ゴーン氏がたびたび工場を訪れる理由。“三菱自会長”「フル稼働宣言」 岡山 水島製作所
 

( 「部品会社にはこれまで以上に競争力を高めることを求める」と発言も )

 三菱自動車のカルロス・ゴーン会長(日産自動車会長)は28日、会長就任後に初めて岡山県倉敷市の水島製作所を視察した。現地で報道陣の取材に応じたゴーン会長は「時間はかかるが水島製作所をフル稼働させ、年間生産台数40万台を目指す」と語った。

 ゴーン会長は同製作所の2本柱として、軽自動車(三菱自の「ek」シリーズと日産の「デイズ」シリーズ)と、12月末に岡崎製作所(愛知県岡崎市)から生産移管する小型スポーツ多目的車(SUV)「RVR」を挙げた。

 「三菱自と日産の軽自動車の市場占有率は合計12%。2017年に水島製作所は20万台の自動車を生産するが、生産能力は40万台近くある。商品ラインアップや開発力で改善の余地がある」(ゴーン会長)とした。また「周辺サプライヤーとの取引高は17―19年で今より60%高まる」(同)と同製作所周辺地域との関係にも言及し、「水島製作所は今後数年間に渡り成長していく」(同)と強調した。

【ファシリテーターのコメント】
ゴーン氏は危機に見舞われた工場をたびたび視察して現場を鼓舞している。東日本大震災直後のいわき工場視察の時は現場の士気を相当高めたと聞く。今回の水島視察も、燃費不正問題が直撃した工場だけに、「フル稼働にする」というメッセージは現場や周辺サプライヤーにとって大きな意味を持つのではないか。




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岡山 <三菱自動車>水島製作所をカルロス・ゴーン会長初視察 「成功へ潜在力実感」 従業員集会も参加

 三菱自動車のカルロス・ゴーン会長が28日、同社の水島製作所(倉敷市)を初めて訪れ、生産現場を視察した。ゴーン氏は水島製作所について「年間生産台数を20万台から40万台にしたい」とフル稼働していく考えを明らかにした。一方、その後の地元首長との昼食会では「(生産増などで)地元部品メーカーのチャンスは広がるが、つかめるのは競争力のある会社だけ」とクギを刺したという。

 三菱自は昨年4月に燃費データ改ざん問題が発覚。水島製作所の主力自動車も一時生産停止に追い込まれた。三菱自は経営危機に陥り、ゴーン氏が会長を務める日産自動車の傘下に入った。会長にゴーン氏を招き、再建を進めている。

 ゴーン氏はこの日午前、水島製作所を訪問。職場の改善活動について説明を受けた。車両溶接ラインで機械のバッテリー交換を従来の2人から1人でできるようにした工夫を従業員から聞き、「素晴らしい」と笑顔を見せた。また、従業員の集会にも参加。約300人を前に「潜在力を実感した。これまで以上に成功すると確信している」と日本語であいさつし、社員と一緒に「エイ、エイ、オー」と気勢を上げた。

 その後記者団に対し、水島製作所での生産は三菱自・日産両社の軽自動車と、三菱自の小型スポーツタイプ多目的車「RVR」の2本柱とする考えを表明。「軽自動車の市場占有率は(両社で)12%。まだ改善できる。水島が今後数年間成長していくことは全く心配していない」と話した。

 視察終了後は倉敷市・美観地区の料理旅館に赴き、地元の市長や町長らと昼食を取った。出席した伊東香織・倉敷市長と片岡聡一・総社市長によると、ゴーン氏は今年度からの3年間で地元企業からの部品購入を2016年度比で60%増やしていく方針を披露した。ただ、部品会社にはこれまで以上に競争力を高めることを求めると発言したという。市内に多くの部品メーカーが集まる片岡市長は「活を入れられた思い。地元の社長さんたちに正確に伝える」と話した。

 この後、ゴーン氏は県庁を訪れ、伊原木隆太知事と非公開で面談した。終了後に報道陣の取材に応じた伊原木知事によると、ゴーン氏は「水島製作所や(県内の)下請け企業は素晴らしい。我々は軽自動車を中心にしっかり生産していきたい」と話した。

 夕方には中区のホテルで、県内の企業経営者ら約750人を前に講演した。企業が競争力を高めていくために必要なこととして、自社が作る商品の将来を見極めて明確なビジョンを持つことや、会社全体でビジョンを追求できる体制に変えていくことの重要性を強調。「人は変化を嫌う。なぜ変革が必要なのか、その目的をみんなで共有するように」と述べた。最後にトップを長く続けるためのポイントを問われ、「非常に単純。実績を上げることだ」と語りかけ、締めくくった。

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ゴーン氏「水島」従業員激励   ◇製作所視察 知事や11首長らと会談

 三菱自動車(本社・東京都)のカルロス・ゴーン会長が28日、倉敷市の水島製作所を初めて訪問した。昨春の燃費偽装問題で一時、生産中止に追い込まれた同製作所の従業員らを激励。今後も主力工場の一つとして重視する考えも示した。

 ゴーン氏は午前9時過ぎに到着。須江隆行所長らの案内で軽自動車の溶接ラインを視察し、溶接技術を競う全国大会で入賞したボデー課の広瀬浩一さん(39)ら4人を激励した。

 軽自動車の生産80万台を記念する集会では、約300人の従業員を前に「昨年、3か月にわたり、みなさんや家族も含めてつらい思いをさせた。だが、困難な日は終わり、今は未来に目を向けている」などと日本語で呼び掛けた。集会後の取材では、「水島製作所は軽自動車とスポーツ用多目的車(SUV)の生産で数年間は成長していく」との見通しを明らかにした。

 午後からは、部品メーカーなど関連企業が多い倉敷市や総社市など11市町の首長らと意見交換したり、県庁を訪れ、伊原木知事らと会談したりした。この中でも「2019年度までの3年間で、この地域からの購買を60%増やす」と、数値目標を示したという。

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