安倍政権へ地方創生施策を期待  岡山県内

 衆院選の投開票から一夜明けた23日、岡山県内の自治体や団体関係者は継続が決まった安倍政権に対し、地方創生や経済対策、子育て支援といった施策の着実な実行を求めた。 伊原木隆太知事は「国民の声に真摯(しんし)に耳を傾けながら、さらなる経済再生など公約に掲げた政策の具体化を図るとともに、持続可能な社会保障制度の確立や財政再建、地方創生などに真正面から取り組むことを期待する」とした。 県市長会長の萩原誠司美作市長は「安定した政権運営の基盤ができたことを喜びたい。地方自治制度の根幹を守る交付税の総額確保、地方創生のさらなる前進に期待する」とコメント。県町村会長の山崎親男鏡野町長は「政策論争が低調で、有権者は投票先を決めづらかったのでは」と指摘した上で、安倍政権には「生活の豊かさが実感でき、都市と地方の格差是正につながる施策を期待したい」とした。 県商工会議所連合会の岡崎彬会長は「緩やかな景気回復が続くが、賃金の伸びは弱く、個人消費も伸び悩んでいる。人手不足や後継者問題で支障が生じている中小企業もあり、引き続き経済最優先で政策運営に取り組み、経済を力強い成長軌道に乗せてほしい」と要望した。 県子ども会連合会の赤沢正基会長は、自公両党が教育無償化を公約に掲げたことを踏まえ「無償化は財源の議論をしながら進めることが大切。少子化対策には長いスパンで取り組んでもらいたい」と注文した。

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自民「ねじれ」の勝利 「内閣不支持率>支持率」 小選挙区制で初

NHKは、今月13日から3日間、全国の18歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。調査の対象となったのは5420人で、58.9%に当たる3192人から回答を得ました。

それによりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は、先週の調査よりも2ポイント上がって39%、「支持しない」と答えた人は、1ポイント下がって42%でした。

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内閣支持不調でも自民勝利=政権批判票分散で浮上【17衆院選】


 衆院選で自民党は、安倍晋三首相が勝敗ラインに掲げた与党過半数(233議席)を単独で超え、勝利した。10月の時事通信の世論調査では、内閣支持率が37.1%と不支持率の41.8%を下回っており、異例の結果だ。与野党3極の対決で政権批判票が分散した上に、希望の党の失速も手伝い、相対的に自民党が浮かび上がった。
 小選挙区制導入後、2014年までに行われた衆院選7回のうち、投開票日直前の時事世論調査で内閣支持が不支持を下回っていたのは3回。いずれも与党第一党が議席を減らしており、00年の森内閣下の自民党は公示前勢力271議席を38議席減らし、単独過半数を割り込んだほか、09年の麻生内閣下での自民党、12年の野田内閣下での民主党とも180議席前後減らす大惨敗を喫した。
 支持が上回っていても、選挙に勝てるとは限らない。03年の小泉内閣は5割近い支持率を誇っていたものの、公示前の247議席を維持できなかった。解散直前に当時の自由党を吸収合併した民主党は、両党の候補者を一本化した結果、40議席増の躍進を果たした。
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安倍内閣支持率が下落しているのに自民党は堅調… 希望や維新の失速に野党共闘の崩壊


 産経新聞社とFNNが実施した衆院選の終盤情勢調査では、選挙戦突入後の安倍晋三内閣の支持率が下落傾向にあるにもかかわらず、自民党は勢いを増していることが鮮明になった。矛盾するような情勢の背景には、希望の党や日本維新の会が本拠地である大都市圏の東京や大阪で失速したことに加え、民進党の事実上の解党により野党共闘が破綻して各党が候補を乱立させたことがある。

 東京では、自民が25選挙区のうち19選挙区でリードし、3選挙区でも議席獲得の可能性がある。公明党も12区で前職が優位に立っており、与党は20議席を確保する勢いだ。

