豪雨の岡山県内各地で救出劇
岡山 真備 ヘリ救助

  活発な梅雨前線による豪雨被害が拡大した7日、岡山県では各地で、行方不明者や孤立した住民らの救出劇が繰り広げられた。 高梁市落合町近似で7日未明、土砂崩れが発生。家屋が倒壊して女性(93)が行方不明になった。高梁市消防本部、市消防団、高梁署などの約60人が重機の用意ができた正午から捜索。つぶれた家屋から家具や土砂を運び出した。住民らは心配そうに見守り、「夜中にごう音がして外を見ると、土砂が流れていた。(女性が)家に取り残されていると聞き、心配で駆け付けた」と近所の男性(77)。 寝ていた場所にあったとみられる衣装ケースが見つかったとき、奥から声。壁を壊すと崩れた天井の下、80センチほどの隙間に女性がおり、「生存者発見、要救助者発見」と叫ぶ声が響いた。女性に目立った外傷はなく、意識もしっかりしているといい、消防団員の男性(46)は「土砂崩れから半日以上たっていたので体調が心配だった。無事を祈るみんなの思いが届いた」と喜んだ。 6日から7日にかけ、冠水や土砂崩れで国道や県道の最大約40カ所が通行止めとなった矢掛町。浸水した住宅地に約20人が取り残され、井原地区消防組合などがボートで救助した。妻と家の2階で夜を明かした地元の会社員男性(43)は「水位が少しずつ上がってきて不安だった。ボートで助けにきてもらい、ほっとした」。 6日深夜、総社市日羽の孤立した住民を救助するため、市消防本部の隊員3人が冠水した道路にボートを出したところ、高梁川まで流されて転覆、濁流に飲まれた。 約1時間後、2人は約10キロ下流で救助された。残る1人の行方が分からないままだったが、7日昼すぎ、さらに約3キロ下流の中州で発見。県防災ヘリでつり上げられ、医療機関に搬送された。3人とも健康状態に問題ないという。

岡山 真備 救出劇

岡山 真備 自衛隊 救助

岡山 真備駅


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2018岡山豪雨ドキュメント


 【6日】16時30分 岡山県が災害対策本部を設置18・20  笠岡市で24時間雨量が167・0ミリと観測史上最多を記録19・40  井原、高梁、新見、真庭、津山、美作、吉備中央、鏡野、美咲、奈義、西粟倉の11市町村に大雨特別警報を発令21・35  岡山、総社、笠岡、新庄の4市村に大雨特別警報22・30ごろ 井原市西江原町で家屋に土砂が流入。7日に住人女性の死亡を確認22・40  玉野、倉敷、浅口、早島、里庄、矢掛、久米南、勝央の8市町に大雨特別警報23・00ごろ  総社市のJR伯備線日羽駅周辺で、冠水した国道180号に17人が取り残され、2人が行方不明23・10  瀬戸内市に大雨特別警報23・11  伊原木隆太知事が自衛隊に災害派遣要請23・35  総社市の朝日アルミ産業の工場が爆発。火災が発生し周辺民家など3棟全焼。付近住民ら十数人軽傷 

【7日】4時30分ごろ 笠岡市のヒルタ工業に土砂が流入。従業員6人が生き埋めとなって1人が死亡、1人が行方不明5・00 岡山市東区で砂川の決壊を確認6・52 倉敷市真備町地区の小田川で堤防決壊を確認7・00 岡山市北区で旭川の決壊を確認11・00 県庁内に災害医療本部と災害派遣医療チーム(DMAT)を立ち上げ12・09 県消防防災ヘリ・きびが、浸水した倉敷市真備地区へ出動15・10 県内の大雨特別警報解除
岡山 真備 自衛隊 救出

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堤防決壊で浸水の真備町 徹夜で救助活動
岡山 倉敷 洪水00

倉敷市真備町 ハザードマップ


岡山 河川 情報 水位

活発な梅雨前線による記録的な大雨で、西日本を中心に土砂災害などの被害が拡大している。

小田川の堤防が決壊した岡山県倉敷市真備町。倉敷市によると、浸水した真備町の地域にはおよそ2万3000人が住んでいるとみられている。岡山県に出されていた大雨特別警報は7日午後に解除されたが、氾濫した川の水位はなかなか下がらず、一刻も早い救出を願う住民の声は強まっている。

