岡山 「ハートランド倉敷」風情豊かに開幕 美観地区一帯、華やかに彩る

 岡山県倉敷市美観地区一帯を華やかに彩る「くらしき藤物語 第38回ハートランド倉敷」(岡山県、同市、山陽新聞社などでつくる実行委主催)が29日、開幕した。和服姿の女性を乗せた川舟流しが行われ、白壁と柳が織りなす町並みを舞台に5月5日まで、多彩なイベントが繰り広げられる。

 セレモニーは大原美術館前の今橋で行われ、伊東香織市長、井上峰一倉敷商工会議所会頭らがあいさつ。地元の水島灘源平太鼓が迫力ある演奏を披露した。「くらしき藤娘」の大塚里咲さん(21)=高梁市出身=が川舟に乗って現れると、ゴールデンウイークで訪れた観光客らがカメラのシャッターを切った。

 毎年訪れる岡山市南区の男性(75)は「勇壮な太鼓が祭りの開幕にぴったり。快晴の空と藤をあしらった行灯(あんどん)が彩る美観地区は風情があっていい」と話していた。

 今年は、市花の藤にちなんだメインタイトルを据えた。藤娘は従来の1人から2人となり、川舟流しや撮影会に臨む。3日は子どもによる「ちびっこ藤娘」「藤おのこ」も川舟流しに登場。1~3日には藤の花をモチーフにしたもなか、マスキングテープなどのオリジナルグッズを販売する。

 会期中、川舟流しを毎日行うほか、総勢約1600人による商店街パレード(3日)や、備中地域の伝統芸能のステージ(4、5日、倉敷アイビースクエア)などがある。

「ハートランド倉敷」風情豊かに開幕 美観地区一帯、華やかに彩る
幻想的な雰囲気に包まれた「くらしき藤娘」の夜の川舟流し
■幽玄 夜の川舟流し

 倉敷市美観地区で29日に開幕した「くらしき藤物語 第38回ハートランド倉敷」。会場を流れる倉敷川では、市花の藤を散らした振り袖をまとう「くらしき藤娘」や、白無垢(むく)の「瀬戸の花嫁」による川舟流しが行われた。来場者は伝統的な町並みを舞台に広がる和の世界を堪能した。

 しの笛の響きとともに川面を行く「藤娘」にカメラを向けた倉敷市の会社員男性(55)は「美観地区が一番美しく輝く瞬間」。「花嫁」に見入っていた岡山市中区のパート女性(45)は「美観地区にはやはり『和』が似合う。川舟で奏でる邦楽もすてき」と目を細めた。

 国重要文化財・旧大原家住宅の一部を改装し、4月にオープンした展示・交流施設「語らい座 大原本邸」などを訪れる観光客もあでやかな藤娘、花嫁に目を奪われた。奈良県生駒市の女性(53)は「歴史ある町並みの魅力をたっぷり味わうことができました」と話した。

 初夏を思わす日中から一転して、午後7時からの川舟流しは幽玄な雰囲気に包まれた。岡山市南区、会社員女性(29)は「川舟が夜の川に浮かび上がったように幻想的。藤娘の美しい姿に憧れます」と目を輝かせていた。