 一方、希望、共産、立憲民主、社民の野党4党は、それぞれが独自候補を擁立した結果、16選挙区で2野党が競合し、8選挙区では3野党が票を奪い合う構図になった。

 希望は、衆院解散の直前に民進を離れた3前職をはじめ23人を擁立した。7月の東京都議選で圧勝した小池百合子都知事が率いた「都民ファーストの会」の旋風の再来を期待する候補者も多かったはずだが、全員が自民候補に後れを取っている。

 仮に野党が候補者を一本化していたら情勢は大きく違った可能性がある。情勢調査で野党4党の候補者が得たポイントを単純合算すれば14選挙区で自民候補を超えた。前回衆院選で旧民主、共産、社民などが得た得票で同様の試算を行っても、野党は9選挙区で自民を上回り、7選挙区で自民に1万数千票差まで迫る計算だった。

 維新の“金城湯池”だった大阪でも異変が起きている。自民は、前回は維新に敗れた5選挙区のうち3選挙区で議席奪取を視野に入れる。維新は衆院選で希望と連携することになったが、今や共倒れの可能性も出てきた。維新代表の松井一郎大阪府知事は「われわれはわれわれの政策を全面的に打ち出していくしかない。希望の党は希望の党で頑張ればいい」と語った。
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京都 民進分裂か? 【野党ウオッチ】 いよいよ枝野時代到来? 盟友・前原誠司氏と分かれた明暗  (前原誠司(希望?) VS 福山哲郎(立憲民主党)か)



 22日投開票の衆院選は、9月に「ポスト蓮舫」レースを争った初当選同期の2人の明暗がくっきりと分かれた。

 立憲民主党を1人で立ち上げた枝野幸男代表(53)は、遊説に出向いた各地で“枝野旋風”を巻き起こし、公示前勢力(16議席)から3倍以上の55議席に躍進し、野党第一党の党首に登り詰めた。一方、民進党の前原誠司代表(55)は、希望の党への合流に突き進んだ結果、民進党が瓦解し、二大政党制の夢は破れた。

 「終盤になってより大きくなってきたと実感した」

 枝野氏は投開票日の22日夜、東京都内のホテルで記者会見し、全国各地で「枝野コール」が巻き起こった現象についてこう感想を述べた。

 枝野氏は選挙戦を通じて安倍晋三政権が行っている政治は民主主義ではないと糾弾し、「まっとうな政治を取り戻そう」と繰り返し訴えた。党公認候補のほか、無所属で出馬した民進党系候補も精力的に応援し、演説後には、枝野氏に握手を求める人々が殺到するほどの人気ぶりとなった。

 枝野人気は、立民のツイッターの公式アカウントのフォロワー数にも現れた。

 10月4日に開設したアカウントは、2日目で自民党のフォロワー数13万を抜き、23日時点で18万8千まで増加した。希望の公式アカウントのフォロワー数が1万3千程度になっていることを踏まえれば、その人気ぶりは明らかだ。

 枝野氏も記者会見で「フォロワーの皆さんが自らの判断とやり方で、さらにうまく活用していただくという良い循環が生まれた」と語り、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を活用した支持拡大の手応えを口にした。

 安全保障法制や憲法改正をめぐる「踏み絵」を拒否したことで、“男気”を称賛する声も上がった。

 タカ派で知られる石原慎太郎元東京都知事(85)は自身のツイッターで「今度の選挙では候補者達の卑しい人格が透けて見える。戦の前に敵前逃亡、相手への逃げ込み、裏切り。まるで関ケ原の合戦の時のようだ。その中で節を通した枝野は本物の男に見える」と投稿した。

 10月2日の結党時は枝野氏1人だったが、その後、行き場を失った元民進党の仲間などが加わり、公示日には選挙区と比例代表を合わせて78人を擁立するまでに成長。ふたを開けてみれば、公示前勢力の3倍以上の議席を獲得する大躍進を果たした。

