この2つの措置が実際にどう履行されるのかは、現時点では分からない。

まだ遅くはない。トランプは、この複雑な問題への政策を練り直すべきだ。その過程で米政府は、自国の5G(第5世代移動通信システム)市場での競争力を高めるために、もっと先を見据えた行動を取るべきだ。

米政府が重要なインフラに対する重大な脅威を理由に、強硬手段に出るのは分かる。リスクの高い企業との取引に制限を設ける理由もうなずける。だが「国外の敵」という枠組みが強調されると、米政府はファーウェイ問題を超えた構造的な問題について、さらに踏み込んだ議論をする機会を逃すことになる。

アメリカの通信網からファーウェイを排除する根拠を挙げれば切りがない。しかし重要なのは、その意思決定過程だ。信頼性と客観性、透明性を確保した形で行われることが望ましい。

その際には、似たような懸念を抱きながらも、中国を敵扱いするアメリカとは立場を異にする他の国々と歩調を合わせることが非常に大切になる。今のところヨーロッパの同盟国や友好国は、米政府がファーウェイに示す懸念にやや懐疑的だ。

欧州諸国に高まる懸念
ヨーロッパ諸国との間には、さらなる合意を形成する必要があるだろう。5Gのセキュリティーへの対応は今後も、設計から開発、管轄に至るあらゆる段階に広げていくべきだ。

そのためには、議論の方向性を見直す必要がある。ファーウェイに対する悪評の基となっている判断基準や懸念に、焦点を当てる必要がある。

その一部は、ファーウェイ以外の企業にも当てはまる。汚職や腐敗、企業の所有形態などに関する透明性の著しい欠如、盗聴への関与、セキュリティー上の欠陥などだ。どの国の企業であれ、こうした問題のある企業は厳しく取り締まるべきだ。


アメリカは必要以上の損害を出さないよう慎重に動かなければならない。やり方を誤ると、アメリカの重要産業の利益を損ね、さらには世界に波及する恐れがある。既にファーウェイの主要サプライヤーや、中国市場への依存度が高い多くの企業の株価が急落している。

何か手を打たなければ、長期的には損失がさらに膨らみかねない。ファーウェイが昨年、米企業から調達した部品は、金額にして約110億ドル。米企業は潜在的にこの規模の痛手を負う恐れがある。

ヨーロッパでは、アメリカと同盟・協調関係にある国々が懸念を募らせている。各国内のネットワークへの影響が心配され、アメリカとの関係が疎遠になる恐れもある。

今回の措置は、通商協議における単なる作戦ではないかという印象(恐らくは事実だが)もあり、アメリカの信用を傷つける危険性をはらんでいる。仮にトランプ政権が措置を緩和したり、17年の中興通訊(ZTE)のようにエンティティー・リストから除外したらどうなるか。現実に存在するファーウェイの脅威と不正行為の深刻さを軽んじることになるだろう。

それだけではない。同社の主張と中国政府のプロパガンダに迎合することにもなる。アメリカの政策はどこまでも「政治的」であり、本当に安全保障上の懸念に基づくものでもないし、法律を公平に適用することもないという主張だ。

米商務省はファーウェイのエンティティー・リスト入りを、対イラン制裁違反への対応だと説明した。それ以外にも、中国軍や国家安全省(MSS)との関連性も明らかに憂慮すべき事態だ。例えば情報活動の隠れみのにされた、看板にされた、MSSから資金を提供された──などと指摘されている。

その一方で、米政府がもっと広範な攻勢を意図している可能性もある。だとしたら賢い戦略とは言えないし、逆に損失を招きかねない。米中間の産業構造の再定義を意図しているなら、もっと慎重を期すべきだ。

米中対立の核心にある緊張状態は、経済的に深く相互依存しながら戦略上でも技術面でも競争が激化するという危険な状態のせいで起こっている。産業構造の再編と多様化が進めば、アメリカの中国企業に対する依存度は減るかもしれない。アメリカにとって、サプライチェーンと全体的な産業基盤の安全性や強さが脅かされる危険は減るだろう。

