岡山の両備バス、運休スト回避 2労組が一部路線「無賃」に転換 / 路線認可の執行停止申し立て却下 / 両備vsめぐりん 対立の構図は?

 
 両備グループ(岡山市)の従業員でつくる「両備バス労働組合」と「岡山電気軌道労働組合」は25日、八晃運輸(同市)の循環バス「めぐりん」の新路線・益野線開設を巡り26、27日に予定しているストライキで、路線バスなどの運休ストは回避し、運賃徴収業務を行わない「集改札スト」に切り替えると発表した。無賃状態にして経営に影響を与える争議行為だが、運行は維持され、市民生活の混乱は避けられる見通しとなった。

 集改札ストは、26日が益野線と競合する同市東部方面の路線バス・西大寺線で午後1時~2時、27日は西大寺線と同市内を走る路面電車で終日予定。運行は通常通りで、運賃箱に覆いをかけるなどし、乗客から徴収しないようにする。

 労組側は、益野線開設により、会社の収益が下がり、雇用や賃金が維持されなくなるなどと主張。当初は26日に西大寺線で時限運休スト、27日は路線バスと路面電車のほぼ全てで終日運休ストを計画していた。

 両労組によると、24日の交渉で会社側から、3年間は賃下げしないとの回答とともに、益野線の認可取り消しに向けた活動を継続するとの方針も示されたため、ストの内容を緩和した。

 25日、両備バス労組の高木秀治執行委員長と岡電労組の成田健一執行委員長が同市内で会見し「地域や利用者に大変ご迷惑をお掛けした」と陳謝。高木執行委員長は会社回答を「百パーセント満足したものではない」としたが、ストをこの後も実施するかについては「分からない」と述べた。

 両備グループの小嶋光信代表は「労組の行動を責める言葉はない。組合員、社員を理不尽な路線進出から守ってあげられなかったふがいなさを痛感している」とのコメントを発表した。

 めぐりんの益野線は27日に運行開始予定。両備グループ2社は国に認可取り消しを求め、東京地裁に提訴している。認可の執行停止の申し立ては却下されたが、即時抗告する方針。


 ■ 利用者らは安心 公共交通の混乱に疑問の声も

 両備グループ(岡山市)の2労働組合が25日会見し、26、27日に予定しているストライキで路線バスなどの運休を回避することを明らかにした。利用者らは安心する一方、他社の路線新設に端を発した公共交通の混乱に疑問の声も上がった。

 「車が運転できないので、バスが運休すると移動手段がなくなる。回避されて本当に良かった」。買い物で週数回、両備の路線バスを利用している玉野市の女性(80)は胸をなで下ろしつつ、「状況がころころ変わるので不安」とこぼした。

 労組側は当初、26日に岡山市の西大寺線で時限運休、27日には路線バス、路面電車のほぼ全路線で終日運休のストを計画。方針変更でいずれも通常通り運行されることになり、西大寺線沿線に住む渡辺盛幸・三勲学区連合町内会長(85)=同市=は「この辺の停留所は毎朝、小中高生らであふれている。通学への影響を一番心配していた」と話した。

 学校の対応をみると、27日が運休ストとなった場合は休校としていたノートルダム清心女子大付属小(岡山市)は、本来の予定通り遠足を行うことに。岡山大付属小(同)は同日を休校のままとしている。

 今回、労組側が選択したのは西大寺線などで運賃徴収業務に絞った「集改札スト」。奈良県立大の新納克広教授(交通論)は「運賃を(事実上)無料にするのは競合他社に打撃を与える効果を狙っているとも考えられる。1日だけなら単なるデモンストレーションだが、続くようなら不正競争になる可能性があり、他の路線の利用者からも不満が出るだろう」と指摘する。

 市民生活への当面の影響は抑えられたものの、循環バス「めぐりん」を運行する八晃運輸(同市)の路線新設に対する両備グループ側の反発は続いている。岡山商工会議所の岡崎彬会頭は「一企業でなく国の政策レベルの問題。地方の公共交通の在り方をどう考えるかという大きな問題を投げ掛けている」と述べた。

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両備2労組 ストライキ予定から一転「無料で運行」岡山市の新規バス路線参入で

  岡山市の新規バス路線運行をめぐり、競合する両備グループの2つの労働組合が26日と27日にバスなどのストライキを予告していた問題です。労働組合は、運行するが改札はしない「集改札スト」に変更し、バスや路面電車を無料で走らせると発表しました。

(両備バス労働組合/高木秀治 執行委員長)
「全日、集改札スト、無改札で運行させていただきます」

 25日朝、両備バス労働組合と岡山電気軌道労働組合の代表者が会見を開きました。

 この問題は、岡山市中心部の循環バス「めぐりん」を運行する八晃運輸が、岡山駅と西大寺地区を結ぶバス路線を27日に新設することに端を発しています。

 両備バス労働組合は、「新規参入によって労働者の生活を維持できなくなる」として、23日、西大寺線で1時間のストを行いました。

 さらに、26日と27日にもストが予定されていましたが、「会社側にダメージを与えた上で、利用者に不安を与えたことをお詫びしたい」として、バスは走らせるものの料金の徴収を放棄する「集改札スト」を実施すると発表しました。
 西大寺線で26日は1時間、27日は終日行なわれる予定です。

(両備バス労働組合/高木秀治 執行委員長)
(Q.27日運行開始する「めぐりん」新路線を意識したものではない?)
「めぐりんを意識するのは事業者側ですよね。私たち組合は意識も何もないです」

 また岡電労組は27日、路面電車で集改札ストを行い無料運行することを決めました。
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<ストライキ>労組通告、23日に両備バスが 新規参入に抗議 26、27日も

当初の予定は?

