新冷戦 米中貿易戦争+ ファーウェイ排除の裏で「漁夫の利」を得る真の勝者は (「Android」のサポートを停止) / 今度は南シナ海で
米中関係




(ファーウェイが一定期間無力化された場合、それがサムスンの利益になることは間違いない。 これがファーウェイの独自OS? 新たな「ARK OS」で再出発も前途多難か… 早くても2020年初め / 今度は南シナ海で対中制裁呼びかけ──米上院 / 豪軍ヘリにレーザー照射=南シナ海、中国船か )



 先週、Googleが華為技術(ファーウェイ)に対して「Android」のサポートを停止することが報じられ、その後、一時的な猶予が認められることが発表された。それに加えて、Armもファーウェイとの取引を停止する企業群に名を連ね、最後のとどめとなるかもしれない強烈な一撃をお見舞いした。これらのことは、米国と中国の貿易戦争が悪化した場合、テクノロジー業界にどんな影響が及ぶか、という警告とみなすべきだろう。

 米大統領執務室からは脅し文句や大げさな言葉が発せられているが、事実は単純だ。両国間のサプライチェーンがあまりにも複雑に絡み合っているため、どちらの国も大きな痛みを感じずにそのもつれを解くことはできない、ということである。

 皆さんがどんなデバイスで本記事を読んでいるにせよ、それは米国企業の部品と知的財産を使って、中国で組み立てられたものである可能性が高い。

 設計と製造に必要なリードタイムを考えれば、このエコシステムの分離を求める米政府の命令は、実施までの期間を月単位ではなく年単位で考えるべきだろう。

 ファーウェイをソフトウェアやハードウェア、知的財産から切り離せば、多くの企業が倒産してしまうはずだ。そのような命令から立ち直る能力を備える企業があるとしたら、それはファーウェイだろう。

 中国での成功だけを見ても、ファーウェイは世界最大級のメーカーの1つだ。今回のような事態に備えて、秘密裏に代替ソフトウェアの開発も進めてきた。同社には、HiSiliconというチップ部門もある。

 今回の騒動の結果として、ファーウェイがAndroidを利用できなくなった場合、失う影響が最も大きいのは「Google Play」ストアだろう。しかし、ファーウェイがすぐに独自のストアを開設したり、中国のほかのスマートフォンメーカーと協力して国家主義的な代替のストアを作り出したりすることは、想像に難くない。

 Androidの世界には、通常のAndroidのほかに、それとは大きく異なる中国製のバージョン(例えば、「ColorOS」)も存在する。私たちが今、目の当たりにしているのは、ホワイトハウスによってもたらされたAndroidの分離なのかもしれない。

 重要なのは、ファーウェイには従業員以外の株主がいないため、証券取引所への説明責任なしに、姿を消す、自社の利益のために行動する、組織を刷新するといった厳しい決断を下せるということだ。Armのチップ設計を利用できなくなって、独自チップの開発に着手する必要が生じた場合、これは極めて重要なポイントになってくる。

 米政府が中国政府との取引を有利に運ぶために禁止措置を断念した場合、すべての禁止措置が無駄に終わる可能性もある。

これまで言及していなかったが、確実にこの問題に強い関心を持っており、現状を見て笑っているのがサムスンだろう。ソウルで蜜の味を感じているに違いない。

 サムスンはGoogleのモバイルOSを利用してスマートフォン分野で優位に立ったにもかかわらず、サムスンとGoogleは、よく言っても崩壊した結婚生活を続けているような、友人を装った敵対者同士だ。

 世界第2位のAndroidスマートフォンメーカーであるファーウェイが一定期間無力化された場合、それがサムスンの利益になることは間違いない。

 だが、サムスンが得られるかもしれないものは、スマートフォン分野での優位だけではない。同社は世界の主要5Gネットワーク機器メーカーの一角としての地位を確立したいと考えている。

 サムスンは白物家電や造船、半導体など、多くの事業分野を支配できるかもしれないが、同社のネットワーク事業は幾度となく成功をつかみ損ねている。


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アメリカが陥るファーウェイ制裁の落とし穴
The 5G Fight Is Bigger Than Huawei

