岡山 日本遺産に「桃太郎伝説」認定 / 「北前船寄港地」を追加認定


地域に根付く文化や伝統の物語性を認定する「日本遺産」に、岡山・倉敷・総社・赤磐の4市が申請した物語が選ばれました。
認定されたのは、子どもから大人までが知る「桃太郎伝説」にまつわる物語です。

日本遺産には、全国で13のストーリーが新たに認定され、岡山からは「桃太郎伝説の生まれたまち」が選ばれました。
東京で開かれた式典には、岡山・倉敷・総社・赤磐4市の市長が出席し、代表して、岡山市の大森市長に文化庁から認定証が渡されました。
吉備の平野を見下ろすように立つ古代の山城、総社市の鬼ノ城です。
伝説の中では「温羅」と呼ばれる巨大な鬼が住んでいたとされています。
鬼ノ城近くには、温羅が生贄を茹でたとされる鬼の釜も残されています。
桃太郎のモデルになったといわれる吉備津彦命が祀られた、岡山市北区の吉備津神社です。
命が温羅との戦いの際に矢を置いたと伝えられる、矢置岩の周りでは毎年1月「矢立の神事」が今も行われています。
命と温羅が放った矢は何度もぶつかり合い、ついに命の矢が温羅の左目を射抜きます。
温羅の目からは血が噴き出して川のように流れたといわれ、今もその名が残されています。
正午、岡山市役所に懸垂幕が掲げられ日本遺産の認定を祝いました。
街でも喜びの声が聞かれます。
古代吉備の強さを物語るかつての王たちの墓も、日本遺産の物語を構成する文化財です。
弥生時代後期に築かれた楯築遺跡は、伝説では吉備津彦命が温羅との戦いで使った楯の跡と伝えられています。
戦いに敗れた温羅の首は、吉備津神社の御竈殿の地下に埋められたと言われ、釜から出る音で吉か凶かを占う鳴釜神事は今も続いています。
さらに、桃太郎が犬・サル・雉を従える際に与えたとされる「きびだんご」や、鬼が恐れるという岡山の桃も日本遺産になりました。
桃太郎の伝説に関わる古代吉備の文化財の数々が、改めて注目されています。

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「北前船寄港地」を追加認定

追加認定です。
倉敷市下津井の北前船に関する文化財も日本遺産になりました。

江戸時代、北海道や東北、北陸から瀬戸内海を通って大坂や江戸に向かう西廻り航路を通った北前船です。
追加認定されたのは、倉敷市の下津井や玉島の文化財です。
北前船で財を成した荻野家の邸宅や、綿花、ニシン粕の取引で繁栄した下津井の町並み、また、船頭たちによって広まり歌い継がれてきた下津井節など10件です。
倉敷市では、地域の活性化に大いに活用したいと話しています。

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岡山 倉敷市「日本遺産」三つ目認定


 全国最多タイとなる三つ目の「日本遺産」認定を受けた倉敷市。新たに真備、庄地区から遺跡などが選出され、市全域に構成文化財が広がった。24日に市役所で祝賀セレモニーが開かれ、関係者が観光促進に向けた活用や、保存活動への決意を口にした。 セレモニーは市役所1階市民ホールであり、まちづくりに取り組む住民団体、商工会議所などの約150人が出席。二つのくす玉を割り、この日の「桃太郎伝説」と「北前船」に関する地域のストーリー認定を祝った。 出席者は次々と喜びを語った。「倉敷が『日本遺産のまち』となった」と声を弾ませたのは、「箭田大塚古墳」(同市真備町箭田)のある箭田地区まちづくり推進協議会の山口敦志会長(75)。「認定を励みに、各地区が魅力を一層磨いていけば、市全体の活力が増す」と言う。 「楯築遺跡」(同市矢部)を顕彰する庄学区地域活動促進協議会の小林紀代美会長(69)は「認定による知名度アップで、訪れる人の増加が期待できる。とはいえ、トイレや駐車場の整備は十分とは言えず、受け入れ態勢の構築が欠かせない」と指摘した。 児島、玉島地区は、昨年認定された繊維産業にまつわるストーリーに続き2例目。NPO法人・鷲羽山の景観を考える会の楠本新太郎理事長(68)は「市沿岸部での綿花栽培は、北前船が運んだニシンかすを肥料としており、二つの日本遺産は関係が深い。相乗効果が期待できる」と力を込めた。 江戸後期に創業した玉島味噌(みそ)醤油(しょうゆ)(同市玉島阿賀崎)の中野旬一専務(48)は「玉島地区に広がる、水運業で栄えた趣のある古い町並みが、開発などで失われつつある。認定でその価値がより多くの人に知れ渡れば、保存の気運が高まる」と期待を示した。