最悪のシナリオに備えを
ここで肝心なのは、広範な攻勢を行うかどうかではなく、どの程度まで、どのように行うかだ。かつては、相互依存関係は紛争を防止すると見なされた。しかし込み入った関係が悪用されたり、武器として利用されるといった危険性のせいで、米中摩擦は悪化してきたようだ。均衡状態へ移行するには時間と、現実的な選択肢を見極める必要がある。

グローバル化と国際協調を特徴とするアメリカの技術革新のエコシステム(生態系)は、総合的には米中双方の利益になっている(もちろん、利益の搾取や不均衡はあったのだが)。

トランプ政権の対中姿勢は、診断は正しくても処方を間違える場合がある。今回も強引な手法しか通じないらしい体制と交渉するための、したたかな戦術と評価できるかもしれない。しかし貿易交渉の戦術面で勝っても、あるいは不当にのし上がった企業の力をそぐことができたとしても、アメリカの長期戦略の持続可能性を損なうのは好ましくない。

もしトランプ政権が「エンティティー・リスト入り」が「死刑宣告」を意味すると考えているなら、今回の措置は裏目に出るかもしれない。果たして徹底的に実施するのか、それとも長期的には一部の米企業からファーウェイへの販売免許が更新されるのか、まだ分からない。

既に欧米企業が次々と禁輸措置に従い始めているとはいえ、8月まで現行のネットワークの更新や修正などについては猶予が与えられている。これでファーウェイも終わりだなどという期待を抱く者は、失望を味わうことになるかもしれない。

ファーウェイにも弱点はあるが、同社の底力と国の看板企業として支援する中国の決意を過小評価するべきではない。

ファーウェイの任正非(レン・チョンフェイ)CEOは、こう宣言している。「私たちは世界の頂点に立つ夢のために自分自身と家族を犠牲にしてきた。この夢のために、いずれアメリカと対立することは避けられない」

同社が子会社ハイシリコンで独自の代替製品を開発してきたのは、こうした不測の事態に備えるためだった。

ファーウェイが最悪のシナリオに対応できるかどうかは分からない。しかし中国政府の半導体産業への投資は実を結び始め、有利な環境が整いつつある。

最近の外圧のせいで、中国は重要な革新的技術の開発を国内で進める計画を強化し、「独立独行」を実現する方向に向かっている。今回の制裁は米企業の弱体化を招く一方、中国政府の決意を強化するという意図しない結果をもたらすかもしれない。

5G開発競争は、ファーウェイが勝ったも同然というわけではない。今回の措置に対する最初の声明で、ファーウェイは自らを「5Gの比類のないリーダー」と宣言した。この主張はマーケティング戦略として優れているとしても、完全に正確とは言えない。

ファーウェイは、ノキアやサムスン、エリクソン、クアルコムなど5G技術で競合する多くの企業の1つにすぎない。確かにファーウェイはシステム・インテグレーターとしての優位性など、有利な立場にあるように見える。5Gを構成する重要な機器の主要メーカーでもある。

アメリカだけでは無理
ただし、この利点も5Gの具体化とともに進化を続ける業界では確実なものではない。

今後、アメリカはファーウェイの独占を防ぐ代替策を積極的に推進する必要がある。ファーウェイがもたらす最大の脅威は、同社の5G支配への強過ぎる思いが公正で健全な競争を阻害し、エコシステム全体の活力を損なう可能性があることだ。

ファーウェイは、中国政府の補助金など不透明な資金調達によって、競合他社との価格競争に勝ち、市場シェアを獲得してきた。同社は現在、世界の電気通信市場のかなりの部分を占め、30%近いという推定もある。

