おかやまマラソン継続など要望  岡山県議


超党派の岡山県議53人でつくる「県スポーツ振興議員連盟」は30日、岡山市で11月8日に初開催された「おかやまマラソン」の継続開催など5項目の要望書を伊原木隆太知事に提出した。
 県庁内で議連の千田博通会長が知事に手渡し、「第1回おかやまマラソンは大変な盛り上がりで、さらなる発展が期待される」などと述べた。
 要望は、2020年東京五輪などの選手を輩出するためのオリンピアン育成事業の充実▽中国5県が会場となる16年全国高校総体、18年全国中学校大会を契機とした選手強化への補助▽国体派遣選手の個人負担軽減-なども求めた。

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「おかやまマラソン」をさらに善くするために 都市型フルマラソン増加の陰で――。規模や人気よりも大切な事を考える。

( 「おかやまマラソン」は、全体としては、よかった! しかし、 抽選であたったマラソンランナーからの不満も聞いた。 事前の問い合わせ窓口が不明でわかりにくかったため、 「おかやまマラソン」に参加しなかったということだ。 つまり、事前の問い合わせの 窓口がなく、窓口で問い合わせができなかった というのだ。 つまり、担当者がいない様子でした。 他の都道府県の「マラソン大会」にも多く参加している方であったので、残念である。 次回の大会の参考にして欲しい。 他の自治体でできていたことが、できていない との指摘であった。)


 11月はマラソン大会のオンシーズン。

 全国各地でさまざまなランニングレースが開催されている。とりわけ今年は、大規模な「都市型フルマラソン」がいくつか創設された。

 北陸新幹線の開通を記念した「富山マラソン」と「金沢マラソン」。

 有森裕子さんが引退後初めてフルマラソンを走った「おかやまマラソン」。

 そして、「さいたま国際マラソン」などである。

 いずれも県が主催に参加する大会で、地元の新聞社やテレビ局が積極的に関わり大会を盛り上げている。なかでも「さいたま国際マラソン」は、「横浜国際女子マラソン」の終了に伴い埼玉に移ったレースとして、女子のリオ五輪選考レースを兼ねている。「東京マラソン」のように市民ランナーからトップアスリートまでを網羅した大規模な大会だ。

レース開催地のランニング人口は急激に増える。

 新設されるマラソンに絡んで気になることがいくつかある。まずは、レース開催地の“ランニング人口”が急激に増えること。

 もともとランニングに興味や経験がない人でも、地元にマラソン大会ができることで、大会のポスターなど広報物を目にする機会が増え、マラソンに関する話題が増える。開催地域にランニング熱が高まるのだ。

 関門時間がゆるく、なかには「地元ランナー枠」が設定されているレースも。

「せっかく地元に大会ができたのだから走ってみようか」と、半ばお祭り気分になるのだと思う。

 健康維持のためのランニングでは少々腰が重いが、イベントならモチベーションもあがる。

 たとえば、こんな話もある。

 居酒屋の飲み仲間同士が地元で開催されるマラソン大会の話題になった。酔った勢いもありみんなでエントリー。そして、飲み屋で会うたびトレーニングの成果を自慢しあい、全員無事に完走したそうだ。

新レースは、既存レースの“いいとこどり”に。

 東京マラソンの翌年2008年にスタートした「とくしまマラソン」の開催理由の一つは、糖尿病ワーストワン県の汚名返上である。車社会の生活でかつ食べ物がすこぶるうまい。そんな徳島県民に運動の機会を与えるには絶好のイベントだった。

 糖尿病改善など、具体的な統計数値の成果がでるまでには、さらに時間がかかるだろう。しかし、「とくしまマラソン」がきっかけで走る人が増えたことは事実だ。

 さらに、最近できた大会の運営や企画の中身がよく似ている現象も気になる。

 首長などから大会が起案されてからレースの実施に至るまでには数年の歳月を要する。その間、担当者たちは既存の人気レースを視察し徹底的に研究してくる。人気大会の“いいとこ取り”をするのは当然のことだろう。

 医療支援体制の充実、完走メダルや参加賞のアイデア、ペースランナーの配置、沿道の応援パフォーマンス、ずらり並んだ子供たちのハイタッチなどは、新設大会の多くで見かける。

 参加者が喜ぶツボを押さえることで人気が高まるのである。

大会主催者が気にする「データ」とは?

