クイーンが岡山に! 伝説ライブの記憶 75年、当時の「ヤング」が振り返る

 映画「ボヘミアン・ラプソディ」に描かれて人気再来の英国のロックグループ・クイーン。初来日の1975年、岡山市北区の運動公園内にあった県体育館にも彼らのサウンドが響きわたっていた―。日本武道館(東京)を皮切りに神戸国際会館、九電記念体育館(福岡)など全国7会場8公演を行ったツアーのうち、岡山は中四国地方唯一の開催地。43年前の4月28日午後6時半に開演した「伝説の岡山公演」とは―。


クイーンの岡山公演があった今はなき岡山県体育館

◇女性ファン多く
 クイーンは、71年に誕生、73年にレコードデビューした。リードボーカルのフレディ・マーキュリー、リードギターのブライアン・メイ、ベースギターのジョン・ディーコン、ドラムスのロジャー・テイラーの4人のメンバーの長髪、耽美的なルックスと、ヘビーなギターサウンドに流麗な4声のコーラスを組み合わせた音楽性で、日本の少女たちを中心にブームになった。

 当時の本紙夕刊の岡山公演案内記事でも「『キラー・クイーン』などが大ヒットして、世界中のヤングから注目されている」と紹介している。

 「居づらく感じるほど館内は女性が多いのに驚いた。岡山に来てくれただけでも感激。ギターが好きだったのでフレディよりブライアンばかり見ていた。音が他のバンドとは違いました」と話すのは、ロック好きで当時高校1年だった岡山市内の歯科医難波一司さん(59)。

 3枚目のアルバム「シアー・ハート・アタック」に感動して難波さんに同行した本紙編集委員室の岡山一郎室長(58)は「みんなパイプ椅子の上に立って盛り上がっていた」と振り返る。


映画「ボヘミアン・ラプソディ」の一場面
◇「プロセッション」から
 公演を機に熱烈なファンになった「ヤング」もいる。当時高校3年でロックファンの同級生4人に誘われて総社市から来たデザイナー高原茂彦さん(60)=岡山市=には初のロックコンサートだった。

 スモークがたかれた舞台に光が当たってメンバー4人が登場、「プロセッション」から演奏が始まったという。「総立ちの人々の間からちらちらとフレディが見える程度でしたが、頭が真っ白で何も覚えていないほどの強烈な体験。友人たちの顔が見たことがない輝きを見せていたのは忘れられません」。



◇コーラスに圧倒
 中学3年の時、音楽好きの兄に連れられて来たのは、レコードが聴ける「ショットバー・スタイラス」(同市北区表町)のマスター永友政博さん(58)だ。記憶は「演奏でガラスがびりびり振動していたこと」ぐらいだが、2人とも、これを機にアルバムを待ち焦がれるファンに。クイーンの魅力は「他のロックグループに比べメロディーとコーラスがとにかくきれいなところ」と2人。

 クイーンは大好評を得たこの来日後に映画の題名にもなった名曲「ボヘミアン・ラプソディ」を発表した。永友さんは79年の日本武道館公演にも駆けつけている。