 ただ、公明党の山口那津男代表(65)が「一見民主党」と揶揄するように、旧民主党時代の懐かしい面々が勢ぞろいする。当時の菅直人首相(立憲民主党最高顧問)が率いた政権を振り返れば、枝野官房長官(代表)、福山哲郎官房副長官(幹事長)、辻元清美首相補佐官(政調会長)、長妻昭厚生労働相(代表代行)といった具合だ。枝野氏は「右でも左でもなく前へ」と主張するが、左派の集まりであることは間違いない。今後、無所属で出馬した民進党元代表の岡田克也氏(64)らとの連携を模索しており、さらに勢力を拡大しそうだ。

 前原氏は対照的だ。

 「野党が分裂して政権選択の選挙になり得なかった大きな責任の一端は私にある」

 衆院選の大勢が判明した23日未明、前原氏は党本部でこう語り、同党の希望の党への合流構想について見直す考えを示した。進退については「今後の党の方向性を決めた段階で責任を取る」と述べ、辞任する意向を表明した。

 それもそのはずだ。前原氏は安倍政権に対抗できる二大政党制の実現に向け、9月28日の民進党の両院議員総会で「全員合流」を条件に希望との交渉を取り付けた。ところが、すぐさま希望の党代表の小池百合子東京都知事(65)に「排除の論理」を突きつけられると、支持母体の連合が反発。一つにまとめるどころか、党が希望、立民、無所属に3分裂した揚げ句、与党大勝に貢献してしまったのだから。

 無所属で出馬した元民進党前職は「1対1の構図に持ち込むと大見えを切っておきながら、ここまで党を分断させた責任は万死に値する」と怒りをあらわにした。

 党が事実上解体したことを「すべて想定内」と語ったことも火に油を注いだ。

 前原氏は今回、無所属で出馬した地元の京都2区で当選こそしたが、衆院解散後に初めて地元で街頭演説した際には「帰れ」「ウソつき」などとヤジを浴びる始末で、踏んだり蹴ったりだ。

 だが、中には前原氏を評価する声もある。

 橋下徹前大阪市長(48)は自身のツイッターで「小池さんと前原さんにとっては敗北だろうが、民進党を2つのグループに整理し、政党を行ったり来たりするチョロネズミが駆除され、今後の国会においては憲法改正論議や安全保障論議が現実的なものになるという結果を生み出したことは日本にとって良かった。両名の大功績」と述べた。

 もともと右派と左派が混在していた民進党が分裂したことで、構図を分かりやすくしたという成果はあった。だが、前原氏の支持者をはじめ同僚からの信頼を失った代償はあまりにも大きい。

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「排除」発言を引き出した記者が見た「小池百合子の400日」 なぜジャンヌ・ダルクは墜ちたのか


「あの会見」が全ての始まり
安倍政権打倒の先頭に立つはずの希望の星、改革の旗手が一転、リベラル派の「大量虐殺」に手を下す「詐欺師」に豹変したのでは――国民にこんな疑念が浮かんだきっかけは、9月29日の都知事会見だったことだろう。

「前原代表を騙したのか、(それともリベラル派排除のために、前原氏と)共謀したのか」との私の質問に対し、小池百合子都知事(希望の党代表)が笑みを浮かべながら「排除します」と断言した時のことだ。

その4日前の25日午後、安倍晋三首相の解散表明会見の直前に、小池氏は新党・希望の党結成と代表就任、そして「原発ゼロ」を掲げることを表明していた。電波ジャックに成功すると同時に、「原発ゼロ」を訴え続ける小泉純一郎元首相とも面談して激励を受け、「脱原発の旗の下に非自民勢力が結集し、原発推進の安倍政権を打倒するのではないか」という期待感が一気に高まった。

だが、小池氏は千載一遇のチャンスを自ら逃した。民進党の前原誠司前代表が、28日の同両院議員総会で「安倍政権打倒のために1対1の対決に持ち込む。排除されることはない」と説明し、民進解体・希望合流が満場一致で了承されたにもかかわらず、その翌29日、急失速を招く「排除」発言を口にしてしまったのである。

私は小池氏が都知事に就任した昨年8月以降、毎週金曜日の14時に行われる小池都知事の定例会見に、できる限り出席するようにしてきた。

しかし、小池氏の「記者選別」はトランプ大統領並みで、詳しくは後述するが、質疑の際には「お気に入り」の記者を明らかに優先して指すのである。フリーランスで、なおかつ小池氏にとって耳の痛い質問をすることが多い私は指されないことがほとんどだったが、この日は偶然か、半年ぶりに指名された。

