岡山  おかやまマラソン2016   市民懸命エール    達成感、感謝、そして悔しさも


 おかやまマラソン 市民懸命エール

「頑張れー」「ゴールはすぐそこ!」?。県都・岡山市を舞台にした13日の「第2回おかやまマラソン」。発着点や沿道では小旗、メッセージボードを手にした市民たちが懸命のエールでランナーを鼓舞した。水分や食事の提供、コース誘導と随所でボランティアが活躍し、完走者は充実の笑みを浮かべた。駆ける人、支える人。レースに携わる一人一人が主役となり、秋のビッグイベントを盛り上げた。

■笹ケ瀬橋 スタートから10キロの手前。笹ケ瀬川に架かる笹ケ瀬橋(岡山市南区)付近はまだレース序盤だ。ランナーは沿道の声援に「ありがとう」と笑みを浮かべ、カメラにはピースサインで応えた。沿道整理のボランティアリーダーを務めた会社員男性(61)=同=は「選手も沿道も一体感があった」。

■藤田地区 田園地帯が広がる同藤田地区。22キロ付近の商店駐車場では地元の興陽高校吹奏楽、和太鼓部の約40人が童謡「桃太郎」をマーチング風にアレンジした曲などを約2時間にわたり演奏した。「ランナーとの距離が近く、応援のしがいがあった」と吹奏楽部長の3年女子生徒(17)。沿道で「ファイト!」と書いた横断幕を掲げた市立鯉山小2年女子児童(8)は「歩いていた人が『頑張って』の一言で走り出してくれたよ」とにっこり。

■浦安総合公園 約25キロ地点の浦安総合公園(同浦安西町)付近では、赤や黄に色づいた並木がランナーを迎え、近所の会社員男性(66)は「走る人たちの癒やしになりそうですね」。その先では、2大会連続で挑む大会スペシャルアンバサダーの有森裕子さんが「諦めないで一緒に頑張ろう」とランナーを励ましている。沿道の女性(32)=同市南区=は「有森さんの激励の言葉は、走っていない私の心にも響いた」と一緒に声を張り上げた。

■岡南大橋 「あと10キロ!」「もうすぐ頂上」。高低差が約17メートルある最大の難所、岡南大橋一帯の声援はひときわ大きい。上り坂に差し掛かる橋西詰めでは、岡山大応援団総部が力強い演奏、演舞でエールを送った。見守る会社員男性(34)=同市中区=は「気温が高く、大変そうだが、最後まで走りきって」と祈るような表情。橋を渡りきると、岡山ラーメン協会の5店舗が温かい一品でランナーをもてなした。

■旭川沿い 35キロを過ぎると立ち止まり、ストレッチで脚の筋肉をほぐす人たちが目立つようになった。給水所にはスポーツドリンクやひとさじの塩、カステラが用意され、ボランティアのノートルダム清心女子大1年女子学生(18)は「笑顔を絶やさないように心掛けた」。リタイアした人を救護所でマッサージした理学療法士男性(30)=同=は「疲れを残さないようサポートした」と話した。

■ゴール付近 残り2キロとなる就実中学・高校(同市北区弓之町)前。熱を帯びた声援が飛び交う中、「一歩ずつ踏み出す姿に感動した」と沿道の女性(74)=同市中区。ゴール地点のシティライトスタジアム(同市北区いずみ町)ではスタンドからの温かい拍手が鳴りやまない。ボランティアで完走者に備前焼の記念メダルを贈った就実高2年女子生徒(16)は笑みを浮かべた。「岡山が誇るイベントに参加でき、本当にうれしい」
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達成感、感謝、そして悔しさも

 達成感、爽快感に声援への感謝、そして悔しさも…。42・195キロはどんなドラマを生んだのか。「晴れの国らしい天気で気持ちよかった」と切り出したのは看護師林史江さん(36)=鏡野町=だ。3時間8分8秒の自己ベストをマークし「普段はなかなか意識しない児島湖や岡山城の景色に癒やされた。紅葉もたくさん見え、魅力の再発見だった」と満足そう。 49歳で走り始めたという団体職員瓜生頼正さん(65)=倉敷市=は、マラソン仲間の友人が昨年5月、病気で他界。ショックなどで競技から遠ざかっていた。1年半ぶりのレースは、サブスリー(3時間切り)の自己ベストにはほど遠い3時間41分56秒。「彼の分まで走ろうと思って復帰した。きっと空から『もっとしっかり走らにゃおえん』って言っている」。これからも走り続けることを誓った。 サッカーJ2ファジアーノ岡山のユニホーム姿で臨んだ会社員古田裕介さん(36)=岡山市中区。J1への昇格プレーオフ進出を懸けた戦いが大詰めを迎えているだけに「自分が完走すれば昇格」と願掛けし、4時間38分36秒で走りきった。「苦しかったけど声援に後押しされて頑張れた。終盤苦しんでいるファジアーノにも精いっぱいの声援を送りたい」 県立大3年平田皐さん(20)は、ランナーの心拍に関する研究を手掛ける大学教員の依頼でマラソンに初めて挑戦し、5時間7分41秒でゴール。「途中で苦しくなり、依頼を受けるんじゃなかったと後悔した。でも今は達成感でいっぱい」と笑顔を見せた。「勉強でも嫌だと思うことが多いが、何事も諦めないことが大切だと学んだ」と言う。 「パパ、1等賞になった?」と幼い娘2人に迎えられた会社員藤川清二さん(40)=岡山市東区=も初マラソン。「普段は仕事ばかり。父親として頑張る姿を見せたかった」と5時間23分37秒でゴールした。「これからもトレーニングを続け、将来は娘たちと一緒に走りたい」と夢を描く。 フィニッシュタイムは6時間の制限時間ぎりぎりの5時間58分20秒。マナー講師武冨美恵子さん(60)=岡山市北区=は、初マラソンだった昨年は35キロ超の第8関門で制限時間となり、リベンジを果たした。「とても悔しかったので練習を重ねた。還暦のこの年でも新しいことに挑戦できること、努力は裏切らないことを周りの人に伝えたい」

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「おかやまマラソン」スタート

0845


先頭ランナーが岡山市役所を通過 

0900


ファンランに続々ゴール

0917


先頭ランナー 中間地点 22キロを通過(22km)

0959


浦安総合公園付近を先頭が通過(25km)

1010


岡南大橋西詰め付近を先頭が通過(30km)

1034


浦安総合公園付近通過がピークに(25Km)

1041


岡南大橋西詰め付近を先頭が通過

1034


先頭のランナーがゴール

1108

2時間23分43秒の大会新記録


女子1位のランナーがゴール

1156

 ランナーが次々とゴール

1417
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参考

浦安総合公園付近の関門閉鎖(25km)

1228

第5関門が閉鎖された。


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