<トランプ政権の強硬策がアメリカの利益を損なう恐れも――5G覇権は貿易戦争ではなく公正な競争で勝ち取るべき>

アメリカが強めている中国ファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術)への攻勢は、結果的にアメリカの国益を損ねる恐れがある。

ドナルド・トランプ米大統領は、「国外の敵」に関係のある企業との取引や情報通信技術の使用を禁止するとの大統領令を発した。続いて米商務省も、ファーウェイを産業安全保障局(BIS)の「エンティティー・リスト」(米政府のブラックリスト)に加えると発表した。この2つの措置が実際にどう履行されるのかは、現時点では分からない。

まだ遅くはない。トランプは、この複雑な問題への政策を練り直すべきだ。その過程で米政府は、自国の5G(第5世代移動通信システム)市場での競争力を高めるために、もっと先を見据えた行動を取るべきだ。

米政府が重要なインフラに対する重大な脅威を理由に、強硬手段に出るのは分かる。リスクの高い企業との取引に制限を設ける理由もうなずける。だが「国外の敵」という枠組みが強調されると、米政府はファーウェイ問題を超えた構造的な問題について、さらに踏み込んだ議論をする機会を逃すことになる。

アメリカの通信網からファーウェイを排除する根拠を挙げれば切りがない。しかし重要なのは、その意思決定過程だ。信頼性と客観性、透明性を確保した形で行われることが望ましい。

その際には、似たような懸念を抱きながらも、中国を敵扱いするアメリカとは立場を異にする他の国々と歩調を合わせることが非常に大切になる。今のところヨーロッパの同盟国や友好国は、米政府がファーウェイに示す懸念にやや懐疑的だ。

欧州諸国に高まる懸念
ヨーロッパ諸国との間には、さらなる合意を形成する必要があるだろう。5Gのセキュリティーへの対応は今後も、設計から開発、管轄に至るあらゆる段階に広げていくべきだ。

そのためには、議論の方向性を見直す必要がある。ファーウェイに対する悪評の基となっている判断基準や懸念に、焦点を当てる必要がある。

その一部は、ファーウェイ以外の企業にも当てはまる。汚職や腐敗、企業の所有形態などに関する透明性の著しい欠如、盗聴への関与、セキュリティー上の欠陥などだ。どの国の企業であれ、こうした問題のある企業は厳しく取り締まるべきだ。


アメリカは必要以上の損害を出さないよう慎重に動かなければならない。やり方を誤ると、アメリカの重要産業の利益を損ね、さらには世界に波及する恐れがある。既にファーウェイの主要サプライヤーや、中国市場への依存度が高い多くの企業の株価が急落している。

何か手を打たなければ、長期的には損失がさらに膨らみかねない。ファーウェイが昨年、米企業から調達した部品は、金額にして約110億ドル。米企業は潜在的にこの規模の痛手を負う恐れがある。

ヨーロッパでは、アメリカと同盟・協調関係にある国々が懸念を募らせている。各国内のネットワークへの影響が心配され、アメリカとの関係が疎遠になる恐れもある。

今回の措置は、通商協議における単なる作戦ではないかという印象(恐らくは事実だが)もあり、アメリカの信用を傷つける危険性をはらんでいる。仮にトランプ政権が措置を緩和したり、17年の中興通訊(ZTE)のようにエンティティー・リストから除外したらどうなるか。現実に存在するファーウェイの脅威と不正行為の深刻さを軽んじることになるだろう。

それだけではない。同社の主張と中国政府のプロパガンダに迎合することにもなる。アメリカの政策はどこまでも「政治的」であり、本当に安全保障上の懸念に基づくものでもないし、法律を公平に適用することもないという主張だ。

米商務省はファーウェイのエンティティー・リスト入りを、対イラン制裁違反への対応だと説明した。それ以外にも、中国軍や国家安全省(MSS)との関連性も明らかに憂慮すべき事態だ。例えば情報活動の隠れみのにされた、看板にされた、MSSから資金を提供された──などと指摘されている。