そこで冒頭のように、民進党との合流に関する前原代表の説明との食い違いについて聞いてみたのだ。

どこか様子がおかしい…
横田:前原代表が昨日、所属議員向けに「希望の党に公認申請をすれば、排除されない」という説明をしたのですが、一方で(小池)知事、(希望)代表は「安保、改憲を考慮して一致しない人は公認しない」と(報道機関に話している)。(前原代表と)言っていることが違うと思うのですが、前原代表を騙したのでしょうか。それとも共謀して、そういうことを言ったのでしょうか。二人の言っていることが違うのですが。

小池知事:すいません。その質問は場所を転換してからお答えさせていただいた方がいいと思いますし、(筆者が?)「独特の言語」を使っていらっしゃるなと今思ったところです。

4日前に小池知事が希望の党代表に就任したために、この日の定例会見は2部制(前半が都政関連、後半が国政関連)になっていた。そこで私は第1部での質疑応答を止め、第2部で再び同じ質問を繰り返した。

横田:前原代表が昨日(28日)発言した「(希望の党に)公認申請をすれば、排除されない」ということについて。小池知事・代表は、安保・改憲で一致する人のみを公認すると。前原代表を騙したのでしょうか。共謀して「リベラル派大量虐殺、公認拒否」(を企てた)とも言われているのですが。

小池知事(=代表):前原代表がどういう発言をしたのか、承知をいたしていませんが、『排除されない』ということはございませんで、排除いたします。取捨(選択)というか、絞らせていただきます。

それは、安全保障、そして憲法観といった根幹の部分で一致していることが政党としての、政党を構成する構成員としての必要最低限のことではないかと思っておりますので、それまでの考えであったり、そういったことも踏まえながら判断をしたいと思います。

現下の北朝鮮情勢などで、これまでの議論に加えてリアルな対応を取っていこうと考える方々もいらっしゃるので、そういったところもしっかり皆様、希望の党から出馬されたいという方を絞り込ませていただくことでございます。ちなみに、その作業は私どもの方では若狭(勝)議員、そして民進の方から玄葉(光一郎)議員が絞り込みの作業に入るということで基本的に任せているところです。

横田:ということは、「安倍政権打倒」を甘い言葉にして、リベラル派大量虐殺、公認拒否・排除をしたということになりませんか。「(綱領にある)寛容な保守」であれば、ハト派からタカ派まで包み込まないのですか。公認しないのですか。そうしないと、安倍政権を倒せないのではないですか。

小池知事:多様性に富んでいるということは、これ(会見)で証明していることになります。とても寛容な記者クラブで…(と言って、私の質問に答えるのをやめて次の記者を指名)。

この「排除いたします」「取捨」という強い言い回しには正直、私も驚いた。驚いているうちに、小池氏は都庁記者クラブと会見そのものに話をすり替えてしまった。いま考えると、小池氏自身も直前の「排除」発言を「まずい」と思い、焦って話題を変えようとしたのかもしれない。

去年7月の都知事選を皮切りに、2月の千代田区長選、そして7月の都議選と、連戦連勝を繰り返してきた小池氏を1年あまりウォッチしてきた私には、これが「勝負師らしからぬ失言」としか思えなかった。

リベラル派を排除すれば、別の新党結成、ひいては野党乱立を招く恐れがあるのは予測できたはずだ。にもかかわらず、小池氏は自らの首を絞めるような愚行を始めてしまった。小池氏の「排除」は単なる失言ではなく、事実だった。

案の定、その後「排除」されたリベラル派議員を中心に立憲民主党が結党、希望の党を上回る議席を獲得し、野党第一党となったことは皆さんもご存知の通りだ。

止められる側近がいなかった
「女帝」のご乱心を止める側近がいなかったのも致命的だった。立憲民主党の結成前にこの「排除発言」を撤回し、「公認申請者は排除しない(全員公認)」と方針変更をしていれば、失速を避けることも可能だったに違いない。

