多色摺り体験、北斎の名作に挑む 岡山 特別展「傑作 浮世絵 揃(そろ)い踏み—平木コレクション」


 浮世絵版画の多色摺(ず)りを体験するワークショップが29日、特別展「傑作 浮世絵 揃(そろ)い踏み—平木コレクション」(山陽新聞社など主催)を開催中の県立美術館(岡山市北区天神町)で開かれ、美術ファンらが会場にも並ぶ葛飾北斎の名作「富嶽三十六景 神奈川沖浪(なみ)裏」に挑んだ。 版画家タイラコウさん(58)=岡山県里庄町=が講師を務め、午前、午後の2回実施。午前の部には事前に申し込んだ6人が参加し、タイラさんが彫った復刻版木8枚を使って制作した。 版木に絵の具と色つきを良くするためののりをのせてはけで伸ばし、和紙を置いてばれんでこする。タイラさんは「絵の具が散らないように、はけを静かに扱って」などとアドバイス。参加者は慎重にはけとばれんを動かして作業した。 最初に摺った輪郭に黄色、水色、青など色の数だけ7版重ねて完成。北斎が好きという県立中1年の男子(12)は「色が加わるたびに絵の印象が変わっていった。ばれんの力加減が難しく、人それぞれ仕上がりが違うのも面白い」と話した。 同展は8月27日まで。