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2020年11月

岡山 造山古墳で埴輪列を初確認、岡山 全国4位の墳丘


 全国4位の墳丘規模を誇る岡山市北区の造山古墳(前方後円墳、全長350メートル)で埴輪列が初めて確認され、岡山市教育委員会は29日、発掘現場を一般公開した。市教委文化財課の寒川史也主任は「埴輪列の発見で、古墳築造時の具体像が分かる。多くの人の手がかかっていたとみられ、地域を治めた王の墓にふさわしい」としている。

 全国最大の大山古墳(仁徳天皇陵、堺市、全長486メートル)など巨大古墳の多くは宮内庁が陵墓として管理。造山古墳は墳丘に立ち入れる古墳としては最大で、5世紀前半の吉備地方を支配した王の墓とされる。

新型コロナ 「今の国の危機管理ってこれでいいのか?」「8割おじさん 西浦博(京都大)」さんが書籍に込めたプライドと怒り


 新型コロナのデータ分析でなくてはならない存在だった「8割おじさん」こと西浦博さんは、数多くの批判も受けてきました。第1波の経験を聞き書きの形で記録した著書に込めた思いを伺いました。

日本の新型コロナウイルス対策の基礎となるデータ解析をしてきた京都大学大学院医学研究科教授で理論疫学者の西浦博さん。

「8割おじさん」として一般の人にも広く親しまれる一方、国民に直接説明する役割を引き受け、批判も数多く受けてきた。

 

「感染者が増えるのに比例して大きくなるんです」と体型の変化について語る西浦博さん
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この第1波の経験を聞き書きの形で記録した著書『理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!』(聞き手・川端裕人、中央公論新社)を12月9日に出版するが、どんなことが書かれ、どんな思いを込めたのか。

出版社が主催したグループ取材の最終回は、この本について聞いてみよう。

※取材前半は参加媒体の事前質問のうち共通する質問に答え、後半は各社1問ずつの個別質問に回答する形で行われた。追加取材し、読みやすいように構成を変えている。

ずっと悩んできたリスクコミュニケーション 

――本の中でリスクコミュニケーションに悩まれていたことを改めて知りましたが、政府、または誰がどのようなコミュニケーションを取るべきだったと考えますか?

リスクコミュニケーションには専門の先生がいます。

科学コミュニケーションだったら、流行中は東京理科大学の堀口逸子先生にお世話になりました。本にも登場しますが、この方が厚生労働省のクラスター対策班の中に入って、「あんたこうしなさいよ」といつも背中を押してアドバイスをしてくれていました。

第1波で流行の制御が難しくなりつつあり、国や専門家へ様々な批判が集まりはじめる中、それでも勇気を持って科学的情報を届けることになりました。批判を受けるきっかけにはなったかも知れませんが、会見して説明を続けたことには絶対に意味があったと思っています。

より、リスクコミュニケーションや危機管理に近い話は、東大の武藤香織先生という専門家会議や分科会に入られている方が担当してくださいました。いつも現状分析とか見解の文章化にも関わってくれました。

政府と専門家との距離感をどう取るかについても、武藤先生が専門家のプライドを持って主張すべき範囲や境界線を教えてくれました。唯一無二のブレインです。

そういうプロがいる中でも、私自身の専門がとても難しく、政策判断にも重要な役割を果たしていましたから、直接的に話す機会がたくさんありました。

専門家があまり表に出るべきではない時期にも、やっぱり表に出なくてはいけない。あえて科学コミニュケーションに挑戦してきたんですよね。だから本もこういうタイトルにしてもらっています。

僕たちの立場から本音を言うと、本当は政権に専門家の役割を支持する言葉の一つも言ってほしいわけです。専門家の科学的アドバイスをもとに、政府が責任をもって要請しているんだ、と。だから一つひとつの対策をみなで我慢してやっていくんだ、と。建前だけでもいいから「俺たち政治家の責任だ」と言う人はいないのかなと思いきや、担当大臣は自分に問われて「安倍総理が」と言う始末ですし、それどころか、政府は責任転嫁のために僕たちを引き合いに出し始めます。

『理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!』第3章緊急事態と科学コミュニケーションより
その中でやっぱり制度としては、日本政府に「科学顧問」がいればなというのは強く感じてきましたし、これが現時点まで変わっていないのは大丈夫なのかなと、本当に不安に思います。

分科会会長の尾身茂先生がとりあえず臨時科学顧問みたいになっているのはまあいいと思うのですけれども、制度も作られていない。

科学顧問を支えるリスクコミュニケーターは国にとっては「情報の出し方」のプロくらいにしか捉えられていない。科学コミュニケーションの専門性を軽視しすぎている。

おそらくそういうものを作るのは、科学が若干軽視されがちな今の政府では厳しいんだなという感覚を持ちました。作り変えないといけない制度だとは思っています。

メディアに感じたフラストレーション 政権批判のための政治問題に

――新聞社などのメディアにどのような課題やフラストレーションを感じていましたか?

