“36秒94の衝撃”   小平奈緒選手が金メダル、スピードスケート女子500m

 ピョンチャン五輪スピードスケート女子500メートルで、小平奈緒選手が36秒94のオリンピックレコードで金メダルを獲得しました。

 日本スピード勢では女子初の快挙で、今大会ではフィギュア男子の羽生結弦選手に続く2個目の金メダル獲得となりました。

 今大会の日本のメダル数は、最多だった1998年長野オリンピックの10に並びました。

//////
小平奈緒、世界を駆け巡る“36秒94の衝撃” 「偉大な記録」「センセーショナル」

小平が3度目五輪で悲願の金メダル 五輪新の衝撃に海外メディアが次々速報
 平昌五輪スピードスケート女子500メートルで小平奈緒(相沢病院)が五輪新記録となる36秒94で堂々のスピードスケート日本女子初の金メダルを獲得した。W杯15連勝中という氷上の女王の偉業に、海外メディアも「偉大な五輪記録」「センセーショナル」と称賛している。

 14組のインコースでカロリナ・エルバノバ(チェコ)と対峙した小平の眼光が鋭くなった。ロケットスタートに成功すると最初の100メートルは10秒26。そこから一気に加速。衝撃の五輪新記録で金メダルを掴み取った。

 31歳の女王の偉業に、五輪の公式ツイッターは「なんてレースだ!スピードスケート女子500メートルで日本のナオ・コダイラが五輪記録と金メダルを獲得」と速報。五輪連覇中のイ・サンファ(韓国)との頂上決戦の凄まじさを振り返っている。

 国際スケート連盟のツイッターも「36.94! ナオ・コダイラが五輪チャンピオンに!」と速報すれば、英公共放送「BBC」公式ツイッターも「日本に金メダル! ナオ・コダイラが女子500メートルスピードスケートで36.94で優勝」と伝えた。拍手の絵文字で祝福していた。

 小平が武者修行していたスピードスケート王国のオランダも小平の栄光を称えた。オランダの衛星放送「ユーロスポーツ」のツイッターは「ナオ・コダイラがやってのけた! 偉大な五輪記録。ヨリン・テルモルスは不運にも表彰台に届かず」と称賛しつつ、小平が銀メダルに終わった1000メートルで金メダルだったテルモルスの力走にも触れていた。

 オランダ地元紙「アルゲメン・ダグブラッド」の公式ツイッターも「ナオ・コダイラがセンセーショナルなタイムを記録し500メートルで金メダル」と驚きとともに速報していた。

 小平が叩き出した「36.94」の衝撃は瞬く間に世界中を駆け巡った。

//////
【平昌五輪】「主人公は小平だった」韓国紙も相次ぎ速報 小平奈緒と李相花の“日韓対決”

 平昌冬季五輪のスピードスケート女子500メートルで小平奈緒(相沢病院)が、地元韓国のスター選手、李相花の3連覇の夢を砕いた。

 韓国メディアも今回の“日韓対決”の結果を相次ぎ速報。朝鮮日報(電子版)は「李相花の独走態勢にブレーキをかけた主人公は小平だった」と、五輪新記録で金メダルを獲得した小平を称えた。

 李は同種目で2010年のバンクーバー五輪、14年のソチ五輪で金メダルを獲得。世界記録保持者としても知られる。韓国紙の朝鮮日報は「(李相花の)オリンピック3連覇が挫折した」と速報した。

 中央日報(電子版)は、レース直後に小平と李が2人で会話していたことを紹介。李が「良い記録を出したね」と祝福すると、小平も「あなたに学ぶ点が多かった」と答え、互いに健闘を称え合ったという。

 聯合ニュースは「今大会が最後の五輪となる李はバンクーバー五輪、ソチ五輪に続く3連覇に挑んだが、惜しくも達成はならなかった」と伝え、李が小平に花束を手渡す写真で、ライバルの友情を表した。

