奈義町、子育て支援の成果実る 岡山県


岡山県奈義町が24日発表した2014年の合計特殊出生率「2・81」は、母数となる15-49歳女性が926人と前年(925人)とほぼ変わらぬ中、出生数が17人増の60人になったことが大幅アップの要因。一時的な側面はあるものの、町が高校生までの医療費無料化、不妊治療の助成、乳幼児親子が集える常設広場の設置などに取り組んできた成果が表れたとも言える。
 町は今年に入ってからも病気の子どもを預けられる病児保育施設を開設し、3人目以降の子どもの放課後児童クラブ使用料や幼稚園授業料の無料化を図るなど、着々と子育て支援網を敷いている。
 さらには若者の移住・定住対策で、旧雇用促進住宅をリニューアルし、単身者でも月額2万円台で入居できるようにした。これらの施策は今回の数値には反映されていないだけに、15年以降の結果に好影響を与える可能性もある。
 20-40代が中心となる子育て世代は、不安定な雇用環境に直面している。家計を支えるために働く女性も増えているが、3世代同居の比率は減少傾向にある。一方で、共働き世帯が切望する病児保育施設の整備は遅れているのが現状だ。
 人口減少が大きな社会問題となる中、奈義町では10年度に55人の転出超過だった社会動態は、14年度38人の転入超過となった。若者世代のニーズに耳を傾け、いかに優先順位の高い施策として実行できるか。一連の町の対応策は、人口増を目指す自治体に大きな示唆を与える。

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奈義町の出生率 全国トップに並ぶ

岡山県奈義町は24日、2014年の合計特殊出生率(速報値)が前年より0・93ポイント上がり、2・81になったと発表した。国が比較指標としている5年間の平均値でトップの鹿児島県伊仙町(08〜12年)に、一時的ながら並んだ。
 合計特殊出生率は女性1人が生涯に産む子どもの推定人数。人口維持には2・07が必要とされるが、14年の全国平均は1・42、岡山県平均は1・49にとどまっている。岡山県が県内市町村別の直近値として公表している12年の最高は新庄村の3・43だった。
 奈義町は1999年から統計を取り始め、従来の最高は2000年の2・19。08〜12年平均は1・67、13年は1・88だったが、14年は前年より17人増の60人が誕生したことで大幅にアップした。
 町は12年4月に「子育て応援宣言」を打ち出し、高校生まで医療費を無料化したほか、不妊治療への助成などを展開。若者の移住・定住策も進め、14年には月額5万円で借りられる2階一戸建ての町営住宅を整備している。
 笠木義孝町長は「町の将来に夢と希望が持てる。一過性で終わらせないためにも、子育て世代の立場に立った施策を継続する」と話している。

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