取材いただいている新聞記者の多くは、科学部や医療の担当の方々が多かったのですが、僕も今回メディアにたくさん出る機会ができて、政治、経済部と科学部の違いがやっとわかりました(苦笑)。

本音なんですけれども、流行中に取材を受けていても、一つの問題を政権批判のための政治問題として捉えている方と、科学でわかったことをどう社会での実装に落とし込んでいくか悩むフラストレーションもある程度見透かされながら聞いてくる方とありました。同じ社で似た名刺を持っている方たちなのに。

相当、記者も見方やバックグラウンドが違うんだなというのを学ばされてきました。その伝え方と、伝える問題意識自体も見直したほうがいいんじゃないかなというのは正直思いました。

専門家会議が出してきた「現状分析」というのは、流行初期の尾身茂先生の良心の表れのように思っています。

その後、組織が改変されて、分科会ができてすぐの時はちょっと心配しました。

内閣官房で記者会見に出ている記者のほとんどが政治部の方で、コロナウイルスの基礎知識もあまり伝わっていない。

どちらかというと、政権が何をしくじったのかを知りたいというような人も少なくなかったのではないかと思います。

両方の部にお話しできるといいと思いましたが、最も重要で伝えないといけないことが伝わらないようでは困る。それぞれのデスクの意見が異なる場合も少なくないでしょう。

メディアを通じたコミュニケーションでは、そういった問題も真剣に考えないといけないんだなということは学ばされました。

こういう科学コミュニケーションを本当に見直すのであれば、そういう受け手側の問題もある程度ケアしないといけない。それは科学顧問というのが制度上立ち上がると、少しは解決されるのではないかと思ってはいます。

ただ、ひとつ言っておかなければならないのは、実は42万人という数は、僕の口からは言っていないんです。前日に医務技監から電話がかかってきて、「専門家個人として会見するんだよね」と聞かれ「そうなります」と答えました。すると「どっちにしても死亡者数は直接言わないでください」と言われました。「じゃあ、85万人重症でその約半分が死亡」ならいいんですかと聞きますと、「それならよい」ということでした。そんな経緯もあって、本当に回りくどい表現しかしていないのです。

『理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!』第3章緊急事態と科学コミュニケーションより
感染対策と経済との調査の難しさ

――経済学との調和の難しさを述べておられますが、現時点においてもその状況に変化はないと思います。具体的にどうしたらいいと思いますか?

現時点においても「変化はない」というのは少し誤解があると思います。

今の流行対策は、新型コロナに特化した予防法や治療法がないので、人の接触を削減する手段、あるいは接触の時の経路を遮断する手段をとって、感染を予防しないと感染者数は減らないわけです。

だから、(感染対策をすれば)経済的な影響があるというのは原理原則で、それもちろんは正しいのですけれども、対策はだんだん改良されてきてはいます。

第1波流行の時、本当に緊急の状況で、きめの細かい対策をすぐに実行するのは非現実的だったので、速やかに対策が切り替えられましたね。緊急事態宣言が出された時、社会全体で接触を8割削減というお話をしました。

その後、今は社会全体の接触削減が非効率的ならできるだけそれを避けよう、というようにだんだん対策も改良しようと知見を積み重ねています。

具体的にいうと、飲食店の夜間の営業自粛要請とか、時短要請とか、5人以上の会食を止めてもらうというのは典型例です。もちろん、書籍でも議論している通り、被害を受ける業種への補償は政府と自治体がそれぞれの事情に合わせて十分に対応しなければなりません。

これまでに述べてきた通り、伝播が起きているハイリスクの場が主戦場となってメラメラと火が上がっている間であればそういう対策が特に有効です。一部の場所で伝播を止めるために行うとか、あるいは流行が拡大してしまうきっかけを止める、ということですね。

