国際情勢 米朝首脳会談“決裂”、米国内では賛否両論 / 米朝首脳会談 大々的に報道も、北朝鮮メディア“合意なし”に触れず/ 韓国「三・一独立運動」100周年、外務省が渡航者に注意喚起

 

 ベトナム・ハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談が事実上、決裂したことについて、アメリカ国内ではトランプ大統領の判断を支持する声があがる一方で、外交能力に疑問を呈する論評も出るなど、賛否が入り混じっています。

 「北朝鮮は非核化する前に制裁の解除を求めていました。大統領が協議の席を立ったのは喜ばしいことです」(ペロシ下院議長)

 野党・民主党のペロシ下院議長は、「2回も直接会わないと金正恩(キム・ジョンウン)氏と認識に差があることがわからなかったのでしょうか」と皮肉を交えながらも、トランプ大統領の判断を支持しました。

 また、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「このような結果も交渉の過程では必要だが、もし事前の事務レベルの協議がしっかりなされていれば、もっと良い結果だっただろう」との専門家の見方を紹介しました。

 一方、ワシントンポスト紙は、「ハノイでの首脳会談は、トランプ氏を不動産王に押し上げたカリスマ性や勝負師としての才能が外交問題の領域では通用しないということを印象付けた」と、トランプ氏の外交手腕に疑問符をつけました。

 また、ニューヨークタイムズ紙も社説で、「首脳会談が失敗だったということをごまかすことはできない。非核化は双方が協議を重ね、一歩ずつ前進しないと達成できない」などと論じています。

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米朝首脳会談 大々的に報道も、北朝鮮メディア“合意なし”に触れず

 2回目の米朝首脳会談について、北朝鮮の国営メディアは1日朝、両首脳が「新たな再会を約束した」などと報じましたが、合意に至らなかったことについては触れませんでした。

 朝鮮労働党の機関紙・労働新聞は1日朝、金正恩(キム・ジョンウン)党委員長とトランプ大統領との2日目の会談について写真付きで大々的に報じました。

 「最高指導者(金党委員長)は、トランプ大統領が遠路はるばる来られ、今回の再会と会談の成果のために積極的な努力を傾けたことに謝意を表され、新しい再会を約束されながら、別れの挨拶を交わされました」 (朝鮮中央テレビ 午前9時すぎ放送)

 また、朝鮮中央テレビは、両首脳が「朝米関係改善の新たな時代を切り開いていくうえでの諸問題について、建設的かつ虚心坦懐な意見交換を行った」と報道。さらに、「朝鮮半島の非核化と朝米関係の画期的な発展のため、今後も緊密に連携し、対話を引き続き行う」としたうえで、「新たな再会を約束した」とさらなる首脳会談の可能性も伝えています。

 ただ、両首脳が合意に至らなかったことについては触れませんでした。
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韓国「三・一独立運動」100周年、外務省が渡航者に注意喚起

 「独立運動」100周年を迎える中、韓国への渡航者に外務省が注意喚起です。

 韓国では3月1日、日本の植民地支配に抵抗し、朝鮮半島で起きた「三・一独立運動」から100周年にあたり、デモや集会がソウルや釜山(プサン)などで予定されています。

 このため外務省は、旅行などで韓国へ渡航する人や滞在中の日本人に対し、安全を呼びかける「スポット情報」を出していて、デモなどが行われている場所には近づかず、慎重に行動するよう注意を呼びかけています。
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ベネズエラ情勢で安保理会合、米ロの決議案 いずれも否決

 政情不安が続く南米ベネズエラの情勢に関する国連の安全保障理事会の会合が開かれ、野党側を支持するアメリカと大統領支持のロシアによる決議案が、いずれも否決されました。

 ベネズエラでは野党側のグアイド国会議長が暫定大統領への就任を宣言し、アメリカなどの支持を受ける一方、ロシアなどが反米左翼のマドゥロ大統領を支持する構図となっています。アメリカは国連安保理に提出した決議案でマドゥロ大統領が再選された選挙が「自由でも公正でもなかった」として、公正な選挙の実施の手続きなどを求めています。さらに、マドゥロ大統領がアメリカなどからの人道支援物資の受け入れを阻止したことに対し、「深い懸念」を表明しました。