気掛かりなのは、ファーウェイの4Gを採用した国では5Gのネットワークも同社のシステムしか選択肢がなくなるかもしれないことだ。

アメリカは5Gに関して、健全な競争の促進を目指すべきだ。5Gの開発と構築は、ベンダー間の選択肢の多様化とサプライチェーンの再調整によって、よりうまく機能するだろう。

5Gの開発で競争力を付けるためには、米政府は企業への資金提供や税制優遇措置など、研究開発の支援にもっと力を入れるべきだ。

同時に、アメリカは単独で5Gをリードすることはできない。セキュリティーとイノベーションに関するアメリカの政策は、同盟国や提携国との緊密な協調を優先すべきだ。

さもなければ、ファーウェイに対してどんな措置が取られても、5Gの将来をリードし、支配するのは中国ということになるかもしれない。

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これがファーウェイの独自OS? 新たな「ARK OS」で再出発も前途多難か…

ブランクは避けられない?

Huawei(ファーウェイ)をめぐっては、トランプ政権による輸出規制リスト(U.S. Entity List)入りをめぐって、もはやハードウェア的にスマホを作れなくなるのではないかと懸念されていますけど、ソフトウェア面でもGoogle(グーグル)のAndroidのライセンス剥奪という衝撃的な措置により、前途に暗雲が立ち込めています。この先、Huawei製のスマートフォンは、どうなってしまうのでしょうか…。

ファーウェイ独自OSの名は「ARK」?

しかしながら、このほどStuff Asiaは、新たにHuaweiが「ARK OS」なる新OSの準備を進めていることを報道。先週、EUIPO(欧州連合知的財産庁)に対し、電子機器のオペレーティングシステムとして「Huawei ARK OS」の商標登録が進められたことを明らかにしています。


たとえAndroid OSを失ったとしても問題ない。そんな強気の姿勢を見せているHuawei。これまで同社は、中国向けに「Hongmeng OS」の商標を取得し、新OSとして年内にもデビューさせると見られてきました。新たなHuawei ARK OSは、この海外市場向けのネーミングにすぎないのか、それともまったく別の新OSとなるのか、まだ詳細は明らかではありませんが、着実にHuaweiが、Androidなき後の事業継続へと動き出しているのだけは確かなようですね。

とはいえ、今回の報道では、Huaweiが、実際にARK OSを搭載するスマートフォンの新モデルを海外向けに発売できるのは、早くても2020年初めになるだろうとの見通しにも言及されています。今夏には、Androidスマホの新製品の発売を打ち切らざるを得ない事態に追い込まれるであろうHuawei。そこから来年までのつなぎは、どんなふうに考えているのでしょう? ARK OS搭載モデルを用意できるまでは、市場から姿を消さざるを得ないのでしょうか? それはあまりにも寂しすぎる展開ですけど。

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今度は南シナ海で対中制裁呼びかけ──米上院 / 豪軍ヘリにレーザー照射=南シナ海、中国船か

<貿易や安全保障をめぐる米中対立の流れで、中国が実効支配してきた海も取り戻す?>

超党派の米上院議員グループが5月23日、南シナ海と東シナ海における中国政府の活動に関与した中国人や団体に対して、米国政府が制裁を科せるようにする法案を改めて提出した。

共和党のマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州)とトム・コットン上院議員(アーカンソー州)、および民主党のベン・カーディン上院議員(メリーランド州)が提出した「南シナ海・東シナ海制裁法案」は、中国に圧力をかけ、中国が領有権を主張する中国沖の海域の実効支配をやめさせることを目的としていると、香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は伝えている。

この法案が成立すれば、東南アジア諸国連合(ASEAN)の1つまたは複数の加盟国が領有権を主張する海域で「平和、安全保障、安定を脅かす行為」をした個人に対して、アメリカ国内にある金融資産の凍結、ビザの取り消しまたは申請却下といった制裁を科すことが、アメリカ政府に義務づけられることになる。