リモートワークもそうです。

外に行くのが危ないのではなく、外に行って感染する機会が生まれることが危ないのです。仕事に行くこと自体よりも、仕事後に飲み会に行って感染する機会が増えることが危惧されます。仕事に行った帰りに飲む機会が、リモートワークをすれば消えることになりますね。

そういう改良はどんどん進んでいますし、より効率的に接触削減ができないのかということは研究ベースでも検討が進んでいます。接触ネットワークの研究では、ハイリスクの接触をしている人を組織的に分割することによって感染者を減らしていく仕組みが作れないか、という研究も発表されています。

ただ、それでも感染はゼロにはなりませんから、ある程度粘る方法を作る。

「いったいいつまで対策が続くのか」という問いに一定の回答を与える挑戦もそろそろ考えていかないといけません。

時間をかけて流行の波を超える方法を作って、「絶対あと2回の流行くらいで済みますよ」などと言えるのがおそらく理想なんだろうと思いますね。その先は、予防接種によって少なくとも医療崩壊だけは避けられる程度にできるかもしれない。

「あと2回の波だったら、みんなで2回だけは辛抱しようか」ということで時間を稼ぐことができる。

緩和のスピードだって圧力に屈しつつ広げるのではなくて、そういう時間稼ぎの観点からデザインすれば頭痛の種は減らしていけるのです。科学的にできる政策実装範囲のギリギリのラインだとは思いますが、そういうことも含めて対策を設計できれば理想的だと思っています。

国の危機管理ってこれでいいのか 考えてもらうきっかけに

ーー先生のご経験を本にまとめた意義をどう考えていますか?

自分自身が初めて政府の中に詰めて入って、「感染症の数理モデル」という今まで日本の政策決定のプロセスにはなかったものを使いました。

日本の政策に影響を与えないといけない状況に陥りながらも、コミュニケーションはやってもやっても足りないことがいっぱいありました。



厚労省に詰めていた時に通った「餃子の王将」でスタンプ50個を集めて受け取った折りたたみ傘を嬉しそうに見せる西浦さん
もうちょっとうまくできたかもしれないという話よりも、どちらかというと、こんなに大変だったというのをしっかり残す意義があると思っています。

それにプラスして、自分が関わったこういう専門の話というのは、周りにいろんな専門家の先生たちがいてアドバイスをいただきながらやってきているんですね。

僕があくまで「8割の接触削減」を主張している時に、最終的に「最低7割、極力8割」になったのは、「7割」になりかけていたのを尾身先生が押し返してくれた成果です。この件で、僕に電話をかけてくださった時、「あくまで8割でお願いします」と僕が言ったら、「おう、わかった」と、その後の会議で総理に説明してれました。

これは同席した人から聞いたんですけど、「ここは、7割か8割という話ですけど、医学者として見るなら、僕は8割を取るなあ」とかゆっくり言いながら、中身の文章を変えていくんです。

「最低7割ということでしょうね」って言ったかと思えば、すぐに「極力8割でしょうね」と言い、それから「そういうことだったら最低7割のほうはもう要らないかもしれないぐらいですね」とか言いながら、日本語が変わっていく。その後また押し返されて「最低7割、極力8割」となるわけですけど、一時は「極力8割」だけのスローガンになりかけるところまで(笑)。ものすごく困った流れになっていた時にも、尾身先生が大臣に会って政策が変わって、気付いたら解決していたというようなことが何度もあって、僕にしてみると理想のボスですね。とにかく突破力がすごいのです。

(『理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!』第3章緊急事態と科学コミュニケーションより)
いつも分科会で話してくれる「寝技師」の尾身茂先生であったり、座長の脇田隆字先生であったり、一緒にクラスター対策班をやってきた押谷仁先生であったり。

そういう先生方と、感染症の専門家が何を考えて流行対策をアドバイスしてきたのかというのを第1波の部分だけでもまとめると、聞き書きだけで300ページになったのです。

皆さんの生活にも影響を及ぼすようなアドバイスをやっている責任上、どうしてそういうような思考に至ったのかということも含めてきっちりまとめました。

そのうえで、今の国の危機管理ってこれでいいのだろうか、改善してもっとポジティブに考えるとするとどうすればいいのだろうかということをみんなで考えてもらうきっかけになればと思っています。

