岡山 豪雨被災の倉敷・真備「堤防決壊なくても浸水」 前野・岡山大院教授が見解


昨年7月の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町地区を調査している岡山大大学院の前野詩朗教授(河川工学)は29日、昨夏と同規模の豪雨が発生した場合、工事中の堤防改良が終わり、堤防が決壊しなかったとしても同町地区は浸水する可能性が高いとの見解を示した。

 前野教授は堤防が壊れなかった場合のシミュレーションを行ったところ、水は堤防を越えて真備町地区に流入、浸水範囲は西日本豪雨の際と同じように市街地の大部分に広がり、深さが4メートルを超える場所もあったとした。

 小田川は堤防の決壊箇所を元通りにするとともに約20メートル拡幅する復旧工事が完了し、支流(末政、高馬、真谷川)で堤防のかさ上げや拡幅の改良工事が進む。前野教授は「堤防を強固にしても越水は止められない」と述べた。

 西日本豪雨では高梁川の水位が上昇し、支流の小田川からの流れをせき止める「バックウオーター現象」が発生、水が滞留して堤防を破壊した。前野教授は、高梁川と小田川の合流点の付け替え工事(2023年度完了)で河川水位を下げることが重要とした。

 この日、真備町地区で行った講演で明らかにした。主催した箭田地区まちづくり推進協議会の山口敦志会長(76)は「堤防が切れなければ安全だと思っていたので、迅速な避難を第一に考えたい」と話した。