岡山 <カブトムシ>角の長さ中途半端、半端ない!? 雌雄型、羽化 倉敷の小学生飼育


  雄と雌の特徴を兼ね備えた珍しい雌雄型のカブトムシが、倉敷市に住む小学生の兄弟が育てているカブトムシの中から見つかった。この小学生が普通のカブトムシと異なることに気付き、同市立自然史博物館に持ち込んで雌雄型と判明したという。今後、同博物館に標本として展示される予定だ。

 発見された雌雄型カブトムシは体長47ミリ。主に体の左半分が雄、右半分が雌の特徴を持っている。頭部の角は雄とも雌ともつかない中途半端な長さで、左右非対称。6本の脚のうち左3本は細長い雄らしさを持っているが、右3本は太く短い雌の特徴を有している。

 飼育しているのは、倉敷市に住む小学6年の遠藤尊(たける)さん(11)と、小学2年の翔(かける)さん(7)の兄弟。2016年に近所の男性から幼虫10匹を譲り受けたのをきっかけにカブトムシを育て始めた。その成虫が産んだ卵が成長し、先月末から今月にかけて約90匹が羽化。その中に角が曲がったカブトムシがいるのに尊さんと母智恵子さん(42)が気付いた。インターネットで検索したが、雌雄型なのか羽化に失敗したのかがよく分からず、以前にも訪れたことのあった同市立自然史博物館に持ち込み、雌雄型と判明した。

 カブトムシは、土を入れた三つの衣装ケースの中で兄弟が大事に育ててきた。今年は智恵子さんも水やりなどを手伝った。兄弟は16年以前にもカブトムシを飼育したことがあったが、約90匹もの羽化に成功したのは初めてだったという。尊さんは「(雌雄型は)珍しいからうれしい。みんなに見てもらいたい」と照れくさそうに語った。

 同市立自然史博物館によると、雌雄型のカブトムシは10万〜20万匹に1匹との文献もある。同博物館が所有する昆虫の標本約51万匹のうち、雌雄型はわずか6匹だけだ。見つかったカブトムシは尊さんらが飼育した後、博物館に寄贈するという。