「8割おじさん」西浦さんのメッセージ

本の刊行について西浦さんが寄せたメッセージを最後に紹介する。

西浦の失敗を共有したい。そう考えて企画した書籍です。数理モデルという日本にとって新しいサイエンスを登場させるには、第1波はあまりにも短時間でした。頑張って前に出てみましたが、大事なコミュニケーションは全て誤解なく伝わってはいませんでした。

尾身先生、脇田先生、押谷先生、岡部先生、あげだすとキリがないですが、感染症専門家が命がけでやっていることを熱く記録に残して次に繋げたいと思います。先輩に学んだこと、個別に弟子や学生へ伝達するだけではなくて、広く次に伝達しておかないといけないことをここにまとめました。この流行を通じて、科学者の責任の範囲とプライドに悩み続けましたが、ゆずって良いものとゆずってはいけないものがハッキリしたと思っています。

社会科学の批判にさらされた中で西浦という研究者が真正面から切り抜けていったことを記録に残しました。いまはストレスコーピングもできて意見も明確に述べられますが、あの波の後はこんなに鈍感な西浦にとってもダメージでした。

日本の政策がどのように専門家意見を取り入れて判断しているのか、について考えてもらいたいと思います。私の学生にも感染症の危機管理学を志望する者がいましたが、海外に行ってしまいました。どうしてなのか、この国の薄くて脆弱な体制は絶対に変えないといけないと思います。

流行が長く続いていますが、おそらく、もう中間地点は超えていると思います。その中で多様な意見が出ています。インフォデミックは全く制御されていない状態です。また、政策として真逆のことを強く主張し合うようなことも起こり得る状態です。ここで飽きてしまわずに、あともう一踏ん張りすればゴールが見えてくると思うのです。どういうコンセンサスで流行対策が行われてきたのかを本書を通じて本音ベースで共有したいと思います。

政府推奨のマスク会食 「かえって感染を広げる」との指摘も
西村大臣「いつでもマスク」会見!!




  マスク姿の男女のグループが、飲食店でテーブルを囲んでいる。ドリンクが運ばれてくると、マスクをしたまま乾杯。グラスを持った反対の手で、片方の耳からマスクのひもを注意深く外す。片耳にマスクをぶら下げてドリンクを口にすると、すぐにマスクをもとに戻す。

 テーブルに料理が運ばれてくると、会話の中心にいた1人の女性が急に話すことをやめて口を閉ざす。ピアスの光る右耳から左手でさっとマスクのひもを外し、右手に持った箸で料理を口元に運ぶ。左耳ではピアスとマスクが同時に揺れている。しなやかな手つきでマスクをつけ直すと、再び会話の輪に戻る──こんな煩わしい、いや清潔な食事風景を政府は推奨している。

 11月19日、菅首相は会食中に感染の可能性があるとして、食事中であっても会話時はマスクをつける「静かなマスク会食」を国民に求め、「私も今日から徹底したい」と意向を示した。

 新しい生活様式の提案だが、国民の反応はいまひとつ。《マスクしてまで食事するくらいなら食べに行かない》《現実的には無理でしょ》などとインターネット上には批判的な声が相次ぎ、石田ゆり子(51才)も《マスクしながらの会食って…そんなことするくらいなら黙って食べます!》とインスタグラムに綴っている。日本感染症学会指導医の水野泰孝さん(グローバルヘルスケアクリニック院長)が指摘する。

「マスク着用と会食の両立は、非常に難しいことです。さらに、政府は汚れが付着している可能性のあるマスクの外側に手が触れないように、ひもを持っての着脱を推奨しています。医療従事者にとってこの手順はある程度慣れていますが、一般のかたが、ランチのときだけでなくお酒も入る会食の場でこれを実践し続けるのは、大変なことではないでしょうか」

 仮にマスクの外側にウイルスが付着していた場合、マスク会食は感染拡大のリスクを増やすことになりかねない。水野さんがこう続ける。

「食べ物や飲み物を口に運ぶたびにマスクに手をかけるとなると、当然、マスクを触る回数が増えます。マスクを触る回数だけ、感染リスクが高まります。食べているときは会話を控え、食べ終わったらマスクをするのが基本ではありますが、話をしながら食事をしたいのであれば、むしろマスクを外し、話をするときにはハンカチやタオルで口を覆うことでもリスクは軽減すると考えます」