 さて、RBS社が運営するポータルサイト「ランネット」上で大会主催者が気にするデータがある。参加したランナーからのレース評価だ。

 このデータ、参加するランナーにとっては初めてエントリーする大会の選択には必見であり、大会主催者にとっては重要な参考データとなる。

 以下は、その評価基準だ。

・事前の大会情報、エントリーの容易さ、トラブル対応、公式サイトのアップデート。
・会場の案内、導線、荷物預かり、トイレ、スタート前の給水。
・スタートエリア管理、コースの走りやすさ、距離表示、楽しいコース設定、コース情報、沿道の応援、エイドステーションの充実。
・計測ポイント、記録証の発行、年代別表彰、参加賞、大会の雰囲気、エントリーフィーとの見合い、地域色。

 まるで『ミシュランガイド』につけられた星の格づけ基準のようにきめ細かい。

 ここまでくれば、もはや陸上競技運営の枠組みを超えているのではないかと思えてしまう。開催地にとってみればISO(国際標準化機構)のようなものなのかもしれない。

数値目標よりも、大会ごとの目標設定を。

 ランネットの評価以外にも、大会主催者側が気にすることがある。

 たとえば、大会の規模(参加人数が1万人超など)、先着順の場合エントリー〆切までの時間がどのくらいかかったか(わずか20分で1万人のエントリーが終了というレースまである)、抽選レースの場合その倍率(東京マラソンは10倍超)などだ。

 数値評価や数値目標は確かに分かりやすい。

 しかし、参加するランナーのこんな声もある。

「規模が大きい大会より、適度な人数の方がトイレや荷物預けが混雑していなくて快適だ」

 新設大会はこれからも増え、その規模もエスカレートするだろう。

 既存大会の良いところを取り入れて運営するのは歓迎だが、規模と人気だけの競い合いになってしまうと、思わぬ落とし穴もあるということだ。

 マラソン大会の開催は、情熱と綿密な計画が必要な大事業だ。大切なことは、大会を開催する目的は何か? それを達成できたか? ということ。

 そして、参加者はもちろんのこと、運営スタッフやボランティア、沿道の人たちも含めて満足できたか? 意義を感じてくれたか?

 そんな視点も忘れないことが、スポーツ文化として長続きする秘訣ではないだろうか。

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おかやまマラソン完走 環太平洋大・吉岡講師に聞く


全国から1万4千人のランナーを集め、8日に岡山市内で初開催された「おかやまマラソン」。市民マラソンに詳しい環太平洋大体育学部の吉岡利貢講師(37)に実際に走ってもらい、ランナー目線での大会運営や次回への課題などを聞いた。
 3時間30分39秒で完走した。コースの感想は。
 「沿道の応援が多く感動した。市中心部から田園地帯、河川敷と景色が移ろい、飽きさせないコース。路面電車のすぐ近くを走れるのも新鮮」
 レース前の発着点周辺の状況は。
 「JR岡山駅から発着点まで渋滞もほぼ無く、スムーズに歩けた。ただジップアリーナ岡山は更衣スペースと手荷物預かり所の動線が重なり、屋内の通路が混雑した。女性の手荷物預かり所が屋外なのもマイナス」
 スタート地点までの参加者の流れはどうか。
 「ジップアリーナ前は人であふれ返り、スタート場所が見えづらい。看板はもっと高く、大きくするべき。そうした中、ボランティアの誘導員が丁寧に案内しており、好印象を受けた」
 コース上にある給水所やトイレなど付帯施設の充実度は。
 「両施設とも数は十分で手厚く、特にトイレは次の場所までの距離も表示する気配りが素晴らしい。安心して走れた」
 シティライトスタジアムではフィニッシュしたランナーが滞留する時間帯があった。
 「4時間以降に集中した。靴に結んだ計測チップを外すのに時間が掛かってしまう。競技場の外でチップを外すようにすれば緩和されるのでは」
 完走率は89・0%だった。
 「最後の関門(39・3キロ地点)を抜けても制限時間(6時間)に間に合わない人が多かった。スタート時間を少し早めるなど、制限時間を延長しても良いと思う」
 第1回の評価は。
 「ポテンシャル(潜在力)の高さを感じた。応援は、工夫次第でもっと盛り上がれる。例えば、各都道府県ごとの応援エリアをつくれば、沿道住民との交流も生まれるだろう」
 よしおか・としつぐ
 1978年生まれ。筑波大大学院博士課程(体育科学)修了。中長距離走のトレーニング法を専門とし、「毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる!」(ソフトバンク新書)などの著書がある。自身もランナーで、フルマラソンのベストは2時間40分1秒。現在は環太平洋大体育学部講師、同大陸上部コーチ。兵庫県宝塚市出身。


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<おかやまマラソン>継続開催に向け、知事が高い評価 /岡山

岡山市で8日に開催された「第1回おかやまマラソン」について、伊原木隆太知事は13日の定例記者会見で、「県民が一体となり、地域に元気と感動をもたらした」と評価した。また、第2回は来年11月13日開催を軸に調整していることを明らかにした。

 県などによると、参加した人からの要望として、4・5キロコースの定員(500人)の増員▽フルマラソン(42・195キロ)の制限時間(6時間)の延長▽10キロやハーフマラソンコースの新設??などがあったという。

 伊原木知事は「経済波及効果などを検証し、来年以降もスポーツ・観光の振興や地域活性化につながる大会になるよう努力したい」と語った。


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