関西と創志が勝ち4強出そろう  全国高校野球選手権岡山大会


 第99回全国高校野球選手権岡山大会第11日は25日、倉敷マスカットスタジアムで準々決勝の残り2試合が行われ、関西が優勝した2014年以来3年ぶり、前回覇者の創志学園は3年連続の準決勝進出を決め、4強が出そろった。 関西は1—1の七回に近藤が勝ち越しの2点本塁打を放つと、左腕物部がリードを守り、玉島商を3—1で下した。一回に山本の先頭打者本塁打で先制した創志学園は六回から毎回得点を重ね理大付に7—0の八回コールドで快勝した。 26日は休養日。第12日の27日は倉敷マスカットで山陽—興譲館、創志学園—関西の準決勝2試合があり、決勝は28日。 ▽準々決勝関西が競り勝つ関西100000200|3000001000|1玉島商▽本塁打 近藤▽三塁打 高橋▽二塁打 中嶋、大畑 【評】関西が競り勝った。一回2死一、二塁から中嶋の左越え二塁打で先制。1—1の七回は近藤の左越え2ランで勝ち越した。ここぞという場面の長打力が光った。ただ12安打しながら一塁走者が2度、投手のけん制で刺されるなど攻めあぐねたのは反省点。投手陣は神頭、左腕物部のリレーで最少失点に抑えた。 玉島商は六回、宮谷の内野安打で追いついたが二回2死一、二塁、五回1死二塁で、あと一本が出なかった。創志が3戦連続コールド勝ち創志学園10000213|700000000|0理大付(八回コールド)▽本塁打 山本▽三塁打 難波、沖田▽二塁打 小林、中山▽暴投 沖田 【評】中盤から打線がつながった創志学園が3試合連続のコールド勝ち。一回、山本の先頭打者本塁打で先制し、六回は3長短打で2点を挙げ、七回には金谷の適時打で加点した。八回は山本のスクイズ(記録は内野安打)、難波の右中間2点三塁打で突き放した。主戦難波は変化球の制球が良く、8回を4安打無失点。 理大付は投手陣が12安打を浴び、打線も六回2死満塁など好機で攻めきれなかった。

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岡山大会11日目、関西が3年ぶりに準決勝へ

 岡山大会は25日、準々決勝2試合があり、関西が3年ぶり46回目の準決勝進出を決めた。昨夏の覇者創志学園も4強に進んだ。26日の休養日を挟んで、27日はマスカットスタジアムで準決勝2試合がある。


■「グラウンドの監督」仲間を鼓舞 岡山理大付3年・岡田海斗君

 岡山理大付は準々決勝までの4試合、毎試合先発メンバーが替わった。打順は入れ替わり、守備位置も固定していなかった。

 複数の守備位置を守らせるのは競争を促すためだ。早川宜広監督の方針だが、監督が「任せられるのはほかにいない」と信頼を置く選手がいる。ほぼすべての回で捕手を務めた岡田海斗君(3年)だ。

 試合中、強気にチームを引っ張っていくのが持ち味だ。昨夏の優勝校相手に劣勢が続いたこの日も投手、内野、外野に指をさし、大声で指示を出した。

 投手の状態を見て、早川監督に継投について意見することもある。練習中は「しっかりやれ」と投手陣に檄(げき)を飛ばす。気の強さから早川監督に「もっと優しく」と言われるほどだ。

 この日は初回に先頭打者本塁打を許したが、その後は内角を突くリードで五回まで三塁を踏ませなかった。「グラウンド内の監督は自分」という覚悟で「思いっきりプレーしろ」とチームを鼓舞した。

 投手を孤独にさせないため、マウンドに駆け寄り、先発した沖田大空君(3年)を「むっちゃいいボール来てるよ」「コースに投げたら打たれないから」と励ました。4人の投手を堂々とリードした。

 結果はコールド負け。岡田君は「打たれたのは自分の責任」ときっぱり。「楽しかったです。やり残したことはありません。キャッチャーはやりがいがありました」。はにかんで、球場をあとにした。

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<夏の高校野球>創志学園、関西 4強


 夏の全国高校野球岡山大会(県高野連など主催)は25日、倉敷市の倉敷マスカットスタジアムで準々決勝の残り2試合が行われ、打線がつながって岡山理大付にコールド勝ちを収めた創志学園と、2点本塁打で玉島商との接戦をものにした関西がそれぞれ勝ち進み、これで4強が出そろった。26日は休養日で、27日に同スタジアムで準決勝2試合が行われる。

