国際情勢 日韓関係悪化の中、きょう日韓外相会談 / 米FRB、約10年半ぶりに利下げ / 日韓の国会議員が会談、議論は平行線



 日韓関係が悪化する中、河野外務大臣は1日、訪問中のタイの首都・バンコクで、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相と会談し、韓国への輸出管理の強化や徴用工訴訟をめぐる問題などについて意見を交わす予定です。

 国際会議に出席するためバンコクを訪問中の河野外務大臣は1日午前、韓国の康京和外相との会談に臨みます。徴用工訴訟をめぐっては、改めて国際法違反の状態の速やかな是正を求めるほか、日本企業に実害が出ないよう働きかける方針です。

 また、輸出管理上の優遇措置が得られる「ホワイト国」から韓国を除外する方向で調整している日本政府に対し、韓国政府側から除外しないよう求められている問題については、“安全保障上の適切な運用の見直し”だと説明するものとみられます。

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米FRB、約10年半ぶりに利下げ

 アメリカの中央銀行であるFRB=連邦準備制度理事会は、政策金利を0.25%引き下げることを決めました。FRBが利下げに踏み切るのは、およそ10年半ぶりです。

 「我々は本日、政策金利の誘導目標を0.25%引き下げることを決めました」(米FRB パウエル議長)

 今回の決定により、年2.25%から2.5%だったアメリカの政策金利は、年2%から2.25%となります。FRBが利下げに踏み切るのは、リーマン・ショック直後以来、およそ10年半ぶりです。

 FRBのパウエル議長は、「アメリカ経済の見通しは依然として良好」としながらも、「世界経済の低成長と貿易政策の不確実性による下振れリスクを回避する」と述べ、景気の拡大を維持するための予防的な措置だという考えを示しました。

 一方、ニューヨーク株式市場では、FRBのパウエル議長が「長期的な利下げを行う局面ではない」との認識を示したことから、失望売りが相次ぎました。「貿易政策が世界経済の重しになっている」との発言もこの流れを加速させ、ダウ平均株価の下げ幅は一時478ドルに達しました。終値でも、前の日よりも333ドル安い、2万6864ドルで取引を終えています。

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日韓の国会議員が会談、議論は平行線

 輸出管理の強化や“徴用工問題”などをめぐり日本と韓国の関係が悪化する中、日韓両国の国会議員が7月31日、会談を行いましたが、議論は平行線をたどりました。

 日本と韓国の国会議員は7月31日、都内で会談し、日本政府が2日にも輸出管理上の優遇措置が得られる「ホワイト国」から韓国を除外する方向で調整していることなどをめぐって、議論を交わしました。

 「両国がこれほど厳重な懸案を抱えている状態が続くことは、両国にとって何の役にも立たないということは認識を共にした」(徐清源韓日議会外交フォーラム会長)

 「これから議連としては、日韓両国の関係改善に全力を尽くそうと」(額賀福志郎日韓議連会長)

 共同声明の発表が見送られるなど、議論は平行線をたどりました。

 韓国の国会議員団は1日、自民党の二階幹事長と面会して、政府が検討している「ホワイト国」から韓国を除外しないよう働きかけたい考えです。ただ、菅官房長官は「方針に変わりはなく、手続きを粛々と進めていく」と語っていて、日韓の溝は埋まりそうにありません。
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イラン外相、支援策具体化なければさらなる核合意一部履行停止との考え表明

 イランのザリフ外相は、核合意の当事国などがイランへの経済支援策を具体化させなければ、さらなる核合意の一部履行停止に踏み切るとの考えを明らかにしました。

 「現状が変わらなかったり、EUなどが具体的な策を講じたりしなければ、イランは合意の一部履行停止を3段階目に進める」(イラン ザリフ外相)

 イランのザリフ外相はこのように述べ、イギリス、フランスなどの核合意当事国やEUがイランへの経済支援策を具体化させなければ、さらなる核合意一部履行の停止に踏み切る考えを明らかにしました。具体的な時期については明言していません。

 イランはこれまで、低濃縮ウランの貯蔵量、濃縮度ともに合意の制限を超えていますが、新たな合意の一部履行停止をちらつかせることで、アメリカの制裁を回避する経済支援策を具体化できない核合意の当事国やEUに、ゆさぶりをかける狙いもあるとみられます。
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ASEAN外相会議で共同声明、南シナ海情勢に「懸念」

 ASEAN=東南アジア諸国連合外相会議の共同声明が発表され、中国が軍事拠点化を進める南シナ海について、「懸念」という表現が盛り込まれました。

 タイのバンコクで開かれているASEAN外相会議では、中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題や北朝鮮問題が主要な議題となりました。7月31日に発表された共同声明には、南シナ海をめぐって、「複数の閣僚から『懸念』が示されている」という文言が盛り込まれました。また、「埋め立て行為など、地域での深刻な事案が緊張を高めている」と明記されました。

 共同声明の草案の段階では、「『深刻な』懸念」という強い表現が含まれていましたが、会議では、中国と経済的な関係を深めるカンボジアが同意せず、表現が緩和されたものとみられます。

 「我々が絶えず努力する事によって、南シナ海の情勢は著しく改善されている」(中国 王毅外相)

 一方、中国の王毅外相は、ASEAN諸国との会議終了後に会見を行いました。その中で、南シナ海における紛争の回避に向けて策定を進める「行動規範」の草案の読み合わせ作業を終えたことを明らかにし、「新たな進展だ」と強調、早期策定に意欲を見せました。
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米中の閣僚級貿易交渉が終了、次回は9月に米で開催

 およそ3か月ぶりに再開した米中の閣僚級の貿易交渉が、2日間の日程を終え終了しました。次回は、9月にアメリカで行うということです。

 貿易交渉には、アメリカ側からライトハイザー通商代表とムニューシン財務長官が、中国側からは劉鶴副首相が出席しました。30日は夕食会が行われ、31日は朝から上海市内のホテルでおよそ5時間、本格的な協議が行われました。

 中国国営の新華社通信は、「中国がアメリカの農産物の購入量を増やすことや、それに対してアメリカが良い条件を出すことを検討した」と報じています。

 中国の通信機器大手・ファーウェイへの制裁緩和なども話し合われたとみられますが、具体的な進展はなかったとみられます。また、次回の協議は、9月にアメリカで行うことが決まったということです。

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