その一方で、米政府がもっと広範な攻勢を意図している可能性もある。だとしたら賢い戦略とは言えないし、逆に損失を招きかねない。米中間の産業構造の再定義を意図しているなら、もっと慎重を期すべきだ。

米中対立の核心にある緊張状態は、経済的に深く相互依存しながら戦略上でも技術面でも競争が激化するという危険な状態のせいで起こっている。産業構造の再編と多様化が進めば、アメリカの中国企業に対する依存度は減るかもしれない。アメリカにとって、サプライチェーンと全体的な産業基盤の安全性や強さが脅かされる危険は減るだろう。

最悪のシナリオに備えを
ここで肝心なのは、広範な攻勢を行うかどうかではなく、どの程度まで、どのように行うかだ。かつては、相互依存関係は紛争を防止すると見なされた。しかし込み入った関係が悪用されたり、武器として利用されるといった危険性のせいで、米中摩擦は悪化してきたようだ。均衡状態へ移行するには時間と、現実的な選択肢を見極める必要がある。

グローバル化と国際協調を特徴とするアメリカの技術革新のエコシステム(生態系)は、総合的には米中双方の利益になっている(もちろん、利益の搾取や不均衡はあったのだが)。

トランプ政権の対中姿勢は、診断は正しくても処方を間違える場合がある。今回も強引な手法しか通じないらしい体制と交渉するための、したたかな戦術と評価できるかもしれない。しかし貿易交渉の戦術面で勝っても、あるいは不当にのし上がった企業の力をそぐことができたとしても、アメリカの長期戦略の持続可能性を損なうのは好ましくない。

もしトランプ政権が「エンティティー・リスト入り」が「死刑宣告」を意味すると考えているなら、今回の措置は裏目に出るかもしれない。果たして徹底的に実施するのか、それとも長期的には一部の米企業からファーウェイへの販売免許が更新されるのか、まだ分からない。

既に欧米企業が次々と禁輸措置に従い始めているとはいえ、8月まで現行のネットワークの更新や修正などについては猶予が与えられている。これでファーウェイも終わりだなどという期待を抱く者は、失望を味わうことになるかもしれない。

ファーウェイにも弱点はあるが、同社の底力と国の看板企業として支援する中国の決意を過小評価するべきではない。

ファーウェイの任正非(レン・チョンフェイ)CEOは、こう宣言している。「私たちは世界の頂点に立つ夢のために自分自身と家族を犠牲にしてきた。この夢のために、いずれアメリカと対立することは避けられない」

同社が子会社ハイシリコンで独自の代替製品を開発してきたのは、こうした不測の事態に備えるためだった。

ファーウェイが最悪のシナリオに対応できるかどうかは分からない。しかし中国政府の半導体産業への投資は実を結び始め、有利な環境が整いつつある。

最近の外圧のせいで、中国は重要な革新的技術の開発を国内で進める計画を強化し、「独立独行」を実現する方向に向かっている。今回の制裁は米企業の弱体化を招く一方、中国政府の決意を強化するという意図しない結果をもたらすかもしれない。

5G開発競争は、ファーウェイが勝ったも同然というわけではない。今回の措置に対する最初の声明で、ファーウェイは自らを「5Gの比類のないリーダー」と宣言した。この主張はマーケティング戦略として優れているとしても、完全に正確とは言えない。

ファーウェイは、ノキアやサムスン、エリクソン、クアルコムなど5G技術で競合する多くの企業の1つにすぎない。確かにファーウェイはシステム・インテグレーターとしての優位性など、有利な立場にあるように見える。5Gを構成する重要な機器の主要メーカーでもある。

アメリカだけでは無理
ただし、この利点も5Gの具体化とともに進化を続ける業界では確実なものではない。

今後、アメリカはファーウェイの独占を防ぐ代替策を積極的に推進する必要がある。ファーウェイがもたらす最大の脅威は、同社の5G支配への強過ぎる思いが公正で健全な競争を阻害し、エコシステム全体の活力を損なう可能性があることだ。