 口元に手を運ぶ機会が多くなるということは、そのついでで、口や鼻を触ってしまう“リスク”も増えるということ。

「感染予防で大事なのは、手で目や鼻や口に触れないこと。マスク会食は、その部分への接触を増やすことになり、結果的に感染を広げることになりかねません。感染リスクを減らすためには、会食そのものを避けるしかない」(医療ジャーナリスト)

 11月20日放送の『バイキングMORE』(フジテレビ系)では、3人の大学生がマスク会食を実践した様子を放送した。25分間で3人合わせて97回のマスクのつけ直しがあったと伝えている。

「会食を控えてほしい」その一言が言えない背景も、見え隠れする。

「マスク会食は、Go Toイートなどの政策を強行する中で提案されました。会食を控える呼びかけは、政策と矛盾する。苦肉の策であるのは明らかです。なかには“世紀の愚策”との声もある」(政治部記者)

 菅政権の限界が、早くも見えてきた。

「はやぶさ2」小惑星「リュウグウ」探査 カプセル回収準備進む



 日本の探査機「はやぶさ2」が、小惑星の砂が入ったとみられるカプセルを日本時間の来月6日の未明にオーストラリアの砂漠地帯に帰還させる計画です。初号機に続いて小惑星の砂を持ち帰ることができるか世界から注目されていて、現地に入ったチームが回収の準備を進めています。

「はやぶさ2」は6年前に打ち上げられて、小惑星「リュウグウ」の探査を行って2回のタッチダウンを成功させていて、「リュウグウ」の砂が入ったとみられるカプセルを来月6日に地球に帰還させる計画です。

「はやぶさ2」は、今月26日にカプセルを地球の大気圏に落下させるルートに軌道を変更していて、30日午前5時の時点で地球からおよそ230万キロ離れた場所にあって、スピードは秒速4キロ余りで地球に近づいています。

カプセルの回収チームは、今月24日に着地点近くのオーストラリア南部に入り、着地が予定されている砂漠地帯を確認したり、カプセルを追跡するための機器を用意したりして準備を進めているということです。

「はやぶさ2」は1日、最後の軌道の微修正を行ったうえで12月5日にカプセルを分離することにしていて、6日に地球に帰還するカプセルは現地に入っているチームがレーダーなどで追跡して回収する計画です。

回収されたカプセルは飛行機で日本に運んだ後に専用の施設の中で開封されることになっていて、「はやぶさ2」の、6年間にわたっておよそ50億キロを飛行した小惑星「リュウグウ」の探査は一区切りつくことになります。

そして、小惑星のサンプルは初期的な分析などをしたうえで研究者に分配され、太陽系の成り立ちを調べる試料となるほか、水の成分や有機物の分析も行われて、地球の水や生命の起源に関係する新たな発見がもたらされるのではないかと期待されています。

カプセルは「リュウグウ」からの玉手箱
「はやぶさ2」のカプセルは「リュウグウ」からの「玉手箱」という言われ方をするほど、さまざまな発見につながる宝物になるのではないかとみられています。その背景には、実際に「リュウグウ」という小惑星に行ってみたら、その姿は事前の予想と大きく違っていたことがあります。

当初は、小惑星のかけらである隕石(いんせき)を調べることで、ある程度、小惑星のことはわかっていると考えられてきました。ごくごく簡単に言えば、隕石を大きく拡大したものが小惑星だと思われていたのです。

しかし、それは大きく違っていました。「リュウグウ」の表面には細かい砂が覆い、その上に岩がごろごろと転がっていました。そして、その密度は1立方センチ当たり1.19グラムと、想定以上に軽かったのです。

隙間の量を示す空隙率は50%以上。軽くて「すかすか」で、インスタントコーヒーの粒に例えられるほど、穴がたくさん空いた多孔質であることがわかりました。

こうした物質であれば、地球の大気圏で燃え尽きてしまい、隕石として地表には到達しません。隕石を見ていても、小惑星の本当の姿はわからなかったのです。

ではなぜ「すかすか」なのか、その理由は謎です。

星が固まっていく途中のふわふわとした状態を示している可能性があります。太陽系ができたばかりの頃の手がかりが得られるかもしれません。また、別の仮説では、含まれていた水が抜けたためだという可能性もあります。持ち帰ったサンプルを調べることでわかるとみられています。