 両備グループの「両備バス労働組合」(組合員数478人)は20日、県に通知していた23日のストライキについて、予定通り実施すると会社側に通告した。両備グループでは26、27両日にもストが予定されている。

 通告は、72時間前の通知が義務付けられている労働協約に基づく措置。通告書によると、27日に新バス路線の運行を始める八晃運輸(岡山市)の参入により、会社に大幅な減収が見込まれるため、組合員の雇用が危ぶまれると主張。組合員の雇用と生活を維持するためにストを実施し、新規参入を許した国にも抗議していくとしている。

 23日は午後1〜3時、西大寺バスセンターとJR岡山駅をつなぐ岡山西大寺線で運転を取りやめる。会社側は「ストを回避するため鋭意交渉を続ける」としており、ストは中止になる可能性がある。ただ、実際にバスが止まれば約500人に影響するという。

 両備バス労組は26、27両日にもストを実施する。27日には、グループの「岡山電気軌道労働組合」(組合員数178人)もストをする予定だ。岡山電気軌道が運行する市内の路面電車とバスの全線が対象だが、同社の別労組「私鉄中国地方労組岡山電軌支部」(同18人)はストを予定しておらず、全線で運転がストップするかは分からない。

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 ◇予定しているスト

【23日(月)午後1〜3時】 から【23日(月)午後1〜2時】 
 両備バス 岡山西大寺線

【26日(木)午後1〜4時】 から 一転「無料で運行」?
 両備バス 西大寺線

【27日(金)終日】     から」 一転「無料で運行」?
 両備バス 全線(高速・貸し切りを除く)

 岡電バス※全線(リムジン・貸し切りを除く)

 路面電車※全線

※は別の労組がストを予定しておらず、運行する可能性がある
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岡山市の新規バス路線問題 両備vsめぐりん 対立の構図は?

 岡山市内を循環するバス「めぐりん」は27日から岡山駅前と岡山市東区の西大寺地区を結ぶ新路線の運行を開始します。
 この路線をめぐっては、すでに西大寺線を運行している両備グループが認可取り消しを求めて東京地裁に提訴。さらに23日、1時間のストライキを行いました。
 めぐりんの運行日には、バスや路面電車全線で終日ストライキを予告していましたが、「集改札スト」として無料運行に切り替えました。
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めぐりん のバス

路線認可の執行停止申し立て却下


岡山市で27日に運行開始が予定される循環バス「めぐりん」の新路線・益野線を巡り、路線開設の認可手続きに過ちがあるなどとして、両備ホールディングス(HD、同市北区錦町)と岡山電気軌道(同市中区徳吉町)が国に執行停止を求めた申し立てが、東京地裁で却下されたことが24日、中国運輸局への取材で分かった。 運輸局によると、決定は23日付。両社の申し立てを却下したとする旨の決定通知が24日までに届いたという。 両社側は却下されたことを認めた上で「決定はまだ確定していない」としている。 益野線は八晃運輸(同市中区倉益)が運行を計画。両備HDと岡電は17日、国に認可取り消しを求めて提訴するとともに、執行停止を求める申し立てを行っていた。
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<両備バス>ストライキ 岡山市長「市民の足奪われ残念」


 両備グループの「両備バス労働組合」が23日に岡山西大寺線(西大寺バスセンター−JR岡山駅間)で実施したストライキについて、岡山市の大森雅夫市長は24日の定例記者会見で、「残念だ。ストという形で市民の足を奪うことはやめてほしい」と訴えた。

 両備バス労働組合は、岡山西大寺線とほぼ競合する八晃運輸(岡山市)の新バス路線を認可した国に抗議するため、1時間のストを実施した。午後1〜2時に上下線18便のうち16便が運行せず、約200人に影響した。ストは26日以降も予定されており、27日は両備グループのバス(貸し切りなどを除く)や路面電車が終日ストップする見込みだ。大森市長は「労使間でしっかり話をし、回避をお願いしたい」と述べた。

 また、問題の新バス路線のバス停に関する道路占用許可を巡り、八晃運輸が関係地権者の同意を得ていなかったにもかかわらず、市が許可は有効としたことについて、大森市長は「(許可を)取り消さなければならない瑕疵(かし)はない」との認識を改めて示した。一方、両備グループ側は、自社のバス停の占用許可には関係地権者の同意を得るよう市から厳しく指導されていたとして、「平等原則違反だ」とする抗議書を市に提出している。この点について、大森市長は「担当者によって条件の指導度合いが異なったことはあり得る」と認め、占用許可を出す際の指導基準を明文化して透明性を図る方針を明らかにした。
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両備のストは規模を縮小


明日とあさってに予定されている両備グループのバスと電車のストライキは、スト中止や集改札ストへの変更により利用者への影響はほぼ無くなる見込みとなりました。
両備バスの労働組合は競合事業者の新規バス路線認可に反対し、おととい、岡山ー西大寺線で1時間の第一次ストライキを行いました。
両備バスの組合は明日とあさってにもストライキを予定していますが、バスは運行させた上、料金徴収を行わない集改札ストに変更することを明らかにしました。
明日は午後1時からの1時間、あさっては終日、岡山ー西大寺線でのみ、集改札ストが行われます。
また、あさってに終日ストを予定していた岡電バスはストライキをとりやめ、岡山電気軌道は全線で集改札ストを行うということです。
一方、岡山市の両備グループが競合する事業者の新規バス路線認可の執行停止を求めていた申し立ては、おととい東京地方裁判所で却下されたことが明らかになりました。
両備グループの岡山ー西大寺線と同じ区間を走る競合事業者の新路線は、あさってから両備バスよりも割安の運賃で運行が始まる予定です。
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岡山 交通事情

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【解説】 競合路線を運行 両備とめぐりん 対立の構図は?


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