 一方のロシアは、決議案でベネズエラに対する武力行使の脅迫や内政干渉の試みなどに懸念を表明しています。

 先月28日、安保理で採決が行われた結果、アメリカの決議案には9か国が賛成したものの、常任理事国のロシアと中国が拒否権を発動し、否決されました。また、ロシアの決議案は、4か国の賛成にとどまり、こちらも否決されました。
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米GDP 2.6%増、去年10~12月

 アメリカの去年10月から12月期の実質GDP=国内総生産が前の期に比べて2.6%の増加と、やや減速しました。

 アメリカ商務省が先月28日発表した去年10月から12月期のGDPの速報値で、物価の変動を除いた実質は年率換算で前の期に比べて2.6%の増加でした。

 GDPの7割を占める「個人消費」が株価の下落や政府機関の一部閉鎖の影響で2.8%の増加にとどまったことや、中国との貿易摩擦で「輸出」が1.6%のプラスと低い水準だったことから、前の期よりも減速しました。

 2018年の1年を通した実質GDPは前の年よりも2.9%の増加と2015年以来の水準でしたが、トランプ政権が掲げる3%成長には届きませんでした。

 世界経済の成長に減速傾向がみられる中、米中の貿易摩擦の長期化もあって、アメリカの景気先行きへの懸念が強まっています。
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1月の有効求人倍率1.63倍、前月と同じ

 厚生労働省が公表した1月の有効求人倍率は前の月と同じ1.63倍でした。

 仕事を求めている人、1人あたりに何人の求人があるかを示す有効求人倍率は、1月は前の月と同じで1.63倍でした。都道府県別では東京都と福井県が2.12倍で最も高く、最も低い神奈川県でも1.20倍でした。
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ホワイトハウス、米朝首脳会談後の写真公開

 アメリカ・ホワイトハウスのサンダース報道官は、2回目の米朝首脳会談が終わった後の北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)党委員長の写真を公開しました。

 サンダース報道官は28日、「ハノイでの首脳会談の終了にあたり、トランプ大統領が金党委員長にさようならと話した」という説明とともに、トランプ大統領と向き合った金正恩党委員長が笑顔で写った写真を公開しました。

 米朝首脳会談は予定していた合意文書への署名式がキャンセルとなるなど、事実上、決裂しましたが、トランプ氏との別れ際に金氏が笑顔を見せた写真を公開することで、会談が失敗に終わったというイメージを払拭する狙いがあるものとみられます。
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イラン外相、辞意を事実上撤回

 イランのザリフ外相は、いったん表明した辞意を事実上、撤回しました。

 ザリフ外相は25日、辞意を表明していましたが、ロウハニ大統領は書簡を送り、「辞任は国益に反する」として認めていませんでした。

 国営メヘル通信によりますと、ザリフ外相はSNS上で、「私は国際舞台でイランの国益と人民を守ることに専念してきた」などと述べて、外相留任を示唆し、辞意を事実上、撤回しました。27日には、インドとの衝突で緊張が高まるパキスタンの外相と電話会談して自制を求めるなど外交活動を継続していることを示しました。

 ザリフ外相は欧米諸国との核合意をまとめましたが、アメリカのトランプ政権が離脱、経済制裁を復活させたことや、国民の生活がなかなか向上しないことで、国内の対米強硬派から強い批判にさらされていました。

 今回、辞任には至りませんでしたが、一時的にせよ辞意を表明したことは、憶測を呼びそうです。
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米朝合意至らず 非核化への交渉継続に望み