ファーウェイは、中国政府の補助金など不透明な資金調達によって、競合他社との価格競争に勝ち、市場シェアを獲得してきた。同社は現在、世界の電気通信市場のかなりの部分を占め、30%近いという推定もある。

気掛かりなのは、ファーウェイの4Gを採用した国では5Gのネットワークも同社のシステムしか選択肢がなくなるかもしれないことだ。

アメリカは5Gに関して、健全な競争の促進を目指すべきだ。5Gの開発と構築は、ベンダー間の選択肢の多様化とサプライチェーンの再調整によって、よりうまく機能するだろう。

5Gの開発で競争力を付けるためには、米政府は企業への資金提供や税制優遇措置など、研究開発の支援にもっと力を入れるべきだ。

同時に、アメリカは単独で5Gをリードすることはできない。セキュリティーとイノベーションに関するアメリカの政策は、同盟国や提携国との緊密な協調を優先すべきだ。

さもなければ、ファーウェイに対してどんな措置が取られても、5Gの将来をリードし、支配するのは中国ということになるかもしれない。

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これがファーウェイの独自OS? 新たな「ARK OS」で再出発も前途多難か…

ブランクは避けられない?

Huawei(ファーウェイ)をめぐっては、トランプ政権による輸出規制リスト(U.S. Entity List)入りをめぐって、もはやハードウェア的にスマホを作れなくなるのではないかと懸念されていますけど、ソフトウェア面でもGoogle(グーグル)のAndroidのライセンス剥奪という衝撃的な措置により、前途に暗雲が立ち込めています。この先、Huawei製のスマートフォンは、どうなってしまうのでしょうか…。

ファーウェイ独自OSの名は「ARK」?

しかしながら、このほどStuff Asiaは、新たにHuaweiが「ARK OS」なる新OSの準備を進めていることを報道。先週、EUIPO(欧州連合知的財産庁)に対し、電子機器のオペレーティングシステムとして「Huawei ARK OS」の商標登録が進められたことを明らかにしています。


たとえAndroid OSを失ったとしても問題ない。そんな強気の姿勢を見せているHuawei。これまで同社は、中国向けに「Hongmeng OS」の商標を取得し、新OSとして年内にもデビューさせると見られてきました。新たなHuawei ARK OSは、この海外市場向けのネーミングにすぎないのか、それともまったく別の新OSとなるのか、まだ詳細は明らかではありませんが、着実にHuaweiが、Androidなき後の事業継続へと動き出しているのだけは確かなようですね。

とはいえ、今回の報道では、Huaweiが、実際にARK OSを搭載するスマートフォンの新モデルを海外向けに発売できるのは、早くても2020年初めになるだろうとの見通しにも言及されています。今夏には、Androidスマホの新製品の発売を打ち切らざるを得ない事態に追い込まれるであろうHuawei。そこから来年までのつなぎは、どんなふうに考えているのでしょう? ARK OS搭載モデルを用意できるまでは、市場から姿を消さざるを得ないのでしょうか? それはあまりにも寂しすぎる展開ですけど。

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今度は南シナ海で対中制裁呼びかけ──米上院 / 豪軍ヘリにレーザー照射=南シナ海、中国船か

<貿易や安全保障をめぐる米中対立の流れで、中国が実効支配してきた海も取り戻す?>

超党派の米上院議員グループが5月23日、南シナ海と東シナ海における中国政府の活動に関与した中国人や団体に対して、米国政府が制裁を科せるようにする法案を改めて提出した。

共和党のマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州)とトム・コットン上院議員(アーカンソー州)、および民主党のベン・カーディン上院議員(メリーランド州)が提出した「南シナ海・東シナ海制裁法案」は、中国に圧力をかけ、中国が領有権を主張する中国沖の海域の実効支配をやめさせることを目的としていると、香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は伝えている。

この法案が成立すれば、東南アジア諸国連合(ASEAN)の1つまたは複数の加盟国が領有権を主張する海域で「平和、安全保障、安定を脅かす行為」をした個人に対して、アメリカ国内にある金融資産の凍結、ビザの取り消しまたは申請却下といった制裁を科すことが、アメリカ政府に義務づけられることになる。