しかし実際に希望幹部が反省の弁を口にしたのは、立憲民主党の結党後。希望の公認候補を決める民進側の窓口だった玄葉光一郎・元外務大臣は「(排除)発言がなければ、希望の党は200議席に迫る勢いだ」(13日)、「『排除』という言葉を使わなかったら、今ごろ自民党と競っていた」(18日)と悔やみ、小池氏もBSフジの番組で「きつい言葉だったと思うが、政策の一致(が重要)ということを申し上げたかった」と釈明したが、時すでに遅しであった。

ネット上では、小池氏のイメージダウンを招く映像が急速に広がっていった。私が「前原代表を騙したのか」と聞いた瞬間、小池氏はにやりと笑ったのだが、その様子を映した動画が「『前原をだました?』に『ふふふ』さすが緑のタヌキ(笑)」といった説明付きでSNSで拡散されたのだ。

わずか1年前の都知事選では、自民党から公認がもらえずに崖から飛び降りるように出馬し、「草の根改革派」として大勝した小池氏が、今回は一転、一手に公認権を握って「リベラル派大量虐殺」を断行する独裁者となったーージャンヌ・ダルクを彷彿させる善玉のイメージから、「女ヒトラー」(日刊ゲンダイ命名)のような悪玉イメージに変わってしまったのだ。

10月22日の投開票日を迎え、蓋を開けてみると、7月の都議選圧勝が幻だったかのように、お膝元である東京都の小選挙区でも希望の党は惨敗した。

その原因は、容易に推定できた。都議選で、自民党の歴史的惨敗と都民ファ―ストの会圧勝を実現した立役者である野田数・特別秘書(前・都民ファ代表)と選挙プランナーの松田馨氏が、今回の総選挙には一切関わっていなかったのだ。

「小池代表以外で候補者選定に関わっていたのは、産経新聞出身の事務総長のO氏と小池氏と懇意なジャーナリストのU氏で、リベラル派排除を進めたのはO氏と囁かれていました。都議選では、水面下の調整を含めた陣頭指揮を取った野田氏と、選挙プランナーとして候補者に指南をした松田氏が都民ファ圧勝に大きく貢献しましたが、今回の総選挙では2人とも外されていたようです」(都政関係者)

天下分け目の決戦で、実績抜群の有能な「部下」をわざわざ外し、先の読めない不寛容な側近で脇を固めたことが、都議選と正反対の惨敗を招いた主因ではないか。

皆「寛容」を期待していたのに
3ヵ月前の都議選で都民ファは、公明党や連合、民進党離党者などの非自民勢力を幅広く結集し、自民党を歴史的大敗に追い込んだ。その時に掲げたのが「情報公開」の旗印。森友・加計問題での安倍政権の情報隠蔽体質に対する批判が高まっていることと、都が情報公開を進めていることを重ね合わせ、争点化したのだ。

6月1日の都民ファ総決起大会の囲み取材で、私が「(都議選を)『ブラックボックス化の自民党』対『透明化の都民ファーストの会』という構図と捉えていいのでしょうか」と聞くと、小池知事は笑顔でこう答えた。

「たまにはいいことを言ってくれますね。ありがとうございます」

小池知事と入れ替わるように代表から幹事長となった野田氏も、次のように勝因分析をしていた。

「勝因は、自民党の体質が表面化したためだと思っています。今回の都議会選挙が注目を浴びたのは、小池都政が情報公開をすることによって、都政の様々な課題が浮き彫りになった結果です。選挙の大きな争点は『情報公開を進める都民ファーストの会』対『隠蔽体質の自民党』。都議選でしたが、国(安倍政権)の隠蔽体質に『NO』を突きつけたのです」

前述の通り都民ファは都議選で、やり手の若手選挙プランナーの松田氏を選挙対策に抜擢していた。去年11月12日の小池政治塾「希望の塾」第2回で講師を務めた松田氏は、2006年と2010年の滋賀県知事選で嘉田由紀子・前知事の連続当選にも貢献した人物だ。