 「非核化」で合意を得るには、米国と北朝鮮の隔たりがあまりに深かったということだろう。
 ベトナムのハノイで8カ月ぶりに行われたトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による2度目の首脳会談は、合意文書の署名すらできなかった。
 両国の交渉が一筋縄でいかないことを改めて示す結果となった。
 合意できなかった理由についてトランプ氏は記者会見で、「北朝鮮側が制裁の完全解除を求めてきたため」と説明した。
 いきなりハードルの高い要求を掲げた北朝鮮はトランプ氏の出方を読み違えたのか、それとも意図的に翻弄(ほんろう)するつもりだったのか。
 米側も簡単に応じることはできないと判断したのだろう。
 いずれにしても、非核化につながる具体的な成果を得られなかったことは残念だ。
 ただ、トランプ氏は「今後も話し合いは続けていく」と繰り返した。決裂ではなく、交渉が継続されることに望みをつなぎたい。
 両国は非核化に向けた具体的な折衝を積み重ね、朝鮮半島の緊張緩和の流れを確かなものにしてほしい。核・ミサイル開発を巡って一触即発の状態が続いた一昨年以前の状況に戻してはならない。
■避けた「安易な妥協」
 今回の首脳会談に向けた実務協議の過程で、米側は、完全非核化に向けた行程表づくりのため、北朝鮮が保有する核・ミサイルの実態申告や、核開発拠点である寧辺の核施設の査察や廃棄などを求めたという。
 これに対し、北朝鮮は非核化への「相応の措置」として、制裁解除や韓国との間で進める南北経済協力を認めるよう求めた。申告を巡っては「攻撃目標を教えろと言っているようなもの」と拒否、既に保有する核兵器の申告や一方的な破棄には応じなかった。
 首脳会談で北朝鮮は寧辺の核施設廃棄への意思を示したとみられるが、寧辺は老朽化して重要性が低下しているとの指摘もある。米側が制裁解除に釣り合う条件として「十分ではない」と考えたのもやむをえまい。
 非核化とは何をどこまで満たすことが必要なのか。その認識の違いや実現に向けた具体策を実務者レベルでも詰め切れないまま「見切り発車」の状態でトップ交渉に委ねた異例の首脳会談だった。
 その意味では、安易な妥協を避け、冷却期間を置いて仕切り直すとした判断は、必ずしもマイナスとは言い切れない。
 トランプ氏は首脳会談は友好的だったとした上で、合意文書に署名しなかった理由について「急ぐより正しくやりたい」と語った。
 非核化交渉は、東アジアに残る冷戦構造の終息に向けた折衝ともいえる。互いの真意を慎重に探りつつ、次回に前進が得られるよう具体的な協議を続けてほしい。
 首脳会談前には、仮に非核化で進展がなくても、両国による朝鮮戦争の終結宣言や相互の連絡事務所設置などで合意する可能性が取りざたされていた。
 こうした米朝間の新たな関係づくりも含め、東アジアの安全保障を念頭に大きな視野で最適な結論を探る努力が双方に求められる。
■抜け道に監視の目を
 ただ、今回の首脳会談は、北朝鮮ペースで進んだ印象だ。
 トランプ氏が再会談に応じたのは国境の壁建設を巡る政府機関閉鎖の責任を問われ、ロシア疑惑で腹心の元顧問弁護士に議会で偽証させた疑いを持たれていた時期だった。内政の失点を外交でカバーしたい思惑を見透かされていた。
 一方、金氏は1月に「これ以上核兵器をつくらない」と明言した後に訪中し、米朝会談への支持を取り付けた。貿易を巡る米国との対立をにらみ、北朝鮮を引きつけておきたい中国の意向を踏まえたとみられる。
 韓国とは昨秋の首脳会談で米側に「相応の措置」を求めることで共同歩調をとった。韓国の文在寅大統領は、開城工業団地の再稼働や金剛山観光の再開など南北経済協力を「相応の措置」に位置づけるよう米側に働きかけている。
 中韓を引き込み、対米交渉にあたるしたたかさが際だった。
 ただ、北朝鮮については、制裁をよそに、海上で積み荷を移し替える「瀬取り」による密輸が横行しているとも指摘される。国連安全保障理事会の専門家パネルは、北朝鮮が制裁の網をくぐり抜けていると指摘する。
 交渉の継続と同時に、こうした抜け道にも監視の目を光らせなければ、時間稼ぎを許すことになる。硬軟両面の対応が必要だ。
■「拉致」に独自戦略を
 日本が最大の懸案とする拉致問題については、昨年6月の1回目の首脳会談に続き、トランプ氏が金氏に伝えたという。
 安倍晋三首相は「次は私が金氏と向き合わなければいけない」と述べたが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」と主張している。
 今回の首脳会談が不調に終わったことで、日朝が歩み寄る機会を設ける可能性は低くなったと言わざるを得ない。早期の問題解決には、米国頼みではなく独自のアプローチも必要ではないか。戦略の練り直しが急がれる。

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