岡山 防犯(見守り) 減りゆく見守り防犯ボランティア 岡山県内で高齢化や担い手不足が課題に

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小学生らの登下校時に見守り活動をしている岡山県内の防犯ボランティアが、当事者の高齢化や新たな担い手不足を背景に、減少傾向を見せている。川崎市でスクールバスを待っていた児童らが殺傷されるなど子どもが被害に遭う事件が後を絶たない中、地域の防犯力をいかに維持するかが課題となっている。

 県警によると、地域住民らで組織する県内の防犯ボランティア団体は、2004年末の373団体から14年末に約3・7倍の1402団体に増えたが、その後は減少し、18年末時点で1344団体。メンバーは同時点で7万3873人で、15年末(8万3382人)からの3年間で11・4%減った。

 活動は主に高齢者が支える。平均年齢が60歳以上の団体は64・5%に上る一方、20歳未満はわずか0・9%。岡山市中区の三勲学区防犯協議会長の阿部洋さん(81)は「メンバーの高齢化が進んでいる。雇用延長で60歳を過ぎても勤める人が多く、人集めには苦労する」と明かす。

 ただ、県内では、04年に津山市で学校から帰宅直後の女児が殺害され、14年には下校途中の女児が連れ去られる事件が発生。警察に寄せられる子ども(18歳未満)にまつわる不審者情報は毎年千件前後に及び、危険の芽は各地に潜んでいる。

 県警は、県内の刑法犯認知件数が近年減り続けているのは「防犯ボランティアらの活動成果」(生活安全企画課)との見方も踏まえ、メンバーの減少に危機感を募らせる。若い世代を増やすため大学生の活動を支援し、高校生に体験機会の提供もしており、同課は「県民挙げた取り組みとなるよう後押ししたい」としている。