ちなみに小池氏と嘉田前知事には、女性知事以外の共通点がいくつもある。2人とも環境保護推進派で、選挙のシンボルカラーはグリーン、そして知事選で自公推薦候補を打ち破った。しかも松田氏は2012年12月の総選挙で、嘉田氏が知事と「日本未来の党」代表を兼任した際にも選挙プランナーを務めていた。野党が乱立して自公が圧勝、第2次安倍政権が誕生した時のことである。

「今回の総選挙で小池氏が、都議選圧勝に貢献した松田氏や嘉田前知事に助言を求め、野党乱立(日本未来の党・民主・維新・みんなの党)を招いた当時の失敗談に耳を傾けていれば、あの『排除』発言を口にすることはなかったかもしれません」(永田町ウォッチャー)

私の質問の主旨は、「『安倍政権打倒』という目標と『リベラル派排除』は両立しうるのか」という疑問を呈示することだった。「『寛容な改革保守』という党の綱領に従って、公認申請をする民進前議員を全員受け入れ、ハト派からタカ派まで包み込む非自民勢力の結集を実現することこそ、政権交代には欠かせないのではないか」と言い換えることもできるが、この問いかけに小池氏は答えようとしなかった。

人選ミスに加えて、小池氏自身の聞く耳を持たない「独裁的体質」が転落に拍車をかけたのではないかと思う。

選挙の後、私のもとには「よくぞ質問してくれた」という声も、「あんなことを聞かなければ、希望の党は安倍政権を倒していたかもしれないのに」という声も両方届いている。

確かに、あの会見で私が質問をしなかったら、あるいは私が半年ぶりに小池氏に指されなかったら、選挙の結果はかなり違ったものになっていたかもしれない。また個人的には、自民党を再び大勝に導く遠因を作ってしまったと思うと、複雑な気持ちではある。

しかし一方で、小池氏が「排除」した民進党リベラル派はすぐに立憲民主党を作り、安倍政権に批判的な民意の受け皿となった。彼らが希望の党にいったん合流したとしても、遅かれ早かれ、袂を分かつ日は来ていたはずだ。その日が早まっただけだと考えれば、むしろ選挙後の混乱を未然に防ぐことになったのかもしれない。

おまけ:記者も「排除の論理」?
最後に、小池氏の会見スタイルについて少し補足をしておこう。氏はテレビなどでもおなじみの通り、質疑応答の際には笑顔を絶やさずに丁寧な口調で受け答えをする。しかしその一方で、質問者を選別し、私のような記者には質問の機会をほとんど与えない一面がある。小池氏は去年の夏以降、都知事としての記者会見でも「排除の論理」を徹底してきたといえる。

このことは、定例会見と臨時会見における記者別指名回数を順位づけした「都知事会見の指名回数順位(“好意的記者”ランキング)」を見ると、一目瞭然だ。

ちなみに、私が小池氏の「ブラックリスト」に載った質問と見ているのが、2回目の指名となる昨年8月13日のもの。私はこの時、築地市場の移転問題について、市場関係者との面談を非公開にしたことを問い質したのだが、これ以降、約半年も指されない状態が続いた。

そこで私は「都知事会見指名回数順位表(お気に入り記者ランキング)」(表1)を作成してネット媒体の「リテラ」に掲載した。すると、その約1週間後の3月10日、半年ぶりに指名された。

(表1)2016年8月~2017年2月24日までの定例会見・臨時会見における指名回数

しかしその後は、再び指されない状態が続くようになったので、今度は月刊誌「創」2017年9月号に、今年7月までの情報を追加した最新版(表2)を掲載してもらったところ、9月29日に半年ぶりに当てられたのだ。

(表2)2016年8月~2017年7月21日の指名回数

この表にある日テレの久野村記者やTHE PAGEの具志堅記者は、直近の会見でも私よりはるかに頻繁に指名されている。ランキング2位の具志堅記者は、10月6日と13日に両方とも指された。久野村記者は、13日の囲み取材で私が質問したとたん「囲み終了」が宣言されたにもかかわらず、そのあとで追加質問が許される特別扱いを受けていた。

