国際情勢 米中貿易交渉、30日から上海で開催 / WTO、日韓“平行線”のまま議論終了


 膠着状態が続いている米中の貿易交渉について、アメリカのホワイトハウスは、今月30日から中国・上海で閣僚級による交渉を開催すると発表しました。

 ホワイトハウスによりますと、閣僚級の交渉には、アメリカ側からライトハイザー通商代表とムニューシン財務長官が、中国側から劉鶴副首相が出席するということです。交渉は今月30日から中国・上海で行われ、知的財産の侵害や技術の強制移転など幅広い問題を議論するとしています。また、アメリカが求めている農産品の大量購入や、中国の通信機器最大手・ファーウェイに対する制裁の緩和についても話し合われる見通しです。

 米中の貿易交渉をめぐっては、5月に決裂して以降、膠着状態に陥っていましたが、先月末の首脳会談で交渉を再開することで合意していて、対面での交渉は首脳会談後、初めてのことになります。

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WTO、日韓“平行線”のまま議論終了

 WTO=世界貿易機関で24日、韓国に対する日本の半導体材料の輸出措置について議論されましたが、日韓の主張は平行線のまま終了しました。

 WTOの一般理事会で、韓国は、日本の措置を「輸出規制」としたうえで、これが徴用工問題への対抗措置であり、WTOが推進する自由貿易に逆行し、世界経済を混乱させると強く訴えました。

 「日本の輸出規制はWTOの存在意義に対する明確な脅威で、世界の経済を必然的に崩壊させるものだ」(韓国 金勝鎬新通商秩序戦略室長)

 一方、日本はあくまで安全保障上の「輸出管理」であり、経済的な利益の問題では無いため、WTO協定には違反しないと主張しました。

 「今回の措置は、過去の(朝鮮半島からの労働者の)そういう問題とは全く関係ないもので、『輸出管理』制度に基づく措置である。『輸出規制』措置ではないと最初に申し上げた」(在ジュネーブ国際機関政府代表部 伊原純一大使)

 韓国は2国間の協議を呼び掛けていますが、日本側は応じる姿勢を見せておらず、今後、韓国が提訴すれば、WTOで「紛争」として処理されることになります。

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英・ジョンソン氏、首相に就任

 イギリスの与党・保守党の党首に選ばれたボリス・ジョンソン氏が正式に首相に就任、10月31日にEUから離脱する、と改めて強調しました。

 ジョンソン氏は24日、バッキンガム宮殿でエリザベス女王から組閣をするよう依頼され、これを受諾したことで正式に首相に就任しました。

 宮殿に向かうジョンソン氏の車を、環境活動家らが道路をふさいで妨害する一幕もありました。

 「ボリス・ジョンソン新首相が入ってきました。念願だった首相の座を手に入れて、今、ダウニング街10番地、首相官邸へと入っていきます」(記者)

 「疑念を持ったり悲観的なことを言う人たちは、間違いに気づくでしょう。この国を見くびるな。我々のまとまる力や決意を見くびるな」(ボリス・ジョンソン新首相)

 ジョンソン氏は首相就任後、初めてのスピーチでこう述べ、国民に向けて、前向きになるよう呼びかけました。

 目下最大の課題のEU離脱については、次の期限である10月31日に離脱すると改めて明言、それまでに、EUとの間で新たな離脱協定を結ぶとしつつ、「合意なき離脱」についても準備を進めるとしています。
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北朝鮮、飛翔体2発を日本海に発射

 韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が25日明け方、飛翔体2発を発射したと発表しました。ソウル支局から報告です。

 韓国軍の合同参謀本部によりますと、北朝鮮は25日午前5時34分と5時57分ごろ、東部・元山(ウォンサン)から飛翔体をあわせて2発、日本海に向けて発射しました。飛翔体の飛行距離はおよそ430キロで、米韓当局が詳細を分析中だということです。また、合同参謀本部は、「追加の発射に備えて、動向を追跡監視しながら態勢を維持している」としています。北朝鮮による飛翔体発射は、5月9日に「短距離ミサイル」を発射して以来です。

 韓国軍関係者は、JNNの取材に対し、「来月行われる予定の米韓合同軍事演習に対するけん制ではないか」としています。また、先月30日の米朝首脳会談で、再開することで合意していた非核化をめぐる実務者協議はまだ実現しておらず、今回の発射はアメリカに対する揺さぶりの狙いもあるものとみられます。
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ロシア首相、北方領土訪問を計画

 ロシアのメドベージェフ首相が、8月に北方領土の択捉島を訪問する計画があると、ロシアのメディアが報じました。

 ロシア・サハリン州の地元メディアによりますと、メドベージェフ首相は8月に択捉島を訪問し、水産加工工場や建設中の学校、住宅や温泉施設などを視察するということです。

 メドベージェフ首相は、大統領を務めていた時を含め、これまでに北方領土を3回訪れています。2015年には、「北方領土を含む千島列島はロシアの領土である」としたうえで、「日本との関係とは関連させるべきではない」と発言するなど、強硬姿勢を示していました。

 これまで日本政府は、メドベージェフ氏の北方領土訪問に対して毎回抗議を行っています。今回4回目の訪問が行われた場合、安倍総理が解決を目指す北方領土問題への悪影響は必至です。

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