<大原美術館>若手画家、自然光の下制作 ARKOを公開 /岡山
若手 芸術家
(  大原美術館  鈴木さん スケッチ )

大原美術館(倉敷市)の若手画家支援事業「アーティスト・イン・レジデンス・クラシキ・オオハラ」(ARKO)で、同市に長期滞在して創作に取り組んでいる若手画家、鈴木紗也香さん(26)=川崎市=の制作風景が21日、報道関係者に公開された。

 ARKOは2005年にスタート。毎年1、2人が招待される。同館コレクションの基礎を築いた洋画家、児島虎次郎(1881-1929)の旧アトリエ「無為村荘」(同市酒津)を利用。空間は広いが電灯はなく、天井の窓から入る自然光の下で制作する。

 鈴木さんは多摩美術大大学院を修了。院生時代に日本の若手画家を対象にした「VOCA展」でVOCA賞を受賞した。平面上で「内と外」をイメージさせる窓や部屋、壁の鏡などの表現に関心があるといい、制作中の最も大きな作品(縦194センチ、横486センチ)でも、窓で仕切られた無為村荘周辺の風景や、同館所蔵のセザンヌ作品などが掛けられた壁が登場する。鈴木さんは「これまでコンクリートジャングルが日常光景だったが、倉敷は肌で自然を感じやすい。自然光だけでの制作は初めてで、色彩などに反映されていると思う」と話している。

 作品は6月23日から同館で公開される。問い合わせは同館(086・422・0005)。