再就職決定の障害者は40人のみ 岡山 倉敷


 倉敷市内の就労継続支援A型事業所5カ所が閉鎖し、障害者約220人が解雇された問題で、同市は30日、解雇された障害者のうち再就職が決まったのは25日時点で40人と明らかにした。18日時点の27人から13人増えたが、閉鎖から約1カ月たっても、依然として大半の障害者の受け入れ先は決まっていない。 再就職先の内訳はA型事業所が29人(18日時点比7人増)、B型事業所が4人(同2人増)、一般就労が7人(同4人増)。 倉敷市では、一般社団法人「あじさいの輪」と株式会社「あじさいの友」(いずれも同市片島町)が7月末にA型事業所を閉鎖。厚生労働省、岡山県、同市は再就職を支援するよう、あじさい側に勧告している。

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岡山 <障害者解雇>再就職40人のみ 代表男性関係先が最多

 倉敷市内の就労継続支援A型事業所5カ所が7月末に一斉に閉鎖され、計約220人の障害者が解雇された問題で、再就職が決まったのは40人(8月25日現在)しかおらず、就職先で最も多いのが、閉鎖事業所を運営していた法人代表の男性が関係する施設だったことが、同市への取材で分かった。

 閉鎖された事業所を運営していたのは倉敷市の一般社団法人「あじさいの輪」と株式会社「あじさいの友」で、いずれも同じ男性が代表を務めている。

 市によると、再就職先は、障害者と雇用契約を結ぶ同A型事業所が29人、福祉的就労の同B型事業所が4人、コンビニなどの一般企業が7人。A型29人のうち13人は、この男性が役員を務める市内の別の株式会社が運営する施設だった。

 厚生労働省と県、市は、障害者総合支援法に基づき、「あじさいの輪」と「あじさいの友」に、解雇した障害者の再就職支援に尽力するよう勧告している。

 一方、今年7月1日に市がA型に指定した別の事業所が、障害者を雇用することなく廃止届が出されていた問題で、届け出通り今月3日で閉鎖されたことも分かった。

 運営していた市内の株式会社の代表はこの男性とは別人だが、「あじさいの輪」と「あじさいの友」の事務所近くにあり、解雇された複数の障害者が「(あじさい関係の)職員から再就職を持ちかけられていた」と証言。しかし、「あじさいの輪」の女性職員は毎日新聞の取材に「近くに新しい事業所ができたという情報提供はしたが、移るように勧めたりはしていない」と否定していた。

 市は「申請内容と実態が違う」として廃止前の指定取り消しも検討していたが、行わなかった。


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