これまでに390人が救出されたが、まだ何人が取り残されているか倉敷市では把握できていない。

ヘリコプターによる救助は夜間は中断されるが、ボートによる救助は夜通し行うという。
岡山 岡南空港 


岡山 真備 水陸


倉敷市での緊急消防援助隊愛知県隊の活動は続いています。

 報道でご覧の方もいるでしょうが、まび記念病院では東京消防庁が活動しています。

 また、真備上空では、奈良県、大分県、熊本県の防災ヘリも活動しています。

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岡山 真備 病院で約200人孤立 電気水道も使えず

広い範囲が水につかっている岡山県倉敷市真備町の「まび記念病院」の看護師に電話で話を聞くことができました。看護師は「患者や避難してきた人など200人を超す人がいるが電気や水道が止まり、飲み物や食べ物も不足して困っている」と話しています。

「まび記念病院」は、1階部分を含めて周辺の広い範囲が水につかり、およそ80人の患者に加えて近くから避難してきた人などが取り残されています。

この病院の渡邉広美副看護部長に7日夜、電話で話を聞くことができました。

渡邉副看護部長は「薬は足りていて、取り残された人の中に体調を崩している人はいない。しかし0歳の乳児から80歳を超えるお年寄りまで200人を超える人が病院にいる中で、電気や水道などのライフラインが止まっている」と話しています。

また物資を届ける倉敷市のボートが病院の近くまで来たもののがれきに阻まれたということです。

渡邉副看護部長は「病院には患者や避難してきた人など多くの人がいるが、飲み物や食べ物が不足して困っている」と話しています。
岡山 真備 夜 救出

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消防士、濁流にのまれる…住民ら2階や屋根へ


 岡山県内では、河川の氾濫などが相次いだ。

 総社市日羽の国道180号では6日夜、通行止めの作業をしていた建設会社の警備員10人のうち2人が、増水した 高梁 たかはし川に流された。消防によると、2人の安否は不明という。

 総社市美袋では、救助作業に向かっていた消防士3人の乗ったボートが6日夜に濁流にのまれ、高梁川に流された。3人は7日昼までに救助された。

 高梁市のJR備中広瀬駅近くでは高梁川の氾濫で、14人が民家に取り残された。同市落合町阿部のコンビニでも、屋根などに住民らが避難。いずれも7日午後までに自衛隊員らに助け出された。

 高梁市落合町福地の特別養護老人ホームは1階全体が浸水し、利用者ら約90人が一時、2階に避難した。

 井原市西江原町では民家に土砂が流れ込み、女性1人が死亡。笠岡市茂平では、自動車部品工場「ヒルタ工業」に土砂が流入した。消防によると、男性6人が巻き込まれ、このうち2人が死亡した。

 倉敷市真備町では7日、多くの住民が自宅の2階や屋根上に避難。自衛隊が午後1時25分に救助を開始するまで、不安な時間を過ごした。

 真備町有井の会社員の男性(36)は午前9時頃、自宅1階に水が入ってきたため家族5人で2階に逃げ、119番で助けを求めた。午後2時30分頃、自衛隊のボートが到着。「6日夜からスマートフォンで警報が何度も鳴ったが、まさかこれほどの雨が降ると思わなかった」と疲れ切った表情で話した。

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町の27%浸水 岡山 倉敷 真備町「川に挟まれ 水抜けにくい」


広い範囲が浸水している岡山県倉敷市真備町の現場の映像を分析した、河川の災害に詳しい東京理科大学の二瓶泰雄教授は、浸水した地域は、南北に流れる「高梁川」と東西に流れる「小田川」の2つの川に挟まれた周辺より低い場所だと指摘しました。さらに、浸水している地域では、2つの川の堤防に囲まれているため、一度浸水すると水が抜けにくく、長時間浸水が続いているうえに浸水の深さも深くなっていると分析しています。

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工場土砂崩れで生き埋め2人死亡

 岡山県や各消防によると7日午前4時半ごろ、笠岡市茂平、自動車部品メーカー「ヒルタ工業」の本社工場に土砂が流入し、作業員6人が生き埋めになった。笠岡地区消防組合などが救助に当たったが、57歳と43歳の男性従業員の死亡が確認された。 工場は24時間操業で、当時は夜勤の従業員60人が駆動系部品などを製造しており、6人は1グループで作業していた。7日未明に土砂や倒木が流れ込み、機械設備が押し倒されて板金部品や備品が地面に散乱した。 妹尾さんは入社以来、本社工場一筋。昼田真三会長(66)は「高卒で私が採用した人。早く見つかってほしい」と無事を信じて待ったものの、夕方に心肺停止の状態で見つかった。命に別状がなかった4人とともに、妹尾さんに先駆けて見つかった柚木さんについては「まじめで信頼できる人物だった」と言葉を詰まらせた。 井原市西江原町でも6日夜、民家に土砂が流入して住人の40代女性の行方が分からなくなった。消防、自衛隊などが重機を使って捜索。7日夕、女性の遺体が見つかり、井原署が身元を確認している。近くの会社役員男性(50)は「雷のようなごう音が聞こえた。こんなことは初めてで本当に恐ろしい」と話した。

