国際情勢 トランプ氏 米朝首脳会談「板門店開催」を検討、南北双方に打診

 6月初旬までに行われる見通しの米朝首脳会談の会場について、アメリカのトランプ大統領は、南北軍事境界線にある板門店(パンムンジョム)の「平和の家」とシンガポールなどが最終候補だと明言しました。

 「米朝首脳会談の開催地はシンガポールを含め、いろいろな国を検討している。南北軍事境界線にある『平和の家』も検討している」(アメリカ トランプ大統領)

 板門店の韓国側施設「平和の家」は先週、南北首脳会談が行われた場所で、トランプ氏は「この案は韓国の文大統領と、文氏を通じて北朝鮮側にも打診した」と明らかにしています。

 これまで開催地には、シンガポールとモンゴルの2か国が最終候補に浮上していたものの、トランプ氏が先月30日朝、「『平和の家』での開催の方が第三国より象徴的、重要で歴史に残る場所だろうか?」とツイッターに投稿。トランプ政権は、歴史的な南北首脳会談における融和の演出を高く評価していて、前向きな流れを引き継ぎたい思惑があるものとみられます。

 そのうえで、トランプ氏は「どの国も開催したがっている。大きなイベントになる可能性があるからだ」とも語っていて、米朝首脳会談を大々的なイベントとして誇示したい考えもにじませています。

/////

イスラエル首相、イランの「極秘核開発」を“暴露”

 イスラエルのネタニヤフ首相は30日、緊急の記者会見を行い、イランが「極秘の“核開発”を進めている」として、画像資料などを示しながら明らかにしました。

 「イランは厚かましくも『核兵器開発計画などない』とウソをついた。イランの核合意はウソの上に成り立っている」(イスラエル ネタニヤフ首相)

 ネタニヤフ首相は、2017年にイランが核兵器開発に関する5万ページを超す極秘の資料を隠すため、テヘランの民家のような施設に移したと、独自に入手した写真で説明。イラン東部の核実験が行われる可能性のある5か所の地図や、中距離弾道ミサイル「シャハブ3」の弾頭のデザイン画を示した上で、イランが核弾頭搭載可能なミサイル開発を続けていると指摘しました。

 ネタニヤフ首相は、こうした「極秘の核開発計画」の存在から、2015年のイラン核合意はウソの上に成り立っていると述べ、今回の情報をアメリカとも共有していると強調しました。

 トランプ大統領がイラン核合意を批判する中、合意の行方にも影響を与えそうです。
/////
マレーシア、「フェイクニュース」で有罪判決

 マレーシアの裁判所は、パレスチナ人の男性が先月、射殺された事件を巡り、事実に基づかない「フェイクニュース」を広めたとして、デンマーク国籍の男に有罪判決を言い渡しました。

 マレーシアでは、フェイクニュース対策法が先月、施行されていて、適用されたのは初めてです。AP通信などによりますと、マレーシアの首都クアラルンプールの裁判所は先月30日、「フェイクニュース」を悪意を持って広めたとして、デンマーク国籍のサラムサレム被告(46)に禁錮1週間、罰金およそ28万円の有罪判決を言い渡しました。

 サラムサレム被告は、クアラルンプールで先月21日、パレスチナ人の男性がバイクに乗った2人組の男から銃撃を受け殺害された事件を巡って、「何回も電話したが警察や救急車の到着が1時間も掛かった」などと主張する動画を投稿していました。一方、警察は「8分で到着した」と反論し、「事実に基づかない情報を流した」などとして、サラムサレム被告を先月23日に拘束していました。

 マレーシアでは先月11日にフェイクニュース対策法が施行されていて、適用されるのは今回が初めてです。
/////

「徴用工像」設置めぐり混乱、韓国・釜山の日本総領事館前

 韓国・釜山(プサン)の日本総領事館そばで、日本の植民地支配時代に動員された徴用工の像を設置しようとする団体が警官隊と対立しています。

 「時刻は午前0時を回っています。こちらの徴用工の像を日本総領事館前に置こうとする団体と、それを阻止しようとする警官隊がにらみ合いになっていて、辺りは異様な雰囲気に包まれています」(記者)

 釜山の労働者団体は5月1日のメーデーに合わせて、日本総領事館前に徴用工像を設置すると決めました。

 これに対し、韓国政府は日韓関係の悪化を懸念して、反対の立場を表明。団体側は、不意をついて深夜に設置を強行しようとしましたが、警官隊に阻止され、こう着状態が続いています。

 像の設置には、日本政府が強く反発しており、日韓関係に大きな影響を与えるのは避けられません。
/////
安保理視察団 スー・チー氏と会談、ロヒンギャ問題解決促す?

 国連の安全保障理事会の視察団が先月30日、ミャンマーの首都ネピドーを訪れ、アウン・サン・スー・チー国家顧問と会談しました。「ロヒンギャ」をめぐる問題の早期解決を促したものとみられます。

 国連安保理の視察団は現地時間の先月30日午後2時半ごろ、ネピドーの空港に到着し、外務省でスー・チー国家顧問と会談しました。会談の内容は明らかにされていませんが、イスラム教徒の少数民族ロヒンギャの問題について意見を交わした模様です。

 国連は、ミャンマー軍などによるロヒンギャへの迫害を批判していて、この日の会談で隣国バングラデシュに逃れているおよそ70万人のロヒンギャ難民の速やかな帰還のほか、問題解決に向けた積極的な取り組みをスー・チー氏に強く促したとみられます。

 視察団は5月1日、ロヒンギャの武装集団と治安当局との衝突の舞台となった西部ラカイン州を訪問する予定です。

/////

日・UAE会談、“幅広い協力関係”を確認

 中東諸国を訪問中の安倍総理は最初の訪問国、UAE=アラブ首長国連邦でエネルギー分野のほか、防衛や最先端技術などの幅広い分野での協力関係を確認しました。

 「海上油田権益の更新で、エネルギー分野における両国関係は、この上なく強固なものとなっています」(安倍首相)

 安倍総理は日・UAE経済フォーラムで挨拶し、日本企業が保有する海上油田の権益が延長されたことに謝意を示したうえで、さらに関係を強化したい考えを示しました。

 また、ムハンマド皇太子との会談では、「石油依存」からの脱却を進めるUAEと、防衛や教育、最先端技術などの幅広い分野でも協力を推進することを確認しました。
/////