国際情勢 輸入車関税引き上げ、日本政府「米国経済に深刻なダメージ」/ 朝鮮半島の鉄道


 アメリカのトランプ政権が検討している輸入車に対する関税の引き上げについて、日本政府は「アメリカ自身の経済に深刻なダメージをもたらす」などと反対するコメントを発表しました。

 日本政府はコメントの中で、「日本の自動車関連企業はアメリカで150万人以上の雇用を生み出している」と主張。また、関税が25%に引き上げられた場合、「アメリカ内で62万4000人が失業する可能性がある」という調査結果を引用し、「アメリカ自身の経済に深刻なダメージをもたらす」と結論づけています。

 日本政府の中では、11月のアメリカの中間選挙の前にトランプ大統領が輸入車の関税引き上げに踏み切るとの懸念が広がっていて、コメントを発表することでアメリカ側をけん制する狙いがあるとみられます。

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メリーランド州の新聞社銃撃、周到に計画か

 アメリカ東部メリーランド州で起きた新聞社を狙った銃撃事件で、容疑者の男が現場の出口をふさぐなど周到に計画して犯行に及んだ疑いがあることがわかりました。

 この事件は28日、メリーランド州アナポリスの新聞社「キャピタル・ガゼット」で、ジャロッド・ラモス容疑者(38)が散弾銃を乱射し、記者を含む5人を殺害したものです。

 検察官の発表によりますと、ラモス容疑者は、現場の2つの出入り口のうち裏口を事前にふさいだうえで、正面の入り口から歩きながら銃を乱射し、ふさがれた裏口から逃げようとした人も銃撃していたということです。

 こうした状況から警察も「容疑者は1人でも多く殺害しようとしていた」として、周到に計画された犯行との見方を示しています。

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ナイジェリアでタンクローリー横転・炎上、9人死亡

 ナイジェリアで28日、走行中のタンクローリーが横転、周りの54台の車も巻き込んで炎上し、9人が死亡しました。

 炎に包まれた多数の車。黒い煙が立ち上っています。ナイジェリア最大の都市ラゴスで28日、高速道路を走行中の石油を積んだタンクローリーが横転し炎上しました。

 「(タンクローリーが)横転したと思ったら、すぐに燃え始めたんだ」(事故の目撃者)

 炎は道路上に流れ出た石油に引火し、後ろを走っていたトラックなどあわせて54台に燃え移りました。この事故で9人が死亡、4人がけがをしました。

 地元当局はタンクローリーについて、ブレーキが利かずに横転したとみています。

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バリ島のアグン山噴火、国際空港一時閉鎖

 インドネシア・バリ島のアグン山が28日に再び噴火しました。現地の国際空港は一時閉鎖されましたが、現在は運航が再開されています。

 バリ島東部にあるアグン山は、去年11月以降続いた火山活動が今年に入り沈静化していましたが、28日に再び噴火しました。噴煙の高さは火口から2500メートルの高さに達し、火山灰も噴出しました。

 付近の住人300人が今回の噴火で避難。インドネシア国家災害対策庁は火山灰による飛行機への悪影響を避けるため、噴火の翌日からデンパサールにあるバリ国際空港の一時閉鎖を決定しました

 その後、風向きが変わったため、12時間後に運航は再開されています。しかし航空会社は、当面、噴煙の様子を見ながらの運航を余儀なくされ、夏休み本番を前に観光業への影響が懸念されます。

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朝鮮半島の鉄道

 北朝鮮が川向こうに見渡せる韓国の烏頭山(オドゥサン)統一展望台。韓国高速鉄道(KTX)の大型模型が展示され、車体に英語で「ソウル発平壌経由パリ行き」と記されている▼朝鮮半島と欧州が地続きであることを改めて思い起こさせる。南北統一のあかつきにはソウルからフランスのパリを鉄路で結ぼう、走るのはもちろん韓国の新幹線KTX-。模型は人々のそんな思いの象徴だろう▼パリへの第一歩となるのか。韓国と北朝鮮が鉄道連結に向けた調査や研究で合意した。南北の共同調査団を結成し、技術的な協議を進めるという▼これより前、中国やロシア、北朝鮮と東欧諸国でつくる「鉄道国際協力機構」が韓国の加盟を認めた。いつも反対していた北朝鮮が賛成に回った。韓国はアジアや欧州の鉄道網に参加できるようになった。南北の鉄路連結の前提は整っているといえる▼文在寅(ムンジェイン)政権は、半島の西側線で中国、東側でロシアと結び、巨大経済帯を構想している。北朝鮮への経済制裁が解除されれば、技術研究ではなく、本格的な鉄路の整備が始まるのではないか▼島国の住民にとっては、国境を列車で越えるのは憧れの旅の一つだ。お隣の国から新たに始まるなら、ぜひ行ってみたい。それがいつになるのかはまだ分からないけれど、待つ価値はありそうだ。
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