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<豪雨>床上浸水、30分で肩の高さに 岡山・倉敷

 岡山県倉敷市では小田川左岸の堤防が決壊し、真備(まび)町地区(約8900世帯)の4分の1程度の面積が水没した。市役所支所が浸水や停電で機能せず、被害状況の把握が困難になった。7日午後7時半までに屋根上に取り残された人ら約450人をボートやヘリで救助。県外からも応援に入った消防や自衛隊による救助活動は夜を徹し、24時間態勢で続けられる。

 同地区の女性会社員(44)は「床下に水が来てから、すごいスピードで水がたまった」と振り返る。自宅床上に浸水したのは7日午前6時。その30分後には肩くらいの高さに。平屋建てで、逃げる場所がなく、肩まで水につかって震えが止まらなかった。外れたクローゼットの扉をボート代わりにし、体が不自由な母親(70)を乗せ、引っ張りながら必死に泳いだ。

 何とか隣家の車庫にたどり着き、隣人に引っ張り上げてもらって隣人宅の2階へ。そこで待機し、自衛隊のボートに救助された。「恐ろしかった。死を覚悟した」と漏らす母親の隣で、女性は「助かった」と一安心した様子を見せた。

 宮嶋玲奈さん(16)は午前8時ごろ、祖母(84)に自宅前のマンホールから下水が噴き出していることを知らされた。急いで荷造りをしたが、20分ほどで玄関に水が入ってきた。「パニックだった」と振り返る。

 太ももまで水につかりながら、事前に土手に移動させていた車に急いだ。足の不自由な祖母は父親(59)が担いでいった。近くの避難所は水につかっていたため、道に迷いながらも約7キロ離れた地区外の避難所に逃げ込んだ。「大切なものが全て水の中に沈んでしまい、絶望感しかない」と話した。

 地区内にある「まび記念病院」も浸水し、取り残された患者や職員らの救出活動が続けられた。

 6日夜から体育館などで避難所設営に携わった住人で市議の守屋弘志さん(63)は「1000人以上が避難してスペースもほとんどない状態。飲み物もほとんどなく、体調を崩す高齢者もいる。まさか短時間で住宅の2階まで浸水するとは思わなかった」と話した。

 倉敷市災害対策本部によると、小田川は1級河川・高梁川の支流で、一部の河床が周辺の平地より高い「天井川」。合流先の高梁川が増水していると水が抜けにくく、1960年以降に5回の洪水を起こした。7日夕に会見した伊東香織市長は「複数の大きな河川の急激な水位上昇により、大きな災害になった。堤防決壊などで浸水域が広くなり、救助を求める人に近づくのが困難だった」と話した。

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岡山 倉敷 老人ホーム150人冠水で孤立 「食料必要」の要請

岡山県倉敷市によりますと、倉敷市真備町にある老人ホームが周囲が水につかって孤立しおよそ150人が取り残されていて「食べ物が不足している。調理しなくても食べられるおにぎりやパンがほしい」という要請があったということです。

倉敷市によりますと、倉敷市真備町川辺のにある老人ホーム、「シルバーマンションひまわり」が周囲が水につかって孤立しおよそ150人が施設内に取り残されていて、今も救助を待っているということです。

市が施設の担当者と連絡を取ったところ「食べ物が不足していて調理しなくても食べられるおにぎりやパンなどがほしい」という要請があったということです。市でどのように施設に食べ物を運ぶか検討しています。
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深刻被害に「まさかここまで」


 記録的大雨による被害を受け、山陽新聞倉敷販売(倉敷市白楽町)は7日、同市内の避難所に山陽新聞夕刊を配布した。情報が入りにくい避難者は、紙面で状況を確認し、深刻な被害に「まさかここまでとは」と言葉を詰まらせた。 広範囲が浸水した同市真備町地区の写真に「岡山大雨 甚大被害」の見出しを添え、記事と共に総社、高梁市など県内各地の土砂崩れや水没の様子を写真で報じている。 避難所になっている新田中(倉敷市新田)や葦高小(同市笹沖)など市内中心部の4小中学校に配布。新田中に避難していた同市の女性(77)は「災害が少ないといわれた岡山でこんなことが起きるなんて」と見入っていた。

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岡山15市町村に災害救助法適用

 内閣府によると、岡山県は7日までに岡山市など15市町村に災害救助法の適用を決めた。同法の適用は鳥取、広島、高知3県を含め計22市町村となった。

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2015 0915


倉敷市洪水・土砂災害ハザードマップ (平成28年8月作成、平成29年2月更新)

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