岡山県内公立校の教員欠員212件

 公立小中高校・特別支援学校の教員が出産、病気などで休み、代わりとなる臨時採用教員(講師)が確保できずに1日以上欠員となる「未配置」が生じたケースが岡山県内で2016年度、212件に上っていたことが岡山県教委と岡山市教委への取材で分かった。教員免許を持ち、講師として配置できる人材が需要に追い付いていないためといい、教育現場の人的な窮状を浮き彫りにしている。 教員が欠員となった学校では別の現職教員が時間割をやりくりしたり、教頭らが教壇に立ったりして対応している。両教委は「授業時間は確保できている」としているが、教育の質低下や現職教員らの過重労働を招きかねず、人材確保の在り方を巡り早急な対策が求められそうだ。 両教委の教職員課によると16年度、教員が1日以上欠員となったのは小学校135件、中学校43件、高校22件、特別支援学校12件。中には欠員期間が半年に及んだ学校もあった。 欠員の背景について両教委は、団塊世代を中心とした退職者増に合わせて教員の採用枠が全国的に拡大され、講師の“候補者”自体が減少しているほか、教員志望の人材が景気回復で売り手市場となった民間に流れていることなどが影響しているとみている。09年度の「教員免許更新制」導入により、結婚などで離職した教員が免許を失効し、迅速な復職が難しいといった事情もあるとしている。 各校の教員数は関係法令に基づき、学級数などによって決められる。教員が休んだり短時間勤務をしたりする場合、就職浪人の教員免許保持者らを対象に講師として臨時採用し、配置する。 県教委教職員課は「担い手となる人材の情報を収集し、あらゆる手だてを講じているが、確保は難しい。危機感を強く持っており、知恵をさらに絞りたい」としている。