国際情勢 金正恩氏、拉致調査“再説明”を指示か / トランプ大統領が初の訪英、“反対”の声渦巻く中 / 米・EU首脳、貿易問題めぐり25日に協議



 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)党委員長が、日本人拉致被害者について調査した結果を日本側に再説明するよう指示したという情報があることがわかりました。

 これは、韓国の拉致被害家族会の崔成龍(チェ・ソンヨン)代表が入手した情報で、先月の米朝首脳会談のあとに、金党委員長が拉致被害者についての調査結果を日本側に再説明するよう指示したということです。

 拉致被害者をめぐって北朝鮮は2014年に特別調査委員会を設置し、再調査を行うと約束しましたが、その後の日朝関係の悪化で中止しました。北朝鮮側は、調査結果をすでに非公式に日本に伝えたという立場ですが、日本側は説明は受けていないとしているため、金党委員長が「最終的な調査結果」として説明するよう指示したということです。

 情報を明らかにした崔成龍氏は、「日朝首脳会談を行うには拉致問題の解決が前提なので、金党委員長がこうした指示を出したのではないか」と話しています。

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トランプ大統領、金正恩氏からの手紙公開も・・・

 アメリカのトランプ大統領はツイッターで、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)党委員長からの感謝などがつづられた6日付けの手紙を公開しました。しかし、非核化については触れられていません。

 金党委員長は署名入りの手紙で、「新しい未来を切り開こうとする私と大統領の強い意志が結実すると固く信じている」と首脳会談を評価。そのうえで、「大統領への不変の信頼が具体的な行動で強化されることを願っている」としてアメリカの行動を促しつつ、次の首脳会談への意欲も示しています。

 非核化に触れた部分はないものの、トランプ氏は「とてもいい手紙だ。大きく進展している」とアピールしています。

 こうしたなか、首脳会談で合意された朝鮮戦争時の米兵の遺骨返還をめぐり、12日にも行われる予定だった実務者協議が実施されなかったことが明らかになりました。

 韓国メディアは、北朝鮮側が会場だった南北軍事境界線上の板門店(パンムンジョム)に現れず、連絡もなかったため、アメリカ側はおよそ4時間待機したと伝えています。その後、アメリカ国務省は「北朝鮮が15日の協議を求めてきて、応じる用意がある」と発表しましたが、北朝鮮による揺さぶりが続いています。


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トランプ大統領が初の訪英、“反対”の声渦巻く中

 アメリカのトランプ大統領は、就任後初めてイギリスを訪れました。一方、各地では、この訪問に反対するデモが行われています。

 トランプ大統領がイギリスを訪問するのは就任後初めてで、13日にはメイ首相との会談で、EU離脱後のイギリスとの同盟関係の強化などについて話し合う予定です。

 「宿泊先からトランプ大統領を乗せたヘリコプターが飛び立ちました。集まった人たち、大きな声と音で抗議の意思を示しています」(記者)

 メイ首相は去年、トランプ氏に国賓としての訪問を打診しましたが、イギリスでは、差別的な言動を繰り返すトランプ氏への反発が根強く、ようやく実現した今回の訪問も、国賓ではなく実務的な訪問となりました。

 「トランプ大統領はアメリカが移民のおかげで発展してきたことを無視して、反移民的な人種差別主義政策を進め、対立をあおっているんです」(デモ参加者)

 トランプ氏はエリザベス女王と面会しますが、世論調査では49%の人がこれに反対していて、13日には国会前でトランプ氏の赤ちゃん姿のバルーンが飛ばされるなど、さまざまな抗議活動が計画されています。

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米・EU首脳、貿易問題めぐり25日に協議

 アメリカのトランプ大統領はベルギーで行った会見で、今月25日にEUと貿易問題をめぐり協議を行うと明らかにしました。

 「EUは貿易面で我々にいい扱いをしていないが、それは変わるだろう。彼らは7月25日に私と交渉を始めるためにやってくるので、見てみよう」(アメリカ トランプ大統領)

 アメリカのトランプ大統領は訪問先のベルギーで行った会見でこのように述べ、今月25日にEUと貿易問題をめぐり協議を行うと明らかにしました。その上で、「もし、彼らが誠実に交渉しないなら、我々の国に入ってくる何百万台の自動車について対処することになる」と述べ、EUから輸入する自動車に高い関税をかけることを示唆しました。

 先月のG7サミットでは、アメリカの貿易に関する姿勢に各国が反発し、EUのユンケル欧州委員長がトランプ大統領と話し合うためアメリカを訪れる考えを示していました。
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深刻化する中国の人権問題

 中国の民主活動家でノーベル平和賞も受賞した劉暁波氏は、長い刑務所生活の末、1年前に病死しました。そして、妻の劉霞さんも当局の監視のもと、およそ8年にわたって自宅で軟禁状態に置かれていましたが、今月10日、受け入れ先のドイツに到着しました。

