岡山の3施設で「サムライ」展

 岡山カルチャーゾーンの3施設による「おかやまサムライめぐり」が21日、林原美術館(岡山市北区丸の内)の企画展を皮切りにスタートする。同館と岡山城天守閣(同所)、岡山県立博物館(同後楽園)の初の連携事業で、3カ月にわたって甲冑(かっちゅう)や刀剣、武将画などを展示。厳しくも華やかな侍の世界を再現する。 装いや武術、たしなみ…。林原美術館の「サムライの纏(まと)うもの」(6月17日まで)は、侍が身に付けたあらゆる“モノ”を紹介する。目玉の甲冑は南北朝時代の「紺糸威(こんいとおどし)胴丸」(国重要文化財)、初代岡山藩主の池田光政が用いた黒ずくめの「黒塗竪矧(たてはぎ)胴具足」など、同館所蔵の逸品をそろえた。 武具のほか、光政の祖母が所有し、後に能装束に転用された「紅地菊枝桐亀甲文唐織小袖」(国重文)、池田家の祖・恒興が携えたとされる香木「伽羅(きゃら)」といった珍しい品も。同館の植野哲也主任学芸員は「多様なサムライ文化を体感してほしい」と話す。 岡山城天守閣では企画展「サムライ達(たち)の関ケ原」(5月18日〜6月24日)。復元した甲冑や武将画の第一人者、正子公也さん(玉野市出身)の作品で、天下分け目の合戦で躍動する宇喜多秀家らゆかりの武将を演出する。 県立博物館の特別展「サムライアーマー甲冑」(5月25日〜7月8日)は、鎧兜(よろいかぶと)(アーマー)に焦点を当て、平安期の国宝「赤韋威(あかがわおどし)鎧」、県内初公開となる備中松山藩儒・山田方谷の甲冑などを展観する。 林原美術館と県立博物館は月曜(祝休日の場合は翌日)休館。6月16日に3施設を巡回するリレー展示解説を行うほか、各施設で講演会やワークショップを開く。問い合わせは各施設。