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岡山の「桃太郎伝説」が日本遺産に認定  桃やきびだんごも構成要件


文化財をPRし、地域の活性化につなげます。岡山県に残る「桃太郎伝説」が日本遺産に認定されました。

(記者)
「日本遺産に認定されたのは岡山県民なら誰もが知る桃太郎伝説です。桃太郎のブランド力で岡山を発信します」

 文化庁は、地域に残る有形・無形の文化財をつなげて、その地の歴史や魅力を伝える「ストーリー」を日本遺産に認定しています。

 今年は、岡山市、倉敷市、総社市、赤磐市の4市が申請した「桃太郎伝説」など13件が認定されました。

 岡山県では、吉備津彦神社にまつられている、吉備津彦命が温羅と呼ばれる鬼を退治したという伝説が、昔話「桃太郎」の原型になったとされています。

 認定された「桃太郎伝説」では、神社や遺跡のほか、桃やきびだんごが構成要素になっています。

 認定を受けて、岡山市役所には懸垂幕が掲げられました。

 4市は、今年度から3年間、国の補助金を活用してホームページでの情報発信や観光客向けの看板整備などに取り組む予定です。

(岡山市産業観光局/赤坂隆 局長)
「岡山だけでなく、広域的な観光にもつなげていきたいと思っておりますし、情報発信をいろんな形で国内外に向けてやっていきたい」

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「桃太郎伝説」新たな日本遺産


 文化庁は24日、地域の有形、無形の文化財群にまつわるストーリーを認定する「日本遺産」として、岡山、倉敷、総社、赤磐市の「『桃太郎伝説』の生まれたまち おかやま〜古代吉備の遺産が誘(いざな)う鬼退治の物語〜」など13件を2018年度新たに選んだ。 過去の認定分の一部で構成文化財などの内容変更も行った。江戸、明治期の海運を担った「北前船」で繁栄した11自治体が17年度に認定を受けた「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間〜北前船寄港地・船主集落〜」では、倉敷、尾道、呉市など27自治体の追加が認められた。 「桃太郎伝説」は、吉備津彦命(きびつひこのみこと)が鬼神・温羅(うら)を退治したという伝承のゆかりの地が中心。総社市の鬼城山(きのじょうさん)をはじめ、岡山市の吉備津彦神社や吉備津神社、倉敷市の楯築遺跡、赤磐市の両宮山(りょうぐうざん)古墳など関係する史跡・遺跡のほか、桃やきびだんごも盛り込んだ。誰もが知る昔話と地域の歴史的背景を結び付け、分かりやすく国内外への発信が期待できる点が評価された。 「北前船」は17年度認定分と追加の計38自治体で推進協議会をつくり、拡大を目指していた。東日本中心だった対象地域は西日本まで広がり、「航路を考えるとストーリーはより完成に近づいた」と評された。 この日、東京都内で認定証交付式があり、「桃太郎伝説」の4市長に宮田亮平文化庁長官から認定証が手渡された。 日本遺産は地域振興を目的に15年度に創設。18年度は76件の申請から、有識者でつくる審査委員会が選考した。認定件数は今回で43道府県の計67件に増え、文化庁によると、岡山県は5件で、福山市の「瀬戸の夕凪(ゆうなぎ)が包む 国内随一の近世港町〜セピア色の港町に日常が溶け込む鞆の浦〜」が新たに選ばれた広島、兵庫と並んで全国最多となった。 笠岡市などの「どっすん!石の島」、美作市などの「国境の秘境で生まれた異能集団の技と文化」、瀬戸内市などの「鋼と炎の芸術『日本刀』の聖地」、総社市などの「赤米風土記」は認定されなかった。 政府は、東京五輪・パラリンピックが開かれる20年までに100件程度まで増やす。

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