とにもかくにも、有権者の審判は下された。「排除」というただ一点によって、これまでの破竹の勢いを大きく削がれることとなった小池氏。これから東京五輪へ力を振り向けてゆくこととなる都政を、また国政政党となった希望の党の舵取りを、まっとうすることはできるだろうか。
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【衆院選】田原総一朗氏、選挙特番で視聴者意見に激怒「野党が酷(ひど)すぎるって何だよ!」

 22日に投開票が行われた第48回衆院選で、同日夜から23日未明にかけて生放送されたテレビ朝日系の開票速報特別番組「選挙ステーション2017」で、司会を務めたジャーナリストの田原総一朗氏(83)が視聴者から寄せられた意見に激怒する場面があった。

 政治部記者も務めている村上祐子アナウンサー(38)が番組で、視聴者からの意見として「今が完璧ではないが野党が酷すぎる。安倍総理はやりたい事をしっかり形にして欲しい」という意見を紹介したところ、途中で遮るように「ちょっと待って!野党が酷すぎるってどういうことなんだよ」と怒鳴った。

 田原氏は「どういうことなんだよ」と繰り返し、村上アナが「野党に関してはこういったご意見もご紹介していいですか?」と返し、さらに「野党に関しては…」と続けようとしたところ、これも遮り、「野党が酷すぎるってどういうことなんだよ」と激怒した。

 村上アナは「今回は野党の票が割れてしまって自民党に利することになったということじゃないですかね」と戸惑いの表情を浮かべながら続けると、田原氏はなおも何かつぶやいていたが、村上アナは「続いてツイッターの意見をご紹介します」と番組を進行させた。

 ネット上では「もう引退したら?」「今回の選挙で野党が政策を訴えたイメージが全くない」「選挙結果が気に入らず、最初からイライラ全開」などと田原氏や野党を非難する意見が殺到した。

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衆院党派別得票数・率(比例代表)


 【時事通信社調べ】(選管確定)
党派名    得  票  数   得票率
自 民 18,555,717  33.2
希 望  9,677,524  17.3
公 明  6,977,712  12.5
共 産  4,404,081   7.8
立 憲 11,084,890  19.8
維 新  3,387,097   6.0
社 民    941,324   1.6
日 こ     85,552   0.1
大 地    226,552   0.4
幸 福    292,084   0.5
支 持    125,019   0.2
諸 派          -     -
無所属          -     -
合 計 55,757,552 100.0
(2017/10/24-06:57)
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岡山県 比例 立憲民主党 1 希望の党 2



【比例代表】中国(定数11  選管確定)

自由民主党  候補23 獲得議席5 得票数1,249,073票 (得票率39.2%)
立憲民主党  候補4 獲得議席2 得票数533,050票 (得票率16.7%)
希望の党   候補14 獲得議席2 得票数514,191票 (得票率16.1%)
公明党     候補3 獲得議席2 得票数476,270票 (得票率14.9%)
日本共産党  候補4 獲得議席0 得票数199,152票 (得票率6.2%)
日本維新の会  候補3 獲得議席0 得票数151,221票 (得票率4.7%)
社会民主党  候補1 獲得議席0 得票数44,240票 (得票率1.4%)
幸福実現党  候補3 獲得議席0 得票数20,701票 (得票率0.6%)

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【比例代表】中国(定数11  選管確定)


立憲民主党 獲得議席数2


当選 順位  氏名 (年齢) 党派 重複 前元新 惜敗率
当比
 1 亀井亜紀子 (52) 立憲  島根1区 新 68.351%
当比
 1 高井 崇志 (48) 立憲  岡山1区 前 65.034%

希望の党 獲得議席数2

当選 順位  氏名 (年齢) 党派 重複 前元新 惜敗率
当比
 1 津村 啓介 (45) 希望  岡山2区 前 74.628%
当比
 1 柚木 道義 (45) 希望  岡山4区 前 77.576% 
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