岡山 <障害者解雇>事業所、国へ無届けで運営 高松にも2カ所 2市で76人解雇

 倉敷市内の就労継続支援A型事業所5カ所が閉鎖された問題で、この事業所の一つを運営していた株式会社「あじさいの友」(同市)が、高松市でも事業所を運営していたにもかかわらず、法律で義務付けられた国への届け出をしていなかったことが厚生労働省への取材で分かった。同社はこの事業所も7月末で閉鎖したが、解雇した障害者に対する再就職先の保障が十分でなく、厚労省は同社に対応を求める勧告を出した。

 障害者総合支援法では、複数の都道府県で就労継続支援事業所を設置する場合、国に届け出なければならないと定めている。同社は2016〜17年に高松市内に2カ所、倉敷市内に1カ所の事業所を開設したが、届け出を怠っていた。3カ所とも7月末で閉鎖され、倉敷市で17人、高松市で59人の障害者が解雇された。

 同社代表の男性は、倉敷市の一般社団法人「あじさいの輪」の代表理事も務めているが、この法人が同市に開いていた事業所4カ所も7月末に閉鎖された。同社の分も合わせると、倉敷、高松両市の7カ所で282人の障害者が解雇されたことになる。

 こうした大量解雇を受け、厚生労働省障害福祉課が調べたところ、事業所が無届けであることが発覚。同社に届け出をさせたうえで7月末に立ち入り調査をした。多くの障害者が再就職先の保障もないまま解雇予告を受けていたことが判明したとして、障害者総合支援法に基づく勧告をし、再就職に向けた対応を取るよう求めている。

 一連の問題を巡っては、倉敷市が7月24日、同法人と同社に同様の勧告をし、同31日には「勧告に対応していない」とする通知をした。また県も今月1日、同法人に同様の勧告をしている。一方、高松市は7月中旬、事業所2カ所に対して臨時指導監査をし、「責任をもって再就職の支援をするよう指導した」としている。

 倉敷市によると、市内5カ所で解雇された障害者計223人のうち195人が就労を希望しているが、7月28日の段階で就職先が決まったのは18人。また高松市によると、解雇された59人のうち39人が就労継続支援事業所での就労を希望しているという。