“B’z公演”効果 ボーカル・稲葉浩志さんの故郷・岡山県津山市、〝聖地巡礼〟5000人訪問でにぎわう


 「大きな事故やけがもなく、無事に終わってホッとしている」−。岡山県津山市出身の稲葉浩志さんがボーカルを務める人気ロックバンド「B’z」の津山凱旋(がいせん)公演が終わり、浩志さんの兄、伸次さん(56)が産経新聞のインタビューに応え、地元やファンの支援に感謝の意を表した。

 28年ぶりの津山公演が発表されたのは4月末。“世界のB’z”となった今、かなわぬ夢と思われた凱旋公演の実現に地元は歓喜。市や商工会、市観光協会などでは「おもてなしプロジェクト」を発足。巨大パネルやのぼり旗などで、歓迎ムードを演出した。

 地元有志も横断幕を掲げ、「おかえり」のイルミネーション点灯や浩志さんゆかりの品々の展示室を商店街に設置するなど、官民挙げて歓迎ムード一色に。

 「本当に、みなさん一丸となってまちを盛り上げてくださったことに感謝の気持ちでいっぱい」と喜ぶ。

 同市などによると、公演当日22日は、当初予想の倍の約5千人が来津。開演は午後6時だったが、午前中から会場の津山文化センター周辺を始め、浩志さんの実家で、母、邦子さん(80)が営む「イナバ化粧品店」や母校めぐりなど、“聖地巡礼”のファンらでにぎわった。

 伸次さん経営の和菓子店「くらや」にも大勢の人が立ち寄り「地元の人もお祭り気分で楽しんでくれたのがうれしい」と感謝。

 浩志さんに公演に向けての地元の盛り上りをメールや電話で伝えると「『緊張するなあ』などと返信があったが、喜んでいたと思う」「本人は津山での公演をとても楽しんでいた」と当日を振り返った。また「ファンの方々に十分なおもてなしができたかどうかわからないが『また来たいな』と思ってもらえたらうれしい」と期待を寄せた。

 伸次さん自身も、ご当地グルメ「津山ホルモンうどん研究会」の副代表として町おこしに奔走。「今後も景勝地などに頼らない、グルメやイベントなどでまちおこしのきっかけづくりができたら」と意欲を見せた。