映画の思い語る佐藤健と土屋太鳳 映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話」 (  岡山県の実在の夫婦をモデル  )


 岡山県の実在の夫婦をモデルにした映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話」の完成披露試写会が東京都千代田区の丸の内ピカデリーで開かれ、ダブル主演を務めた佐藤健、土屋太鳳ら主要キャストが作品への思いを語った。 結婚を間近に控えながら原因不明の病気で昏睡(こんすい)状態に陥った麻衣(土屋)と、回復を信じていちずに待ち続ける尚志(佐藤)。麻衣の意識が戻っても試練に見舞われるが、8年越しで結婚の約束を果たす—。感動のラブストーリーを瀬々敬久監督、岡田恵和脚本の実力派コンビで描いた。 主演の2人は、モデルとなった中原尚志さん、麻衣さん夫妻を岡山に訪ねてから撮影に臨んだという。佐藤は「難しい役に挑んだ土屋さんをサポートしたいという気持ち(が尚志さんと重なり)、それが役作りの全てだった」。土屋は「ご夫婦の息子さんにも会い、奇跡の向こうにあったのがこの時間なんだなって。このご家族のために全力を尽くそうと念じてクランクインした」と振り返った。 麻衣の両親役を演じた杉本哲太、薬師丸ひろ子らとともに「愛と家族の物語。胸を張れる作品に仕上がった」とPRした。 ロケも岡山、倉敷、浅口市などで行われ、岡山県内では12月9日から先行上映される。全国ロードショーは同16日から。

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ある夫婦に起こった奇跡の実話 土屋太鳳と佐藤健が紡ぐ感動ノンフィクション映画


 8年−−。目を覚ますかどうかも分からない“他人”をこれほど長く待つことができるだろうか。12月16日公開の映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話」(瀬々敬久監督)は、実在する岡山県のあるカップルに起きた奇跡の物語だ。

 女優、土屋太鳳(22)と佐藤健(28)がW主演する同作は、大病に襲われて記憶が戻らない花嫁(土屋)と、その回復を待ち続けた花婿(佐藤)の愛を描いたノンフィクション。NHK連続テレビ小説「ひよっこ」などで知られる岡田惠和氏(58)が脚本、映画「ヘヴンズストーリー」などで知られる瀬々敬久監督(57)がメガホンを執った。

 モデルとなった夫婦は、岡山県和気町で暮らす会社員の中原尚志さん(37)と麻衣さん(35)。2人は長男の碧和(あいと)くん(2)をもうけ、今は幸せな家庭を築いている。

 麻衣さんが倒れたのは2006年で、結婚式の3カ月前だった。ある日突然、直近の記憶を失い、その後は意識が戻らない状態が続いた。病名は「抗NMDA受容体脳炎」。腫瘍が原因で生じた抗体が自分の脳を攻撃するという症例の少ない病だった。

 苦難に満ちた物語の主役というオファーを受けた佐藤と土屋は、中原さん夫妻のドキュメンタリー映像に心を打たれて出演を決意。佐藤は「こんな人生が現実であり得るんだと。感動して、たくさんの方に届けたいと思った」と熱く語り、土屋も「映画化はとてつもない挑戦だと思った。(夫妻に)尊敬の気持ちを持って、撮影に臨んだ」と振り返った。配給する松竹の担当者も、作品にかける2人の思いを感じ取ったという。

 佐藤と土屋は中原さん夫妻のもとを訪れ、実際に話を聞くなどして真摯に役作りに励んだ。また中原さん夫妻も、撮影現場に遊びに来て2人と交流していたそうだ。

 土屋は闘病中のシーンを演じるにあたり、約4時間かけた特殊メークを行い、食事制限も実施。体重のコントロールで苦労する土屋に佐藤がアドバイスを送るなど、劇中同様“一心同体”で大作を作り上げた。

 土屋と佐藤が紡ぐ壮大で深い愛。映画のエンドロールが流れるとき、観客の誰もが“大切な人”を再認識するような気がする。

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