岡山 和気閑谷高、全国から生徒募集

岡山県教委は18日、和気閑谷高(同県和気町尺所)で2018年度入試から生徒の全国募集を始めると発表した。中学卒業見込み者の減少を背景に小規模校の活性化を図る狙いで、県内の全日制県立高では初の試み。 県教委は全日制県立高の適正規模を1学年4〜8学級と設定している。県内で唯一、全学年4学級に満たない和気閑谷高は適正規模を下回る小規模校。17年度入試では普通科の定員80人のうち県内の学区外からの受け入れ枠(4人)を志願者数が満たしておらず、多様な生徒を確保することで、より切磋琢磨(せっさたくま)できる環境を整えようと全国募集を決めた。 18年度入試から、普通科は学区外の受け入れエリアを県外にも広げた上で4人を、商業系と福祉系の科目を選択できる全県学区のキャリア探求科は定員40人のうち2人を県外から募り、全定員の5%に当たる6人を学区外・県外の生徒にする予定。公共交通機関で通学可能な兵庫県姫路市や上郡町のほか、東京や大阪など大都市からの志願者を想定し下宿先を用意する。試験は特別入試、一般入試で行う。 同高は論語を活用した教育や地域の課題を考える授業「閑谷學(がく)」を導入しており「特色をちらしや説明会などで広く周知し、全国から意欲のある生徒を迎えたい」としている。 全国募集は広島など中国地方の他の4県教委では既に始めている。岡山県教委は3月、1学年の定員が160人未満の高校(校地を含む)を対象に制度を設け、希望校を募っていた。 長期的な少子化の中で同県の全日制県立高校は、05年から15年にかけて行われた再編で68校から50校に減少。それでも16年度入試では中山間地域を中心に20校28科が定員割れしている。