//////

海外メディアは韓国・李相花を慰めた小平奈緒のスポーツマンシップを絶賛

平昌五輪のスピードスケート女子500メートルが18日、当地の江陵オーバルで行われ、エースの小平奈緒(31、相沢病院)が36秒94で五輪新記録をマークして金メダルを獲得した。海外メディアも小平の快挙を一斉に報道したが、五輪3連覇を狙いながら銀メダルに終わった韓国の李相花(イ・サンファ)をレース後に慰めた小平のスポーツマンシップを賞賛するものが多くを占めた。

NBCスポーツは、「小平がイ・サンファの五輪支配を終わらせる」との見出しで、小平が500メートルで2年近くにわたる無敗レースを続けて、平昌で金メダルを獲得したという経緯を報道。

「小平は、日本のメディアやファンからのプレッシャーに屈することなく、五輪のスピードスケートで最初の日本人女性の覇者となった。平昌五輪まで日本の女子選手のスピードスケートでの五輪メダル獲得数は4つだけだったが、この大会ではすでに4つのメダルを数え」と、日本のスケート史を塗り替える快挙だったことを強調した。

 そして五輪で2連覇中だった地元韓国のイ・サンファが0.39秒差で2位に入ったことに触れ「2度の500メートル金メダリストは、違った理由で感情的になっていた。五輪の前にイは“自国で勝てればどれだけ素晴らしいか”と語っていた。勝利はならなかったが、韓国ファンはイに声援を送り、レース後には会場で彼女の名前が連呼された」と会場の様子をレポート。小平が金メダル確定後に、イの傍に駆け寄り言葉をかけたシーンに注目。「本物のスポーツマン精神として小平は3連覇できなかった2度の五輪覇者を慰めていた」と伝えた。

米ヤフースポーツも「女子スピードスケートの500メートル決勝には何の疑いもなかった。日本の小平がスタートから先行し金メダルを獲得、五輪新記録を樹立した」と伝えた。
同記事も小平が、レース後、イの健闘を称えたシーンを取り上げた。
「31歳の小平は500メートル競技の世界選手権を制し、金メダル最有力として五輪を迎えた。短距離の小平は1000メートルでも世界記録をすでに保持している。韓国の28歳で五輪2連覇中だったイ・サンファは銀メダルだったが、レース後に悲しみに打ちひしがれ、小平に慰められなければならなかった」と記した。

また小平の金メダルが日本のスピードスケート界では、女子では初、男子を含めても1998年の長野五輪での清水宏保氏以来、20年ぶりになることも報じた。

英国のBBCも「小平がイ・サンファ3大会連続金メダルを阻む」との見出しで、イとのライバル関係に焦点を当て、「小平が地元韓国の観客を狼狽させた」と伝えた。

「31歳の日本の小平は同じ会場で行われた去年の世界選手権でも、この韓国のスター選手に勝利していた。そして彼女は、日曜日にイが2014年のソチ大会で樹立した五輪記録を破り、36.94秒でもう一度勝利を収めた。小平とエルバノバは14組でスタート。(レース後に)小平は地元のファンの前で指を唇に置くしぐさをした。28歳のイは、次の組だったが、1000メートルでも銀メダルを獲得している小平のタイムに及ばなかった。エルバノバより100分の1秒早かったが、イはリンクを一周する間に涙を流し、小平に慰められた」と、試合経過をレポートする中で、レース後の2人の友情関係を特筆した。

韓国メディアの英語版であるコリア・ヘラルド紙は、「イ・サンファは3大会連続の金メダルは逃したが、今月末に29歳となるスケート選手(イ・サンファ)はスピードスケート女子選手として伝説のままだ。冬季五輪においてショートトラック競技に比重が置かれる韓国では、スピードスケート競技では、過去に4つの金を獲得しているが、2つはイによるものだ」と、イの銀メダルを賞賛。
「近年では冬季五輪ソチ大会の500メートルで5位に終わった日本の小平がイとの差を急速に縮めていた。国際スケート連盟による今シーズンのワールドカップで、31歳の小平は、7つの500メートル競技を制して全レースでイを破っていた」と伝え、小平の強さを称えた。

 政治の世界では日韓関係の微妙な駆け引きが報道されているが、スポーツの世界では日韓の両エースは堂々と勝負して、そしてスポーツマンらしく、遺恨なく、お互いの健闘を称えた。

//////