岡山 <植樹活動>枯れたネパール、緑で救う 鏡野・山田養蜂場が社会貢献、20年目 世界遺産の寺院に「森」再生



 蜜蜂製品の製造・販売会社「山田養蜂場」(鏡野町)が社会貢献の一環として続けているネパールでの植樹が今年、20年目を迎えた。家畜の餌や燃料確保のため森林が伐採された荒れ地に、同社の社員が現地の人たちと協力して植樹。世界遺産のヒンズー教寺院での植樹は5年計画の最終年となり、緑豊かな「鎮守の森」が再生した。

 植樹のきっかけは、1998年にネパールで開かれた「アジア養蜂会議」。山田英生社長が出席し、同国では森林が大量に伐採され、大規模な土砂崩れの原因にもなっていると知った。

 翌99年、小学校や農村などで植樹が始まった。場所は、山田社長の知り合いのネパール人の仲介で選定。当初の樹種は、現地の人たちの求めに応じ、かんきつ類などの果実や香辛料として販売できたり、家畜の餌になったりするものが多かったという。

 その後、岡山出身で植物生態学者の宮脇昭・横浜国立大名誉教授と、弟子の藤原一絵・同大名誉教授の指導を受け、その土地本来の樹種を植える「潜在自然植生」という方式を導入した。首都カトマンズ近郊では、2014年からヒンズー教寺院としてネパール最古という世界遺産のチャングナラヤン寺院の森の再生に取り組んでいる。今年は7月7日に植樹ツアーで社員らが現地を訪れ、シイやヒメツバキなど2700本の広葉樹を植え、ネパール政府や日本大使館などの関係者も出席し式典が開かれるという。

 同社文化広報室マネジャーの李強(りちゃん)さん(36)は社内の植樹活動担当だ。出身は中国だが横浜国大に留学。藤原教授の教え子で、入社前から植樹活動に関わってきた。事前に土壌を調査し、適した樹種を選定するなど植樹・育成プログラムの作成や、現地の人との折衝をしている。李さんは「植樹後の下草刈りや水やりなどは現地の人が管理する。こちらの指示通りにしてもらえないこともあったが、根気強く付き合ってきた」と振り返る。

 同社は中国・広東省の鉱石採掘場の跡地や砂漠化が進む内モンゴル自治区などでも植樹を続けており、これまでの植樹数は計200万本を超える。李さんは「植樹を続けるのは大変だが、森林が再生していくのを見るとうれしいし、現地の人たちに感謝されると喜びを感じる。今後は環境保全を担える人材育成にも力を入れたい」と話す。

 ◇社外から参加可

 植樹ツアーでは、現地の人との交流イベントや観光もあり、社外の人も参加できる。問い合わせは同社文化広報室(0868・54・1906)。