 ひとまず自由を手にした劉霞さん。しかし、中国国内では習近平政権のもと、言論・思想を統制する動きがますます強まっています。

 「これが最後に会った時です。3年前になります」(王全璋さんの妻 李文足さん)

 2015年初夏、寝台列車の中で撮られた1枚の写真。李文足さんの夫・王全璋さんは、宗教弾圧などを扱う人権派弁護士として中国各地を飛び回っていました。その出張に2歳の息子とついて行ったのが、家族での最後の時間となりました。

 「この写真を見るたびにつらくなります。こうなると分かっていたら、別れる時、抱きしめていたのに」(王全璋さんの妻 李文足さん)

 3年前の7月9日に中国各地で人権派弁護士や活動家が一斉に身柄を拘束された、いわゆる「709の大拘束」。一時的なものも含めると300人以上が拘束され、およそ10人が“国家政権転覆の罪”などで有罪となりました。王全璋弁護士はただ一人、いまだに裁判さえ行われておらず、安否を心配する声が高まっています。

 「3年間、情報ゼロ。全く情報がないです。7人の弁護士を雇いましたが、ひとりも彼に会えていないです」(王全璋さんの妻 李文足さん)

 今年4月、李文足さんは、北京から夫が拘留されている天津までおよそ120キロを歩いて訴えていたところを当局に拘束されました。連れ戻された北京市内の自宅を訪ねると、支援者や警察、近隣住民が集まって騒然としていました。

 「こんなに取り囲まれていたら、出てこられないじゃない」(支援者)

 見上げると、ベランダに李さんの姿が見えました。自宅軟禁状態に置かれていたのです。その様子を取材しようと近寄った私たちの車は、たちまち住民たちに取り囲まれました。

 「日本人が中国で何をやっているんだ」

 実は、家を囲んでいた住民の多くが当局の手先となって、李さんが家から出ないよう見張っていたのです。

 「私の夫は一般市民を代弁する良い人間なのに、探しに行くのも許されないの?」

 「全面的な法律に基づいた統治は、中国の特色的な社会主義にとって欠かせないものだ」(習近平国家主席)

 法治国家の重要性をうたう習近平国家主席。しかし、最近では多くの人権派弁護士が一方的に弁護士資格を剥奪されるなど、異論を許さない空気は強まるばかりです。

 「3年たつのに、弁護士にも家族にも面会させない。最も基本的な権利のはずなのに、どこが法治国家だと言うんでしょう」(王全璋さんの妻 李文足さん)

 政府ににらまれ、社会からも冷たい目を向けられた彼女が頼れるのは、それでも支えてくれる仲間たち、そして、国際社会の目です。今年5月に中国を訪問したドイツのメルケル首相。李文足さんらとの面会を果たし、李克強首相からは「人権問題で対話する」という異例の発言を引き出しました。

 5歳になった息子の泉泉くん。優しい性格がお父さんにそっくりだといいます。

 「すごくパパに会いたい。僕のママは最後に会った日の写真を見るたびに、すごく悲しくなっちゃうんだ」(泉泉くん)

 李さんは、息子が父親のことを忘れないために、今も毎日のように話して聞かせています。

 「当局は3年間、あらゆる手段を使って抑圧してきましたが、私たちはまだ屈服していません」(王全璋さんの妻 李文足さん)
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国連人道問題調整室長、金永南氏と会談

 北朝鮮の食糧事情などを視察するため、9日から北朝鮮を訪れていた国連人道問題調整室の室長が、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長と会談しました。

 OCHA=国連人道問題調整室のローコック室長は9日から北朝鮮を訪れ、平壌(ピョンヤン)の子ども向け食料品工場などを視察しました。

 「(北朝鮮における)人道支援の主な課題は栄養失調、病院での衛生的な水や薬の供給です」(国連人道問題調整室 ローコック室長)

 北朝鮮の朝鮮中央テレビは、ローコック室長が11日、北朝鮮の金永南最高人民会議常任委員長と会談したことを報じました。ローコック室長は12日、4日間の日程を終え、出国しました。

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「ジャポニスム2018」がパリで開幕

 日本とフランスの交流160年を記念した文化イベント「ジャポニスム2018」が、パリで開幕しました。

 「ジャポニスム2018」は、日仏修好通商条約締結から160年になるのを記念して開かれるもので、開会式には、西日本の豪雨被害での対応で出席を見合わせた安倍総理に代わって河野外務大臣が出席しました。

 「フランスと日本の間には、実に独特な心と心で結ばれた文化の長い歴史があります」(河野太郎外相)

 今後、およそ8か月間にわたって、伊藤若冲、琳派など日本の美術、芸術の展覧会のほか、歌舞伎、現代演劇などの舞台公演がフランス各地およそ100の会場で行われます。

 日本政府は今回のジャポニスムを今世紀最大の文化事業と位置づけていますが、フランスのフランソワーズ・ニセン文化大臣は、マクロン大統領が20211年にも日本でフランスの文化事業を検討していることを明らかにしました。
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