ラグビーW杯、日本が初の決勝トーナメント進出
ラグビーW杯、日本が初  決勝トーナメント

 ラグビーワールドカップで日本がスコットランド戦に勝利し、史上初の決勝トーナメント進出です。

 初のベスト8に王手をかけ、プール最終戦、スコットランドと対戦した日本。引き分け以上で史上初のベスト8入りが決定します。

 前半は松島選手や稲垣選手、福岡選手が3本のトライを決め、21対7とリードして終えます。そして迎えた後半、福岡選手が2つめのトライを決めるなど、その後も追い上げるスコットランドを必死に抑え、日本はスコットランドに28対21で勝利。ラグビーW杯で見事、初のベスト8進出を決めました。

 次は準々決勝、今月20日に南アフリカと対戦します。

/////
日本代表ハーフ、田中史朗選手 スコット戦で光った技術と経験 ラグビーW杯に懸ける想い

 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会で史上初の8強入りを狙う日本が13日、横浜市の日産スタジアムで、1次リーグA組突破を懸けてスコットランドと対戦した。控えに回っていたSH田中史朗(キヤノン、伏見工高―京産大出)が後半に途中出場し、大一番で輝きを放った。



 初戦から4戦連続出場となった田中。「日本のために命を懸けられるのは、この大会しかない。ラグビー人生を懸けて皆さんに何かを残せればと思っている」。3大会連続となる大舞台で34歳のベテランは燃え尽きる覚悟で語っていた。

 最後のW杯だと心に決めている。代表31人の顔ぶれが伝えられたのは8月28日。合宿最終日で名前が順に読み上げられ、スクラムハーフは「茂野、流……」と続いた後に少し、間があったという。落選も覚悟していた田中は「ああ、もう終わったんだな」と思った。「フミ(史朗)」と呼ばれると涙があふれた。

 ラグビーへの思いは洛南中時代から変わらない。ラグビー部顧問だった佐々木祥晴さん(57)=神川中校長=は、グラウンドに真っ先に飛び出してボールを蹴っていた姿を思い出す。大会が近づくと頭を丸刈りにし、目が合うと照れたような笑みを浮かべていた。「この子、ほんまにラグビーが好きなんやな」と感じていた。

 伏見工高(現京都工学院高)から京産大を経て日本代表となり、世界最高峰リーグのスーパーラグビー(SR)でも活躍。忙しい合間を縫って力を注ぐのがラグビー教室など子どもへの指導だ。母校を訪れるときは、練習着やグッズなどをプレゼントする。佐々木さんは「いつも笑顔で教えてくれる。楽しそうな姿は中学生のときと同じ」とほほ笑む。

 地元大会の開幕戦として大きな重圧が掛かった9月20日のロシア戦は後半20分から途中出場した。大観衆の中でも届く大きな声を意識し、FWに積極的に声をかけて鼓舞するなど、ベテランらしさを発揮した。「勝って結果を残さないと(全敗した)2011年W杯のようになる」との強い危機感が勝利を支えた。

 日本代表が目標にするベスト8入りの先に、期待するものがある。「サッカーや野球ぐらいメジャーなスポーツになってほしい。子どもたちの未来が広がり、世界への扉はもっともっと広がるんじゃないか」。身長166センチの小柄な体でも世界で戦えることを忘れないでほしい―。次代を担う子どもたちへのメッセージをプレーに込め、最後のW杯を戦い抜くつもりだ。
/////
日本の強さに驚きと落胆 スコットランドのパブで声

 ラグビー・ワールドカップ(W杯)で日本が1次リーグ突破を懸けて戦った英北部スコットランドでは朝からパブに集まったファンらが日本の強さに驚き、落胆の声があふれた。台風19号の影響で当日まで開催可否が判明しなかった分、盛り上がりは一層大きく、敗戦後は「決勝トーナメントでは日本を応援する」と話す人もいた。

 エディンバラのパブには気温7度の曇天の下、多くのファンが集まり先制点に気勢を上げたが、日本が逆転し、後半に入ってリードが広がると、静まりかえる局面も。終盤になっても追いつけないもどかしさから「しっかりしろ」と画面に向かって叫ぶ人もいた。
/////
【ラグビーW杯】敗退スコットランドHC、会見第一声で台風被災者に憂慮「お見舞い申し上げます」



「ご家族を亡くされた方にお悔やみを申し上げます」
 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は13日、A組最終戦の日本対スコットランドが行われ、日本が28-21で勝利し、史上初の決勝トーナメント進出を決めた。1次リーグで敗退したスコットランドのタウンゼント・ヘッドコーチ(HC)は「日本は勝利にふさわしいチームだった。今日は彼らの方がいいチームだった」と完敗宣言をした。

 4年前は日本に勝利し、8強入りを阻んだスコットランドが、この日は日本の壁に敗れた。タウンゼントHCは試合後のインタビューで「前半、日本にリードを許してしまった。日本はエクセレントだった。彼らはチャンスを最大限に生かし、いいペースで試合を続けた」と日本の戦いぶりを称えた。

 先制トライを挙げながらも同点、逆転と徐々に主導権を明け渡した。「我々は最初の10分に主導権を握って攻めることができたが、日本にいいプレーがあった。最後の15分、我々はもっといいプレーができたと思う。チャンスがあったが、勝利するには十分ではなかった」と悔やんだ。

 何とかベスト8入りを果たしたかったが、「とても残念です。高い意志を持ってやってきた。1次リーグを乗り越えることを目標とし、4か月間、今日のために懸命にやってきた。本当に残念です」と悔しさを隠さなかった。

 それでも、記者会見では「台風の被害の遭われた方に対してお見舞いを申し上げます。ご家族を亡くされた方にお悔やみを申し上げます」と第一声で台風19号で被災した人々への思いやりも忘れず。最後までノーサイドの精神を持ち続けた。
/////