三菱自動車   電気自動車(EV)生産拠点に水島浮上  (岡山  水島製作所)

 
 三菱自動車(東京)が、主力の小型SUV(スポーツタイプ多目的車)「RVR」の次期モデルで電気自動車(EV)を開発し、有力な生産拠点に水島製作所(倉敷市水島海岸通)が浮上していることが25日までに分かった。2020年度にも市場投入する。 三菱自と日産自動車・仏ルノーの3社連合は22年までにEV12車種を発売する計画。このうち、水島ではRVRのほか、軽自動車ベースのEV生産も検討しており、実現すれば、水島は3社連合のEV生産の重要拠点となる。 次期RVRは当初、19年度の発売を目指し、水島で量産する予定だった。複数の関係者によると、昨年の三菱自の燃費不正問題で計画を再検討し、発売時期を1年以上延期。現在はグループ内の複数の工場が候補地になっているという。 6月下旬に岡山県を訪れたカルロス・ゴーン会長(日産会長)は、グループ内の自動車生産について「原則として自社の工場で造るべきだ」と言及。今冬には現行RVRの生産が岡崎製作所(愛知県岡崎市)から水島へ全面移管されることもあり、「水島が最も合理的」(地元関係者)との声も上がっている。 三菱自は09年から、世界初のEV量産車「i—MiEV(アイ・ミーブ)」を水島で生産。日産も「リーフ」でEV市場をリードしてきた。今年に入り、中国や欧州各国がEV推進の方針を相次いで打ち出したことから、完成車メーカー間の開発競争は激化。3社連合はEVの“先駆者”として対象車種を増やし、地歩を固めるとみられる。 燃費不正問題で水島の16年度の生産台数は前年度比4割減の約19万台にとどまった。EVの拠点化が進めば、地元部品メーカーの受注拡大につながる可能性もある。