さらに、その小惑星の水については、特に注目が集まっています。当たり前のようにある地球の水ですが、実はどこからきたのか、よくわかっていないのです。

当初は、氷の塊でもある「すい星」が地球にもたらしたのだろうと思われていましたが、「すい星」の氷を調べたところ、地球の水とは性質が違うことがわかりました。

そこで浮上しているのが小惑星に含まれている水の成分です。鉱物の中に取り込まれるように存在していて、私たちの体の中の水など地球の水が小惑星によってもたらされたのではないかという説が強まっているのです。

さらに調べられるのが有機物です。小惑星「リュウグウ」には有機物が比較的、多いと考えられて探査に行きましたが、画像を分析した結果としておよそ60%が有機物だとする論文も出るなど当初の予想を大幅に超える量が存在しているかもしれないのです。水や有機物は生命にも関係する重要な物質です。

事前の想定と違うということは、それだけ大きな発見が待っている可能性があり、カプセルという「玉手箱」をきちんと受け取ることができるか注目されています。
カプセルの回収は「6段構え」
カプセルは12月6日の未明に、オーストラリア南部の砂漠に着地させる予定です。

カプセルは秒速12キロで大気圏に突入し、大気との摩擦で「火球」と呼ばれる火の玉のようになって落下します。明るさは「ー7等級」ほどで、一般の星をはるかに上回る輝きとなって90秒ほど見えると予想されています。

そして、高度1万メートルでパラシュートを開きます。パラシュートを開いたカプセルは、位置を知らせる「ビーコン」と呼ばれる電波を出しながらゆっくりと落下します。

パラシュートでの落下は風の影響を受けやすいため、カプセルが落下する範囲は、100キロ程度の誤差は出るとされています。

このカプセル内の貴重なサンプルを確実に回収するため、「6段構え」の態勢で待ち受けることにしています。

【第1段】
第1段は、大気圏を落下してくるカプセルが高温になって光る様子を地上に設置した観測機器で測定して落下地点を割り出します。

【第2段】
第2段として、雲によって光るカプセルを地上から観測できない場合に備えて、NASAの航空機を飛ばすよう依頼して、雲の上からも観測します。

【第3段】
第3段は、「ビーコン」の受信です。カプセルはパラシュートを開くタイミングで、位置を知らせる「ビーコン」と呼ばれる電波を発信します。この「ビーコン」を受信するアンテナを地上の5か所に設置してカプセルの位置を割り出します。

【第4段】
また、第4段として、地上に4つのレーダーを設置します。パラシュートを開いたカプセルをレーダーで検知して落下位置を探ります。

【第5段】
第5段はヘリコプターによる捜索です。カプセルが地上まで到達すると、地上に設置した「ビーコン」の受信機や「レーダー」では探知できなくなります。そこで、ヘリコプターに「ビーコン」の受信機を搭載して、上空から信号を捉えます。

【第6段】
第6段はヘリコプターを補完するために飛ばす「ドローン」です。ヘリコプターよりも小回りのきくドローンを飛ばし、上空からの映像でカプセルを見つけ出します。回収チームは、この「6段構え」の万全の態勢でカプセルの帰還を待ち受けています。
「はやぶさ2」これまでの軌跡
「はやぶさ2」は、2014年12月3日、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケットで打ち上げられました。地球の引力を使って加速しながらコースを変える「スイングバイ」と呼ばれる航法で、「はやぶさ2」は「リュウグウ」に向かいました。

その後はイオンエンジンを断続的に噴射して速度を上げ、太陽を2周しながら目標の小惑星「リュウグウ」に徐々に近づきました。

そして、2018年2月。
小惑星「リュウグウ」まで130万キロに迫り、初めて搭載したカメラで「リュウグウ」の撮影に成功します。

6月27日に、「リュウグウ」の上空2万メートルに到着。「リュウグウ」に近づいて地形や重力などの観測を続けてきました。

その後、はやぶさ2はリハーサルを繰り返したうえで、2019年2月、「リュウグウ」への着陸に無事、成功しました。このときに、表面の砂の採取にも成功したとみられています。

2019年4月5日には高度500メートルで「インパクタ」と呼ばれる金属の塊を発射する装置を切り離して、高速で発射された金属の塊を「リュウグウ」に衝突させ、世界で初めて小惑星に人工のクレーターを作ることにも成功しました。

