国際情勢 米、パレスチナ難民支援への拠出中止を発表 / 韓国が北朝鮮に特使派遣、首脳会談について協議


 アメリカ国務省のナウアート報道官は、国連によるパレスチナ難民への人道支援活動に対する資金の拠出を中止すると発表しました。

 アメリカのナウアート報道官は31日、声明を発表し、国連のパレスチナ難民救済事業機関・UNRWAへの拠出を中止すると表明しました。

 ナウアート氏は、UNRWAについて「受益者が拡大し続け、持続不可能だ」と指摘する一方、アメリカの拠出中止による影響に懸念を示し、新たな援助のモデルについて国連や関係者との対話を強化するとしています。

 アメリカによる拠出金はUNRWAの予算全体のおよそ3割を占めていましたが、トランプ政権は今年1月にも拠出予定額のおよそ半額を凍結する措置をとっていました。

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NAFTA米加交渉不調、来週に持ち越し

 アメリカがNAFTA=北米自由貿易協定の再交渉の期限に設定していた31日までにカナダとの協議がまとまらず、来週に持ち越されることになりました。

 NAFTA再交渉で、アメリカは今週初め、メキシコと大筋合意に達し、これにカナダが合流できるかが焦点でした。しかし、アメリカとカナダは31日まで4日間の閣僚級協議で合意できず、協議を来週に持ち越すと発表。アメリカが求める乳製品の関税引き下げなどへのカナダの抵抗が要因とみられるなか、トランプ政権はメキシコだけとの合意の発効に向け連邦議会との手続きに入りました。

 トランプ大統領は「譲歩しなければカナダ産の自動車に高い関税をかける」と威嚇していますが、カナダも「国益が最優先だ」として安易な譲歩はしない方針で、厳しい局面が続きそうです。

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来週にも米の制裁第3弾発動か、中国政府「圧力は通用しない」

 米中の貿易摩擦で、アメリカのトランプ大統領が来週にも中国への制裁の第3弾を発動するとの観測に、中国政府は「圧力は通用しない」と牽制しました。

 「米国の強硬に圧力をかけるやり方は中国には通用せず、問題解決の役に立たない」(中国外務省 華春瑩報道官)

 中国外務省の華春瑩報道官は31日の定例会見で、アメリカのトランプ大統領が22兆円分の中国製品への追加関税を課す制裁の第3弾を来週にも発動する意向だと報じられたことについて、「中国に圧力は通用しない。問題解決の役に立たない」と述べました。

 「中国が威嚇に屈すると思う人は、早く目を覚まして欲しい」とした上で、「対等で信頼出来る話し合いを通じて、問題を解決したい」と述べ、アメリカ側との対話を通じて解決を目指す姿勢をあらためて示しました。


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EU委員長、サマータイム廃止の方針を表明

 EUのユンケル委員長は、大多数の市民が廃止を支持しているとして、サマータイムを廃止する方針を表明しました。

 EU=欧州連合のユンケル委員長は31日、ドイツ公共放送のインタビューで、「80%以上の市民が夏時間と冬時間の切り替えを廃止すべきだと考えている」として、サマータイムを廃止する方針を表明しました。欧州委員会が7月から行ったオンライン調査では、回答した460万人のうち、およそ8割の人がいまのサマータイムの「廃止」を求めていました。

 ユンケル委員長は、多くの人が時間を切り替えず夏時間のままにすることを望んでいるとして、現在の夏時間を年間通じて採用するべきだとの考えを示しています。今後、欧州議会とEU加盟国からの承認が必要ですが、長年サマータイムが定着していたヨーロッパの制度が変わる可能性があります。

 サマータイムをめぐっては、日本が東京オリンピックの暑さ対策の一環で導入を検討しています。

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安倍首相が中国公式訪問、日中間で大筋合意

 安倍総理が10月に中国を公式訪問することで、日中の間で大筋で合意したことが、JNNの取材でわかりました。日本政府としては、関係改善をさらに進め、習近平国家主席の訪日につなげたい考えです。

 日中外交筋によりますと、首脳会談は日中平和友好条約発効から40周年となる10月23日を軸に検討されているということで、今月の自民党総裁選の結果を受け、最終的な日程調整が行われることになります。

 安倍総理は北京以外に地方都市を訪問する意向で、今年で改革・解放40年の節目を迎える経済特区の深センや、習主席が脱貧困に力を入れる貴州省などが候補に上がっています。

 「次回の首脳会談までに、具体的な成果が出せるよう作業を進めていきたい」(麻生太郎財務相)

 こうした中、北京では31日、「日中財務対話」が行われ、金融危機の際に互いの通貨を供給する「通貨交換協定」の再開を速やかに進めることで合意しました。また、「保護主義はどの国の利益にもならず、ルールに基づいた多国間貿易を推進していく」との合意文書をまとめました。アメリカとの貿易摩擦が激化する中、中国は“保護主義への対抗”で日本との連携を強化する構えです。
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日中財務対話、通貨スワップ再開で合意

 日中の財政当局が金融問題などを話し合う「日中財務対話」が北京で開かれ、金融危機の際に互いの通貨を供給する「通貨交換協定」の再開を速やかに進めることで合意しました。

 「次回の首脳会談までに、具体的な成果が出せるよう作業を進めていきたい」(麻生太郎財務相)

 財務対話の冒頭、麻生財務大臣は、10月に予定されている安倍総理の訪中までに金融協力で成果を出す考えを強調しました。

 金融危機の際に互いの通貨を供給できる「通貨交換協定」は関係が悪化した5年前に失効し、今回は最終決定に向けた詰めの作業が行われました。

 「一国主義、保護主義がますますエスカレートしている」(中国 劉昆財政相)

 一方、中国の劉昆財政相は、アメリカを念頭に保護主義を批判。日中は「保護主義はどの国の利益にもならず、ルールに基づいた多国間貿易を推進していく」との合意文書をまとめ、保護主義に対抗する姿勢を鮮明にしました。
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韓国が北朝鮮に特使派遣、首脳会談について協議

 北朝鮮の平壌(ピョンヤン)で9月に開催される予定の南北首脳会談について協議するため、韓国の大統領府は9月5日に北朝鮮に特使を派遣すると発表しました。

 「北朝鮮側がきょう午後になって、特使を受け入れると回答してきた」(韓国大統領府の緊急会見)

 韓国大統領府は31日午後4時半すぎから緊急会見を開き、文在寅(ムンジェイン)大統領の特使を、9月5日に北朝鮮の平壌に派遣すると発表しました。

 韓国大統領府によりますと、特使の派遣は31日の午前中に韓国側が提案。午後になって、北朝鮮が受け入れると伝えてきたということです。今年9月に開催することで合意している南北首脳会談を、「緊密で濃密な」ものにするために特使の派遣が必要だと判断したということで、北朝鮮側と「非核化」や「南北関係」などについて協議する予定です。

 一方で、特使の人選や南北首脳会談の日程はまだ発表されていません。

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