かあさんの歌60年でコンサート  岡山 瀬戸

「♪母さんは夜なべをして 手袋編んでくれた…」と歌い出す「かあさんの歌」が誕生して今年で60年を迎え、作詞作曲した窪田聡さん(80)=瀬戸内市牛窓町=が28日、自宅に隣接するギャラリーホールで記念コンサートを開いた。
 窪田さんは歌に込めた思いを語りながら、アコーディオンを手に自身が主宰する合唱グループ・歌工房ふう(11人)と共に「かあさんの歌」など数曲を披露。約80人の聴衆も声を合わせた。同市の男性(66)は「母をうたう歌は多いが、子どもから大人までこれほど愛唱され続ける歌があるだろうか。しみじみとした郷愁があり、感じ入った」と話した。
 窪田さんは1935年、東京都墨田区生まれ。高校卒業と同時に家を出て、全盛期だった平和や団結を呼び掛ける社会運動「うたごえ運動」の渦中に身を置いた。そんな自分にも母は荷物を送り続けてくれ、身に染みた母の温かさと、戦時中に疎開していた長野県の情景をちりばめて56年2月、「かあさんの歌」を書き上げた。88年に瀬戸内市に移住し、現在も音楽活動を続けている。