国際情勢 香港駐留の人民解放軍、障害物の撤去作業で初めて活動 / 香港の大学、留学生が続々帰国 / シリア北部で爆発、19人が死亡 /河野防衛相が韓国国防相と会談へ



 香港で16日、駐留する中国人民解放軍が道路に置かれた障害物の撤去作業に参加しました。6月の大規模デモ後、解放軍が公の場で活動するのは初めてとみられます。

 香港で16日午後、駐留する中国人民解放軍の数十人が、道路を封鎖するために学生たちが設置したレンガや鉄柵などの障害物を撤去する作業に参加しました。解放軍は1997年の返還以降、香港に駐留していますが、台風など災害時の復旧作業を除いて出動するのは極めて異例です。

 24日に行われる区議会選挙で親中派への支持を集める狙いだという意見や、今後、デモ鎮圧のために出動する布石ではないかと懸念の声も上がっています。
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香港の大学、留学生が続々帰国

 抗議活動が続く香港の大学では、学生に大学を離れるよう指示が出て、日本人留学生も急きょ帰国するなど、影響が出ています。

 デモ隊が立てこもり、12日には警察と激しく衝突した香港中文大学では、16日朝、デモ隊の姿が消えていました。

 「おととい取材した際にはデモ隊のメンバーであふれかえっていた香港中文大学ですが、いまはその姿はなく、衣類や食料品などの支援物資だけが散乱しています」(記者)

 香港警察が会見で、「大学が暴徒の基地となっている」と述べ、取り締まり強化の姿勢を示したことを受けた対応とみられます。

 一橋大学から香港中文大学に留学している赤堀一虎さん(21)は、15日午後10時までに学生寮を退去するよう大学側から通知されました。

 「危険なことが起こると脅されて、びびってしまって、部屋の荷物を片づけて」(赤堀一虎さん)

 寮に鍵がかけられ、行き場を失った赤堀さん。一橋大学からも指示があり、17日、日本に戻りますが、機会があれば戻ってきたいと考えています。

 「日本に帰ったあとも、留学の一つの成果じゃないですけど、僕が実際に見たものとして、少しでも伝えていければなと」(赤堀一虎さん)

 香港では、他の大学でも授業が続けられない状態が続き、留学生が続々と香港を離れています。
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シリア北部で爆発、19人が死亡

 トルコ軍の勢力下にあるシリア北部の町で16日、爆発があり、市民を含む19人が死亡しました。

 シリア北部の要衝、アル・バーブにあるバスターミナル付近で16日、爆弾を積んだ車が爆発しました。NGO「シリア人権監視団」によりますと、この爆発で市民13人を含む19人が死亡しました。これまでのところ犯行声明などは出ていません。

 アル・バーブはトルコ軍の勢力下にあり、トルコ国防省は敵対するクルド人武装組織の犯行とみて、非難する声明を出しました。

 シリア北部では今月2日にも国境近くのテルアビヤドで14人が死亡する爆発があり、トルコ政府がクルド人武装組織による犯行だと非難しています。

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河野防衛相が韓国国防相と会談へ

 河野防衛大臣は、日本と韓国が軍事機密を共有するための協定、GSOMIA(ジーソミア)の失効まで1週間を切る中、17日、韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相と会談します。

 河野大臣は、タイで開かれるASEAN=東南アジア諸国連合の拡大国防相会議に合わせて韓国の鄭国防相と17日、初めて会談し、GSOMIA破棄の決定を見直すよう求めることにしています。

 アメリカのエスパー国防長官も加わり、日米韓3か国での会談も行われる予定で、GSOMIAの失効が6日後に迫る中、韓国側とどのような調整が行われるのかが焦点となります。

 ただ、15日にエスパー長官からGSOMIAの維持を要請された文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、日本が輸出管理強化を撤回しないかぎり難しいとの立場を改めて表明しています。

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イラン ガソリン値上げで抗議デモ

 イラン政府は15日、事前の予告なしにガソリン価格を50%値上げする措置を実行しました。

 これに市民らは反発。各地で抗議デモが起き、デモ隊らが給油施設などに火をつけたり、道路を封鎖したりしました。

 イランメディアによりますと、16日、南部シルジャンではデモ隊と警官が衝突し、少なくとも1人が死亡、複数人がけがをするなど、混迷の度合いを深めています。
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銃乱射への新対策、学校に“クローン犬”配置へ【CATCH THE WORLD】

 世界各地のニュースや話題をJNNの海外支局からお伝えする「キャッチ・ザ・ワールド」です。銃規制が一向に進まないアメリカ。対策に頭を痛める学校は“クローン技術を使った犬”を配置して子どもの命を守ろうとしています。どんな犬なのか、その訓練現場をニューヨーク支局・宮本記者が取材しました。

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