混迷の30年   (少子化対策が「無策」だった30年 それが 平成30年間 )


  2018年が暮れる。そして平成時代が終わろうとしている。
 恒例の今年の漢字は「災」だったが、平成の30年間を漢字1文字で表すとしても、やはり「災」になるのではないか。
 阪神・淡路大震災や東日本大震災をはじめ、大きな災害が相次いだ。豪雨や台風、猛暑にも見舞われた今年は象徴的な1年だった。
 巨大地震の多発は私たちの社会観、人生観も変えたのではないか。「安心・安全」が叫ばれ、行政の予算は防災が最優先になった。ボランティアや助け合いの精神が広がったことも見逃せない。

 「災害に強く」道半ば
 だが、日本が災害に強くなったかと問われると心もとない。大阪の地震ではブロック塀の痛ましい事故が起き、身近に危険が残っていることを浮き彫りにした。
 平成最悪の犠牲者を出した西日本豪雨では、住民への避難情報の伝達が課題となり、地域に防災対策が十分浸透しているのかが改めて問われた。
 東京電力福島第1原発事故は発生から7年を経過したが、収束していない。帰還困難区域では避難指示が続いている。
 異常気象が予期せぬ災害を引き起こしている。パリ協定の共通ルールが決まり、温室効果ガス排出削減の取り組み強化が求められる。南海トラフ地震への備えも必要だ。多くの課題が新しい時代に持ち越される。
 「災」は「人災」でもある。
 平成の国内政治は「政治改革」のかけ声ととともに幕を開けた。それが選挙制度改革につながり、緊張感のある二大政党制を目指して小選挙区制が導入された。
 政権交代は何度かあったが、30年たって「政治が良くなった」と実感する有権者は果たしてどれくらいいるだろう。
 今年は安倍晋三自民党総裁が3選を果たした。通算の首相在任期間は歴代最長をうかがう。支持率は安定しているが「ほかに適当な人がいない」という消極的な理由が最多となっている。
 安倍氏は10月の臨時国会の所信表明で「長さゆえの慢心はないか。国民の懸念にもしっかりと向き合う」と述べた。
 だが働き方改革関連法や改正入管難民法など、十分な議論のないまま重要な法律が成立した。昨年から持ち越した森友・加計問題はうやむやになっている。
 公文書の改ざんなど民主国家ではあり得ないような問題も相次いだ。モラルの危機が社会にどんな悪影響を及ぼしているか心配だ。
 今日の政治状況をもたらした元凶に、選挙制度改革の「失敗」を挙げる声は多い。改革の原点を見つめ直すべきではないか。

 見えてこない将来図
 12年12月から続く景気拡大期間は、戦後最長も射程圏内に入る。だが賃上げは進まず、高度成長期のように多くの人が好況を実感することはなくなった。
 少子高齢化が進み、とりわけ地方の衰退は深刻だ。それなのに、描かれるべき日本の将来図がなかなか見えてこない。
 一方で世界は大きく変わった。
 よく言われるが、平成の始まりと冷戦時代の終焉(しゅうえん)がほぼ重なったのは不思議な歴史のあやを感じる。ベルリンの壁崩壊の映像に新時代への期待が膨らんだ。
 だが30年後の国際社会は予想もしない混迷の中にある。グローバル経済とインターネットに覆い尽くされ、格差と分断が広がり、その「反動」ともいえる大衆迎合主義(ポピュリズム)やナショナリズムが噴出した。
 特に今年は、米国と中国の覇権争いがいよいよ本格化した1年だった。トランプ米大統領の自国第一主義にほんろうされ、従来の多国間枠組みの多くは機能不全に陥っている。
 欧州連合(EU)をリードしたドイツのメルケル首相は退陣の見通しだ。フランスはデモに揺れ、英国のEU離脱は混乱を極める。うまくいっている国は一つもないとの印象だ。

 世界から注目集まる
 そんな中で日本の存在感はあまりにも小さかった。
 来年は20カ国・地域(G20)首脳会合が大阪で開かれる。初の議長国を務める日本に世界の注目が集まることになる。さらに20年に東京五輪・パラリンピック、25年に大阪万博が控える。
 平成時代を通して五輪での日本選手の活躍や、ノーベル賞の受賞が相次ぐなど明るい話もたくさんあったことを思い起こす。
 今年のノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑(ほんじょたすく)さんは、基礎研究の大切さを訴えた。次代につなげなくてはならない。
 気になるのは五輪や万博の開催を冷静に受け止める人が結構いることだ。そこに日本社会の成熟をみることはできないだろうか。
 今年はセクハラやパワハラが問題視されるニュースが多かった。性的少数者への理解も急速に進んでいるように見える。
 多様な個の尊重こそが社会を切り開く力になる―混迷の30年から次の一歩を踏み出すために、そのことを胸に刻みたい。

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サザンが大トリ、平成最後「紅白歌合戦」41・5% (復帰した北島三郎(82)が「まつり」を熱唱。他にも松任谷由実(64)やテレビで生歌唱するのは初めての米津玄師(27)が登場)



 昨年大みそかに放送された「第69回NHK紅白歌合戦」の第2部(午後9時)の平均視聴率が関東地区で41・5%(関西地区40・5%)だったことが2日、ビデオリサーチの調べで分かった。前年は39・4%(関西地区39・6%)だった。

41・5%は紅白歌合戦が89年に2部制になって以来、11年の41・6%に次ぐ23番目の数字。

第2部は、いいねダンスで大人から子供まで人気を得たDA PUMPからスタートし、昨年11月に活動を再開したばかりのいきものがかりが続き注目を集めた。その後も企画コーナーの出演という形だが、5年ぶりに紅白のステージに復帰した北島三郎(82)が「まつり」を熱唱。他にも松任谷由実(64)やテレビで生歌唱するのは初めての米津玄師(27)が登場。最後は4年ぶりに紅白だが、中継ではなく会場の東京・NHKホールで歌うのは35年ぶりとなるサザンオールスターズが究極の大トリを務め、他の出場者、司会者、会場の観客が一体となって盛り上げて平成最後の紅白歌合戦を締めくくった。

また、第1部(午後7時15分)は37・7%(関西地区35・2%)だった。前年は関東地区は35・8%(33・2%)だった。

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