中国は南シナ海で領有権を主張しており、浅瀬や礁に軍事基地のネットワークを建設して実効支配している。だが、中国が領有権を主張する海域は、ベトナム、フィリピン、台湾、ブルネイ、マレーシアが主張する領海と重なり合っている。そうした国々はいずれもASEANの加盟国だ。この海域には豊かな漁場や重要な航路があるほか、豊富な天然資源が存在するとみられている。

「中国政府に責任をとらせる」
米インド太平洋軍司令官のフィリップ・デービッドソンによれば、中国の基地ネットワークは重武装であり、中国が「アメリカとの戦争を除くあらゆるシナリオで」同海域を支配していることを意味するという。

アメリカの軍艦や航空機は、問題の海域で「航行の自由」作戦や飛行作戦をたびたび実施してきた。その狙いは、中国政府に継続的に圧力をかけ、同海域は国際水域の一部であるとするアメリカ政府の見解を主張することにある。アメリカのこうした作戦を中国は、挑発的で地域の平和を脅かすものだと非難しているが、今回提出された法案は、そうした作戦をさらに拡大することも求めている。

ルビオは「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」に対し、「(この法案は)中国政府が実効支配する南シナ海の紛争海域において、不法かつ危険な軍事拠点化にアメリカや同盟国が対抗する取り組みを強化するためのものだ」と語った。

「この法案は、同海域をあらゆる国に開かれた自由な海域として保つという米国の約束を改めて表明するものだ。また、同海域で他国を脅し、威圧していることに関して中国政府に責任をとらせるためのものだ」とルビオは付け加えた。

同法案が成立すれば、米国務長官には、6カ月ごとに議会に報告書を提出することが義務づけられる。この報告書には、(中国政府の主張する領海を実効支配するための)人工島基地建設に協力した中国人や中国企業が列記される。

この法案は最初、2017年に提出されたが、採決には至らなかった。だが、現在の緊張した米中関係や、2年以上にわたる中国の南シナ海の軍事拠点化が、この法案に勢いを与える可能性がある。また、外交委員会の委員長も当時から交代し、中国の監視を在任中の重要事項に掲げるジェームズ・リッシュに引き継がれている。

ルビオの広報担当者によれば、ルビオは法案成立の可能性について「きわめて楽観的」だと言う。2017年の法案と比べて、文言はほとんど変更されないだろうとのことだ。

制裁に次ぐ制裁
同法案が成立すれば、米中関係はさらに悪化する可能性がある。ドナルド・トランプ大統領の中国に対する強硬姿勢は、トランプ政権の顕著な特徴のひとつになっており、軟化する兆候は見られない。

アメリカは5月10日、2000億ドル相当に上る中国からの輸入品に対する関税引き上げを発動。税率を10%から25%に引き上げた。さらにトランプはロバート・ライトハイザー米国通商代表に対し、今回の引き上げの対象にならなかった中国からのほぼすべての輸入品について、関税引き上げの手続きを進めるように指示した。この追加関税の対象となる中国製品は3000億ドル相当にのぼる。

それと同時に、中国のテック系大手ファーウェイにも圧力をかけている。アメリカ政府は、5Gにおけるファーウェイの突出した技術が、西洋諸国における将来の重要な通信ネットワークに中国政府が侵入する糸口を与える可能性があると懸念している。5月15日には、トランプがこの問題をめぐって国家非常事態を宣言し、ファーウェイをブラックリストに追加した。すべての米国企業とファーウェイとのビジネス関係を事実上禁止しようとする動きだ。

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豪軍ヘリにレーザー照射=南シナ海、中国船か

【シドニー】中国が軍事拠点化を進める南シナ海をオーストラリア海軍のヘリコプターが飛行中、漁船からレーザー照射を受けたことが明らかになった。船は中国に関係しているとみられる。豪公共放送ABCが29日報じた。
 ヘリが照射を受けたのは夜間飛行中。照射後、パイロットは診断を受けるため艦船に戻った。パイロットが負傷したかなど詳しい状況は不明。艦船は多国間演習のために派遣され、南シナ海を航行していた。
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