中国は南シナ海で領有権を主張しており、浅瀬や礁に軍事基地のネットワークを建設して実効支配している。だが、中国が領有権を主張する海域は、ベトナム、フィリピン、台湾、ブルネイ、マレーシアが主張する領海と重なり合っている。そうした国々はいずれもASEANの加盟国だ。この海域には豊かな漁場や重要な航路があるほか、豊富な天然資源が存在するとみられている。

「中国政府に責任をとらせる」
米インド太平洋軍司令官のフィリップ・デービッドソンによれば、中国の基地ネットワークは重武装であり、中国が「アメリカとの戦争を除くあらゆるシナリオで」同海域を支配していることを意味するという。

アメリカの軍艦や航空機は、問題の海域で「航行の自由」作戦や飛行作戦をたびたび実施してきた。その狙いは、中国政府に継続的に圧力をかけ、同海域は国際水域の一部であるとするアメリカ政府の見解を主張することにある。アメリカのこうした作戦を中国は、挑発的で地域の平和を脅かすものだと非難しているが、今回提出された法案は、そうした作戦をさらに拡大することも求めている。

ルビオは「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」に対し、「(この法案は)中国政府が実効支配する南シナ海の紛争海域において、不法かつ危険な軍事拠点化にアメリカや同盟国が対抗する取り組みを強化するためのものだ」と語った。

「この法案は、同海域をあらゆる国に開かれた自由な海域として保つという米国の約束を改めて表明するものだ。また、同海域で他国を脅し、威圧していることに関して中国政府に責任をとらせるためのものだ」とルビオは付け加えた。

同法案が成立すれば、米国務長官には、6カ月ごとに議会に報告書を提出することが義務づけられる。この報告書には、(中国政府の主張する領海を実効支配するための)人工島基地建設に協力した中国人や中国企業が列記される。

この法案は最初、2017年に提出されたが、採決には至らなかった。だが、現在の緊張した米中関係や、2年以上にわたる中国の南シナ海の軍事拠点化が、この法案に勢いを与える可能性がある。また、外交委員会の委員長も当時から交代し、中国の監視を在任中の重要事項に掲げるジェームズ・リッシュに引き継がれている。

ルビオの広報担当者によれば、ルビオは法案成立の可能性について「きわめて楽観的」だと言う。2017年の法案と比べて、文言はほとんど変更されないだろうとのことだ。

制裁に次ぐ制裁
同法案が成立すれば、米中関係はさらに悪化する可能性がある。ドナルド・トランプ大統領の中国に対する強硬姿勢は、トランプ政権の顕著な特徴のひとつになっており、軟化する兆候は見られない。

アメリカは5月10日、2000億ドル相当に上る中国からの輸入品に対する関税引き上げを発動。税率を10%から25%に引き上げた。さらにトランプはロバート・ライトハイザー米国通商代表に対し、今回の引き上げの対象にならなかった中国からのほぼすべての輸入品について、関税引き上げの手続きを進めるように指示した。この追加関税の対象となる中国製品は3000億ドル相当にのぼる。

それと同時に、中国のテック系大手ファーウェイにも圧力をかけている。アメリカ政府は、5Gにおけるファーウェイの突出した技術が、西洋諸国における将来の重要な通信ネットワークに中国政府が侵入する糸口を与える可能性があると懸念している。5月15日には、トランプがこの問題をめぐって国家非常事態を宣言し、ファーウェイをブラックリストに追加した。すべての米国企業とファーウェイとのビジネス関係を事実上禁止しようとする動きだ。

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豪軍ヘリにレーザー照射=南シナ海、中国船か

【シドニー】中国が軍事拠点化を進める南シナ海をオーストラリア海軍のヘリコプターが飛行中、漁船からレーザー照射を受けたことが明らかになった。船は中国に関係しているとみられる。豪公共放送ABCが29日報じた。
 ヘリが照射を受けたのは夜間飛行中。照射後、パイロットは診断を受けるため艦船に戻った。パイロットが負傷したかなど詳しい状況は不明。艦船は多国間演習のために派遣され、南シナ海を航行していた。
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