岡山県中北部 大雨予想で新成羽川ダム事前放流 水位を下げ容量確保で氾濫対策 / 予算要求に旭川ダム改良調査費用 国交省、洪水備え容量26%増



 岡山県中北部で29日にかけて激しい雨が降るとの予想を受け、中国電力(広島市)は28日、高梁川水系の成羽川にある新成羽川ダム(高梁市)でダム湖の水位を下げて容量を確保する事前放流を行った。下流域の氾濫を防ぐのが狙い。

 同社によると、ダム上流域で放流の基準となる39時間先までの合計雨量が110ミリを超えると予想されたため、午前2時に放流を開始。放流前に19・94メートルあった水位を9時間かけて目標の18メートルに下げた。放流量は約560万トン。

 事前放流は昨夏の西日本豪雨で浸水被害が生じた高梁川流域4市(倉敷、総社、高梁、新見)の要望を受けた対応。発電目的の民間ダムが治水対策として実施するのは珍しく、同社は5月、今年の梅雨時期から取り組むと公表していた。7月18日には初めて実施したが、新成羽川ダムより下流にある中電運営の田原ダム(高梁市)と黒鳥ダム(同)で放流分を貯水でき、住民への影響はなかったという。

 高梁市は放流を受け、メールや防災ラジオなどで成羽川、高梁川の水位が最大2メートル上昇するとして住民に注意を呼び掛けた。

 岡山地方気象台によると、岡山県内は29日にかけて、北部を中心に局地的に激しい雨が降る恐れがある。降り始めから28日午後4時までの雨量は井原市芳井町佐屋73・0ミリ、新見市千屋52・5ミリなど。29日午後6時までの24時間雨量は多い所で北部80ミリ、南部60ミリと予想されている。

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予算要求に旭川ダム改良調査費用 国交省、洪水備え容量26%増

国土交通省は28日発表した2020年度予算概算要求に、旭川ダム(岡山市北区)を改良し、旭川流域の水害防止を図る工事に向けた実施計画調査の費用を盛り込んだ。大雨が降る前にダムの水を放流する設備を増設するとともに、ダムの運用を見直して洪水に備える容量を26%増やす。西日本豪雨を踏まえた防災対策強化の一環。

 計画では、現在の放流ゲートより下部に新たな放流部を設け、これまでより水位を下げられるようにする。運用面では発電などに用いる利水容量を400万トン減らし、さらに洪水が想定される場合は事前に水を放出する「予備放流」として200万トンを治水に振り替えることで、洪水調節容量を現在の2300万トンから2900万トンに拡大する。利水の減少分は上流の湯原ダム(真庭市)の容量を増やして確保する。

 調査は数年かかる見通しで、増設する放流設備の設置場所や工法、工期などを検討する。総事業費は現段階で450億円程度の見込み。概算要求では個別の予算額は示されていない。

 国交省によると、並行して河川改修を進める方針。一連の事業が完了すれば、今年6月に変更した旭川水系の河川整備計画で想定している「70年に1度の大雨」が降った際の浸水被害は、現在の約4400ヘクタール・約6万1600世帯から約20ヘクタール・約30世帯に軽減できるという。
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