岡山 作陽が3大会連続初戦突破 サッカーの全日本高校女子選手権


 サッカーの全日本高校女子選手権は30日、兵庫県三木市の三木総合防災公園陸上競技場などで32チームが参加して開幕し、1回戦16試合があった。中国第1代表で、10年連続10度目出場の作陽(岡山)は関東第3代表の前橋育英(群馬)を2—1で下し、16強入りした。初戦突破は3大会連続。 作陽は前半4分にFW牛久保が相手守備の連係ミスを突いて先制したが28分にカウンターから失点。しかし40分、山崎のクロスを合わせた牛久保が再びネットを揺らし、これが決勝点となった。 広島文教女大付は帝京三(山梨)を1—0で退け、香川西は開志学園(新潟)に0—1で敗れた。2連覇を目指す十文字(東京)は秀岳館(熊本)に3—2で逆転勝ちし、今夏の全国高校総体を制した日ノ本学園(兵庫)は聖和学園(宮城)を0—0からのPK戦の末に下した。 31日は2回戦8試合があり、作陽は開志学園、広島文教女大付は修徳(東京)と対戦する。▽1回戦作陽2—1前橋育英前半2—1後半0—0FW牛久保が2ゴール、難敵撃破 ビッグプレーにスタンドがどよめいた。1—1で迎えた前半終了間際。相手ゴール前で待ち構えた作陽のFW牛久保が鋭い右クロスに反応し、右足を一閃(いっせん)。ボールはGKの伸ばした手をかすめるようにネットに突き刺さった。これが、関東予選で前回覇者の十文字を下して乗り込んできた強敵を打ち砕く決勝ゴールとなった。 殊勲の3年生は、11月の中国予選決勝でPKを失敗していた。延長戦の末に優勝したものの「貢献できなかった。選手権は自分が勝たせる」と心に決め、ピッチに立っている。そんな強い覚悟が立ち上がりの先制点にもつながった。池田監督は「苦しい思いをたくさんしてきた。まだまだやってくれるはず」と背番号9への期待を口にする。 決勝点の場面には実はもう一つ“好プレー”が隠されていた。牛久保にアシストしたMF山崎は前にいた選手からパスを受ける際、「右足!!」と大声で要求。折り返したクロスがピンポイントで牛久保に通ったのは利き足で蹴ったからこそ。「全員がどちらの足でパスをもらうかまで、こだわってサッカーをしている」と山崎は明かした。 1回戦屈指の好カードを制し「これで自信と勢いがつく。チーム一丸となって勝ち上がりたい」と牛久保。3位になった夏のインターハイからさらに上を見据えるチームは、培ってきた質の高いプレーで第1関門をクリアした。