「好適環境水」養殖の稚エビ到着 岡山理科大
理系 研究者
(  理系 研究者 スケッチ )

独自開発した「好適環境水」を使ってブラックタイガー(ウシエビ)の養殖を目指す岡山理科大(岡山市北区理大町)に26日、稚エビ約3千匹がタイから到着した。水槽での実験で最適な飼育条件を見極め、来年6月にも岡山県内の耕作放棄地を活用した養殖事業を始める方針。 好適環境水は、山本俊政准教授(水産増殖学)がカリウムなどの量を調整し2006年に開発。海水魚でも淡水魚でも飼育できる。この日、届いた稚エビは生後35日前後で体長約1センチ。山本准教授がタイの研究者から譲り受け、空路で20時間以上かけて輸送した。 計画では、水槽で慣らした後、飼育条件が違う24種類のバケツで育て、適した条件を探る。6月中旬には条件を絞り込み、大型水槽(35トン)で生産実験開始。6、9月にも稚エビを輸入して実験を重ね、耕作放棄地での事業化につなげる。 岡山理科大は好適環境水でマグロやウナギなどを養殖して市場に出荷してきた。山本准教授は「エビは魚類に比べ低コストでの養殖が可能。国内にブラックタイガーを養殖する施設はなく、地域の特産品として売りだしたい」と話している。