【岡山から伝えたい】浸水に爆発、それでも死者ゼロだった地区 地域守った「自主防」

「晴れの国」と呼ばれ、雨による自然災害が少ない場所と思われていた岡山県。7月に起きた西日本豪雨はその岡山にも深刻な被害をもたらした。生命と財産の危機が迫る状況の中、人々は何を考え、どう行動したのか。浸水被害と工場爆発という二重の被害を受けたにも関わらず、死者が出なかった総社市下原地区について、地元テレビ局のKSB瀬戸内海放送が伝える。


雨が降っていた時の総社市下原の新本川の様子。川から水があふれ始めている=7月7日午前2時20分
3日間降り続けた「観測史上最大レベル」の雨
 
 西日本豪雨の発生原因となったのは、6月29日に日本の南海上で発生した台風7号だった。台風による国内の被害はそれほど大きいものではなかったが、この低気圧から伸びた梅雨前線が大災害を引き起こした。岡山県内では7月5日から7日までの3日間、県内全域で「観測史上最大レベル」の雨が降り続けた。


倉敷市真備町と総社市下原地区の位置
64人の死者・行方不明者、深刻な住宅被害
 
  記録的な豪雨によって、一級河川の高梁川や小田川、その支流などの堤防が決壊。市街地へと水が流れ込んだ。県内でもっとも大きな被害を出した倉敷市で52人の死者(うち、真備町が51人)、岡山市でも2人が亡くなった。

 県内全域の人的被害は死者61人で、いまも行方不明の方が3人。4482棟が全壊(9月13日現在)するなど住宅への被害も深刻で、多くの人が避難所や仮設住宅などに身を寄せている。


工場爆発による爆風で被害を受けた総社市下原地区の住宅=7月10日
浸水に工場爆発、それでも死者ゼロだった地区
 
 地区を流れる川の堤防が次々と決壊し、街の4分の1が水に浸かった倉敷市真備町。そのすぐ北側に隣接する総社市下原地区は、浸水被害と工場爆発という二重の被害を受けた。住宅地のすぐそばにあったアルミリサイクル工場内に水が流れ込んだことで爆発が起き、爆風で周辺の建物が壊れ、多くの住民がけがを負った。

 現場から数十キロ離れた場所でも衝撃を感じたほどの大きな爆発。規模からすれば死者が出てもおかしくない大事故だったが、死者や重傷者は「ゼロ」。大惨事を避けることができた背景には、東日本大震災をきっかけに作られた自主防災組織の存在があったという。


自主防災組織の川田一馬さん
地域守った「自主防災組織」
 
 「ここは16軒くらい(班長が)全部1軒ずつ回って、回ったところはチェック入れていって誰もおらんいうのを確認して次に行くと」。そう話すのは、下原地区の自主防災組織の副本部長を務める川田一馬(69)さん。この地区は豪雨災害が起きる前から防災活動に熱心で、定期的に避難訓練などをしていたという。

 総社市に大雨特別警報が出された7月6日夜、川田さんや地元住民は集会所に集まって避難方法を協議していた。それから間もなくして工場が爆発。川田さんをはじめ自主防災組織の担当者たちは安否確認表を手に、地区の住民およそ300人に避難所へ行くよう手分けして呼びかけた。

 「二次被害があるから避難するように言われて、もう逃げました」と下原地区の住民は当時を振り返る。「おかげさんで、だから亡くなった人がいなくてよかったです」。


「活動をしてなかったらと思うと恐ろしい」
 
 爆発から2時間以内に住民の9割が避難。車が使えない住民には総社市と連絡を取って車6台を手配した。そして翌日の午前4時ごろには全員の避難を確認した。「行政、我々住民、その他もろもろがうまい具合に動いた、機能したと。もし我々が自主防の活動をしてなかったらどうじゃったかなと思うと恐ろしい」と川田さんは言う。


岡山大学大学院の氏原岳人准教授
専門家が語る『共助』のチカラ
 「自助でも公助でもない。最終的には『共助』でないともうできない」「特に単身の高齢者の方とかあるいは高齢者のみの夫婦の方、そういういわゆる災害弱者と呼ばれるような方が犠牲になっている」。

 都市計画が専門で、災害時の避難行動についても調査・研究している岡山大学大学院准教授の氏原岳人(うじはら・たけひと)さんは、今回の西日本豪雨での犠牲者の傾向をそう分析し、災害弱者を救うためには「共助」が重要だと指摘する。では、共助を始めるために必要なものとは?

 「地域の中でいうと自主防災組織。その地域の中で災害弱者と呼ばれるような方の情報を整理し、その情報を地域の中で把握、共有していくことが重要になってくる」。


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岡山のダム大量放流が間際で回避 西日本豪雨で浸水拡大した恐れ  (やはり 岡山市の水没の可能性もあった)

西日本豪雨 真備町での浸水を再現 東京理科大の二瓶泰雄教授提供


岡山 倉敷は百年に1回の大雨 西日本豪雨で分析! (あなたの街の「ハザードマップ」と地域の「ハザード意識」の向上を! 次は、岡山市の水没! の可能性もある。 )


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2015 0915


倉敷市洪水・土砂災害ハザードマップ (平成28年8月作成、平成29年2月更新)

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