岡山県警  スペアタイヤ落下で死亡事故  津山 親子2人が死亡 (実況見分 広島県呉市の運送会社「ムロオ」の松江営業所) <中国道タイヤ事故>数学教師の夢絶たれ 岡山大(教育学部)の同級生悲痛



昨年10月、津山市の中国自動車道で、落ちていたタイヤに車2台が乗り上げ、親子2人が死亡した事故で、岡山県警は、22日夜、2度目の実況見分を行いました。

実況見分は22日夜9時半から、中国道上り、落合と院庄の間を通行止めにして行われました。

昨年10月の事故を再現し、落ちていたタイヤが後続の車からどう見えたかなどを確認したということです。

警察は、これまでの調べで広島県呉市の運送会社「ムロオ」の松江営業所の大型トラックがスペアタイヤを落としたと特定しています。

このタイヤに後続の軽乗用車が乗り上げ、乗っていた母親と娘が路肩に避難したところ、同じタイヤを避けようとして横転したトレーラーにはねられ死亡しました。

警察は、ムロオに過失があるとみて、捜査を続けています。

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 トレーラー横転の原因「落ちていたタイヤ」、法的責任はどうなる?<中国道死亡事故>/ <中国道タイヤ事故>数学教師の夢絶たれ 岡山大(教育学部)の同級生悲痛

トレーラー横転の原因「落ちていたタイヤ」、法的責任はどうなる?<中国道死亡事故>

岡山県津山市の中国自動車道で10月18日、大型トレーラーが横転して、路肩にいた広島市の女性(49)と岡山市の長女(21)がはねられて亡くなる事故が起きた。

報道によると、亡くなった2人は、高速道路上に落ちていたタイヤに乗り上げて車が動かなくなっていたため避難していた。大型トレーラーは、同じタイヤに乗り上げて横転した。

タイヤは直径約1メートル、幅30センチほどで、トラックなどに使われる大型のタイプだった。警察は、トラックなどにつけられていたスペアタイヤの可能性があるとして捜査しているという。

高速道路での落とし物(落下物)は年間30万件以上発生している。今回のように事故の原因になると思われるが、高速道路上で落とし物をした場合、法的にどんな責任を負うのか。また、その結果、事故を引き起こした場合、どうなるのだろうか。秋山直人弁護士に聞いた。

●高速道路上に物を転落させた場合の責任
「高速道路を走行するとき、運転者は、自動車に積載している物を転落させたり、飛散させたりしないよう、防止措置を講じなければならないとされています(道路交通法75条の10)。

高速道路にスペアタイヤを落下させたとなれば、積載物の転落防止措置義務に違反したとして、罰則の適用を受けることになるでしょう。

罰則は、故意(わざと)に転落防止措置義務に違反して、その結果として、積載物を転落させた場合、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金となります。

過失(うっかりなど)による場合は、10万円以下の罰金です(道路交通法119条1項12の3号、同条2項)。

さらに、運転中に必要な注意を怠って高速道路上にスペアタイヤを落下させてしまったことで、後続車がスペアタイヤに乗り上げて事故にあい、人が死傷した場合、過失運転致死傷罪が成立する可能性が高いです。

この場合、刑事罰は7年以下の懲役・禁固または100万円以下の罰金です」

●民事上も責任を問われる
それでは、民事上はどうなるのだろうか。

「民事上も、高速道路を運転中、スペアタイヤを落下させることは、不法行為(民法709条)になりますから、それによって生じた死亡、傷害、車両損傷などの損害について、運転者には、被害者に対する損賠責任が生じます。

車の所有者にも、自動車損害賠償保障法3条の責任(運行供用者責任・無過失でも負う責任)が生じます。

一方で、後続車にも、前方を注視し、制限速度を順守しながら走行して、仮に落下物があっても衝突を避けられるように安全運転をすべき義務があると考えられます。

そのため、後続車にも過失があったとして、『過失相殺』で損害額の一部が自己責任となる可能性があります」

今回のケースも「過失相殺」があるのだろうか。

「大型トレーラーの物損(車両損傷)については、大型トレーラー側の過失で、『過失相殺』される可能性があります。

しかし、避難していた親子がこうむった人損(生命・身体の損害)が、路肩に避難していたという過失によって、『過失相殺』されるということは考えにくいと思います」

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<中国道タイヤ事故>数学教師の夢絶たれ 岡山大(教育学部)の同級生悲痛


 岡山県津山市の中国自動車道で、大型トレーラーが路上に落ちていたタイヤに乗り上げて横転し、親子2人が巻き込まれて死亡した事故で、亡くなった岡山大教育学部4年、中村亜美さん(21)=岡山市北区=は、来春から中学校教諭として県内で働くことが決まった直後だった。友人らは「あみちゃんは、いつもみんなを引っ張ってくれる存在だった。亡くなったなんて信じたくない」と突然訪れた悲しみを語った。

 友人らによると、亜美さんは中学時代の恩師に憧れて教師を目指し、学内では同じく教職を志す仲間に勉強会の開催を提案するなどリーダーシップがあった。7月の教員採用試験直前には、キャンパスで友人と午前9時ごろから約12時間の試験勉強をするなど、夢に向かって一直線だった。今月6日、岡山県の試験に合格。来春から念願の数学教諭になることがかなったばかりだった。

 性格は明るくお酒も強かったといい、「飲み会ではいつもみんなを優しく介抱してくれた」(同級生)。テニスサークルにも所属し、中国・四国地方での大会ダブルスで優勝するほどの腕前だった。飲食店や塾講師のアルバイトも掛け持ちし、不登校の子供たちを支援する非常勤講師のアルバイトも週1、2回していた。「何にでも頑張り、全力投球だった」と友人は振り返る。

 あの日、亜美さんはいつも通り授業に出席していた。「岡山駅までお母さんを迎えに行って、鳥取にいる妹に会ってくる」。笑顔でキャンパスを飛び出して行ったのが最後となった。亜美さんはその後、母親の歯科技工士、美香さん(49)=広島市安芸区=と合流。軽乗用車に乗り、中国道を利用して鳥取に向かう途中で事故に遭ったとみられる。

 同大4年の中村鴻志(こうじ)さん(21)=岡山市北区=は、友人からの一報で事故を知った。信じられなかったが、テレビのニュースに映る壊れた軽乗用車は亜美さんのものだった。「みんなで遊びに出掛ける時に出してくれた車で、青ざめた。この夏も車で一緒にバーベキューに出掛けたのに……」と言葉を失った。

 中村さんは「名字が同じなので4年間ずっと出席番号が前後し、一緒にいるのが当たり前の存在だった。言葉が見つからない」と唇をかみ、「見ててよ、あみちゃん。あみちゃんの分も僕が立派な先生になるから」と、思いを募らせた。

 【ことば】岡山タイヤ落下2人死亡事故

 18日午後8時15分ごろ、岡山県津山市の中国自動車道上り線で、路肩にいた親子2人が、路上のタイヤに乗り上げて横転した大型トレーラー(約20トン)にはねられ死亡した。親子の乗った軽乗用車も事故直前に同じタイヤに衝突して走行不能になり、親子は路肩に避難して110番をし助けを求めている最中だった。タイヤは直径約1メートルで、大型トラックのスペア用や積載物だとみられている。県警は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)などの容疑を視野に捜査している。


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