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岡山 岡山の関西 伝統のイエローマンで応援

 関西の観客席には、この日も「イエローマン」と呼ばれる名物応援団が陣取った。胸に「KANZEI」と書かれた黄色の長袖シャツをまとい、一糸乱れぬ動きでチームを後押しした。


 「イエローマン」を務めるのは野球部の1年生15人ほど。音楽に合わせ、腕を規則的に振り回す動きを中心に、全身を使って踊る。

 応援団の指導にあたってきた教師らによると、約20年前、春の甲子園に出場した頃に結成されたのが始まり。野球部員の応援団を作ることになり、ユニホームのような、そろいの黄色の衣装を作ったという。

 1年生部員にとって、イエローマンに選ばれるのは名誉あることだ。関西の責任教師で、自分もイエローマンを務めた守安基弘さん(40)によると、「将来のチームを担う存在」と認められた部員が黄色のシャツに袖を通すことができるという。いわば、中心選手となるための「登竜門」だ。

 選ばれた1年生は7月ごろから野球部の練習に出ず、応援練習に専念。岡山大会初戦までほぼ毎日、4時間ほど練習するという。

 この日、関西は玉島商を破って4強入りを果たした。イエローマンで応援団長の景山翔平君(1年)は「このまま勝って甲子園まで行きたい。全力で応援していく」、小林旺晟君(1年)は「この後も応援で試合を勝ち取っていく」と意気込みを語った。



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 岡山 <第99回全国高校野球>岡山大会 創志学園コールド 関西、競り勝ち4強

 第99回全国高校野球選手権岡山大会(県高野連など主催)は25日、倉敷市中庄のマスカットスタジアムで準々決勝2試合があった。第1試合は、前回大会優勝の創志学園がコールド勝ち。第2試合は関西が接戦を制し、それぞれ4強入りを決めた。26日は休養日。準決勝は27日に同球場である。

 ▽準々決勝

創志学園  10000213=7

岡山理大付 00000000=0

 (八回コールド)

 (創)難波−藤原

 (岡)沖田、金子、山田、樋口−岡田

▽本塁打 山本(創)

▽三塁打 難波(創)沖田(岡)

▽二塁打 小林、中山(創)

 打線好調の創志学園は一回に山本の先頭打者本塁打で1点を先取。六回以降も打線がつながり、相手を突き放した。岡山理大付は三回や六回に得点圏までランナーを進めたが、あと1本が出なかった。

関西  100000200=3

玉島商 000001000=1

 (関)神頭、物部−中嶋

 (玉)石崎−飼田

▽本塁打 近藤(関)

▽三塁打 高橋(関)

▽二塁打 中嶋(関)大畑(玉)

 関西は同点の七回、近藤が左越えの2点本塁打を放って勝ち越しに成功。2投手の継投もはまり、相手を1点に抑えた。玉島商は六回に宮谷の適時内安打で同点としたが、その後は相手投手を打ちあぐねた。

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 ■熱球

 ◇大差に涙、リベンジ誓う 岡山理大付・山田剛選手(2年)

 0が並んだスコアボードに悔しそうに目をやった。「思いもよらない大差だった。自分の力のなさで負けてしまった」。2年生の4番打者の頬をとめどなく涙が伝った。

 今大会は前の試合までの3試合で6四死球と選球眼が光った。どのコースも苦にせず広角に打ち分けられる好打者で、3回戦では3打数3安打3打点と大暴れした。

 この試合、最大のチャンスが好調の4番に回ってきた。3点を追う六回裏2死満塁。相手は甲子園のマウンドも経験している大会屈指の本格派右腕・難波侑平投手(3年)だ。投球ビデオを見て研究を重ねてきた。しかし、打席に立つと想像以上にキレの良いスプリットに翻弄(ほんろう)される。その前の2打席も打ち取られた。「どうにかしてつなぐ」と3度ファウルで粘るも、8球目のスプリットにバットが空を切り、顔をゆがめた。今大会で初めての三振だった。

 チームはその後、立て続けに追加点を許し、コールド負けを喫した。「勝負どころで1本打てるようになって来年リベンジしたい」。先輩たちに甲子園の夢を託され、そう誓った。


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高校野球岡山大会27日の試合

 ▽準決勝 ◇…マスカット…◇山 陽—興譲館(10・00)創志学園—関 西(12・30)

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