岡山・京山地区のESD活動視察

日本、中国、韓国の大学関係者らで構成する「日中韓環境教育ネットワーク」は26日、前日のシンポジウムに続いて、岡山市内でワークショップなどを開催。ESD(持続可能な開発のための教育)に先進的に取り組んでいる北区京山地区を視察したほか、曽根小学校(南区曽根)では韓国の研究者が自国の伝統的な床下暖房「オンドル」をテーマに授業した。
 一行は3カ国の環境教育の専門家ら約30人。京山地区では、住民の提案で水辺を生かした環境が整備された観音寺用水一帯を見学した後、京山公民館(北区伊島町)で同地区のESD活動について説明を受けた。
 京山地区ESD推進協議会の池田満之会長が用水の生物調査や伝統芸能の継承、外国人との交流といった活動を紹介し、「地域の良さと課題を洗い出し、どういう地域にしたいか、みんなで目標を立てて進めてきた。世代を超えて一人一人が地域の一員であると実感し、地域に愛着を持てたことで、さらなる行動へとつながった」と強調した。また同ネットメンバーの中国・教育省の劉健さんが、水環境の保全など中国の学校での実践事例を報告した。
 曽根小ではソウル大の金男洙(キムナムス)主任研究員が6年27人に授業。児童たちはオンドルの模型を作り、わらや木を焼いた熱が床下を伝わる構造について理解を深めた。女子児童(12)は「オンドルを知らなかったけど、模型を組み立てたので仕組みがよく分かった」と話した。
 一行は27日、芸術による地域おこしに取り組む香川県・直島を訪れる。

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<シンポジウム>教育巡り意見交換 日中韓の専門家が 北区 /岡山

日本、中国、韓国3カ国の専門家による「日中韓環境教育ネットワーク(TEEN)」の公開シンポジウムが25日、北区の岡山国際交流センターであった。各国の抱える環境問題や解決に向けた教育手法について意見が交わされた。

 TEENは2000年の日中韓3カ国環境大臣会合で、環境保護について相互協力を図るプロジェクトとして合意され、毎年シンポを開催。今回は昨年、「ESD(持続可能な開発のための教育)に関するユネスコ世界会議」の会場となった岡山市で開かれた。

 中国は、人口の多い沿岸部の環境を保全するため植林や清掃活動に励む学校を紹介。韓国は、普段の飲食物の生産過程で使われる水の量を示し、節水につなげてもらう教材を発表した。日本の事例では、岡山市立小串小(南区)が取り上げられ、児童たちが地元漁業者の協力で独特の定置網漁「つぼ網」に挑戦する様子や、魚のすみかや産卵場所となる海草「アマモ」の保全活動が紹介された。

 TEENは26日も同市内の公民館や小学校で行われるESD活動などを視察予定。


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