2019年7月11日には人工クレーターの周辺に2回目の着陸にも成功。クレーターから飛び散った小惑星内部の岩石の採取にも成功したとみられています。

予定していた当初のミッションをすべて終えた「はやぶさ2」は2019年11月13日に「リュウグウ」を離れ地球に向けて出発しました。

2020年9月17日には地球からおよそ3600万キロの位置に到達し、イオンエンジンによる最後の軌道修正を行いました。

そして11月26日に行われた化学エンジンによる噴射で「はやぶさ2」は地球の大気圏に突入する軌道に入ることに無事成功しました。

このあと12月1日に軌道の微修正が行われ、12月5日にカプセルは「はやぶさ2」の本体から分離されて翌日の6日に地球の大気圏に突入することになっています。

そして、「はやぶさ2」の本体はカプセル分離後に地球から離れるルートに軌道を変更し、別の小惑星に向かう新たなミッションを行います。
続く「はやぶさ2」の旅
探査機「はやぶさ2」の挑戦はカプセルを帰還させたあとも続くことになりました。

燃料がおよそ半分程度残っていることから、カプセルを分離したあと、「はやぶさ2」は新たに別の小惑星を目指します。

目的地は「1998KY26」と呼ばれる直径30メートルほどの小惑星です。

JAXAはもう1つの別の小惑星も候補にしていましたが、太陽に最も近づくときの距離が近すぎることなどから「1998KY26」に向かうことを決定しました。

「1998KY26」はおよそ10分で1回という高速で自転していることがわかっています。また、「リュウグウ」と同じように比較的炭素や水が多く含まれいてるタイプの小惑星だとみられています。

直径が100メートル未満の小さな天体に近づいて観測を行うのは世界でも初めてのことです。

「はやぶさ2」が「1998KY26」に到着するのは11年後の2031年の予定で、飛行距離は、新たにおよそ100億キロ加わることになります。
欧米も小惑星探査計画を立案
日本は1970年に初めて人工衛星を打ち上げましたが、アメリカはこの前の年に宇宙飛行士を月面に送り込んでいました。

日本の宇宙開発が存在感を発揮するため、オリジナリティーのある計画として1985年ごろから小惑星から試料を持ち帰るサンプルリターンの検討が始まりました。

2010年6月に「はやぶさ」初号機が小惑星「イトカワ」の探査から帰還し、微粒子を地球に持ち帰りました。

このときにはごくわずかな量しか取れていませんでしたが、小惑星の物質を持ち帰ったのは世界で初めてのことでした。

「はやぶさ2」では、持ち帰っている砂の量は最大で1グラム程度で、本格的に分析が可能で、科学的な成果も十分に挙げることができるとみられています。

一方、アメリカとヨーロッパも日本に追いつこうと次々と小惑星探査の計画を立案しました。

NASAは小惑星探査機「オシリス・レックス」を打ち上げ、小惑星「ベンヌ」からサンプルリターンをする計画です。去年、NASAがJAXAを訪れ、助言を受けています。

「オシリス・レックス」の主任研究員を務めるアリゾナ大学のダンテ・ローレッタ教授は、「『はやぶさ2』から得た教訓は大変有意義だった。これらの知識はオシリス・レックスの計画には不可欠だった」と話しています。

日本は「はやぶさ」の初号機と2号機を通じて、小惑星探査の分野で世界の中で存在感を発揮するようになっています。

今度は消えた? 米砂漠で発見の謎のモノリス、持ち去りか
砂漠のモノリス??


 【AFP】米西部ユタ州南部の砂漠地帯で発見された謎の金属製柱が、今度は消えてしまったようだ。地面から突き出していたこの「モノリス」をめぐっては、どのように建てられたか臆測が飛び交っていた。



 地元当局は27日夜、「正体不明の一味」によって柱が持ち去られたとする「信頼できる報告」を受けたと発表。当局自体は「個人の所有物とみられる構造物を撤去していない」としている。

 柱は三角柱の形状で、赤い岩の地面から高さ約3.6メートルにわたり突き出しており、地元当局が18日、上空からオオツノヒツジの頭数を数えていた際に発見。

 調査のために着陸した当局の職員らは、「地面に建てられた金属製のモノリス」を発見したものの、誰が建てたかを示すものは見つけられなかったという。

 柱発見のニュースはすぐにインターネット上で拡散。スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)監督の名作SF映画『2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)』に登場する奇妙な物体「モノリス」に似ているとの投稿が相次いだ。

 興味を持った観光客らが多数押し寄せることを懸念し、当局は柱のある場所の公表を控えていたが、一部の探検家などが位置の特定に成功していた。

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