市販薬の薬物依存闇(10代と高齢)とゲーム障害 (中毒・身体悪影響も?) 実態踏まえ対策を急げ /10代の薬物依存 40%余はせき止めなど市販薬の乱用(NHK) /高齢者と薬「多すぎる薬と副作用」
市販薬 薬物依存drug

 
ゲーム障害 (中毒・身体悪影響も?) 実態踏まえ対策を急げ


 「ゲーム障害」を疑われる若者がかなりの数いることが浮き彫りになった。

 全国の10~29歳の約3割が、平日に2時間以上オンラインゲームをしているとの調査結果を、国立病院機構久里浜医療センターが発表した。

 時間が長い人ほど学業や仕事への悪影響や、体や心の問題が起きやすい傾向にある。予想されたことだが、これまで国レベルの実態調査はなかった。

 スマートフォンは急速に普及しており、すでに多くの小中高生にとってオンラインゲームは身近なものとなっている。

 対策は遅れている。今回の調査を足がかりに、有効な治療指針作りや予防策につなげたい。拠点機関の設置や専門の医療スタッフ育成も急がれよう。

 今年5月、世界保健機関(WHO)は、心身に問題が起きてもゲームをやめられない状態を「ゲーム障害」という依存症に認定した。センターは厚生労働省の委託を受けて調査を行った。
 問題が生じている割合は、全体としてゲーム時間が長くなるほど高い。2時間を境に大きく増えた項目が複数あったという。

 重症化すると昼夜逆転し、学校や仕事に行かずに引きこもりになったり、家族への暴力に発展したりすることがある。調査では「6時間以上」の人の2割以上が、過去1年で半年以上自宅に引きこもっていたと回答した。

 依存が起きやすいのは、多くの人が同時に対戦プレーできるようなオンラインゲームといわれる。1人だけ抜けるのが難しいのが一因だろう。

 そもそもゲームは、より面白く熱中するように作られている。供給する側の責任が厳しく問われるのではないか。

 WHOの認定を受けて国内の業界団体は研究会を設置したが、対策に及び腰との批判もある。積極的な取り組みを求めたい。

 ゲーム依存は世界規模の課題となっている。治療法は手探りの状態だが、一方で腕前を競う「eスポーツ」が普及し、ゲーム人口は今後ますます増えるとみられる。

 特に心身の成長過程にある子どもをどう守るか。社会全体で考え、環境を整える必要がある。

 依存の原因は本人よりむしろ、家庭や学校など環境にあることが多いと専門家は指摘する。

 親子でルールをつくるなど、子どもに主体的に使い方やリスクを考えさせることも大切だ。まず周囲の大人が注意を払いたい。

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10代の薬物依存 40%余はせき止めなど市販薬の乱用(NHK)

薬局で売られているせき止めなどを「高揚感が得られる」などとして大量に飲み、依存状態になる若者が急増している実態が明らかになりました。薬物依存で治療を受けている10代の患者のうち、40%余りは違法な薬物ではなく、市販の薬を大量に摂取していたことが国の研究機関の調査で分かりました。

国立精神・神経医療研究センターは、全国の入院施設がある精神科の医療機関と連携し、薬物依存患者の実態について調査を行っています。

今回まとまった調査結果によりますと、去年の時点で薬物の依存や乱用で治療を受けている10代の患者が、主にどういった薬物を使用していたかを調べたところ、せき止めやかぜ薬などの市販薬が41%と最も多かったことが分かりました。

次いで覚醒剤が15%、睡眠薬などが6%となっています。

せき止めなどは、「高揚感が得られる」、「落ち込んだときに気分が楽になる」などとして大量に飲むケースが多いということです。

5年前の2014年の調査では、薬物依存の10代の若者は危険ドラッグを使用するケースがおよそ半数を占めていましたが、最近は危険ドラッグが大幅に減る一方で、市販薬の乱用が増えています。

調査を行った国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦部長は「危険ドラッグは規制の強化によって減ったが、今は市販薬の乱用が新しい問題になっている。中には深刻な肝機能障害になるケースもあり、身近な薬でも過剰に摂取すると危険だということを認識してほしい」と話しています。

19歳の女子大学生は
近畿地方に住む19歳の女子大学生は、勉強や人間関係のストレスをきっかけに市販のせき止めを大量に飲むようになったといいます。

女子大学生は「ネットで知り合った人から、せき止めをたくさん飲むと気分が楽になると聞いた。ストレスがたまってくると1回に20錠くらい飲むが、すっきりして頑張ろうという気になる」と話していました。

そして、「体に悪いし、もう飲むのをやめようと思うときもあるが、やめられない。急に気分が不安になると飲んでしまうことがある」話していました。
ドラッグストア 対策強化も対応に苦慮 ドラッグストア 対策強化も対応に苦慮
さまざまな薬を販売しているドラッグストアでも対策が進められています。

ドラッグストアを運営する133社で作る協会は、全国にあるおよそ2万の店舗で、先月から10代の客に対しては学生証などの提示を求めるようにしています。

また、多くの店では、せき止め薬やかぜ薬は1人につき1つしか販売しないという注意書きを張っています。

ただ、実際には複数の店舗を回れば大量のせき止めなどを買えるほか、市販薬をインターネットで販売している薬局もあり、規制は難しいのが実態です。

日本チェーンドラッグストア協会の本吉淳一事務局長は「通常の利用者の利便性を考えると、手軽に買えるという面も必要で、乱用をどう防いでいくか対応に苦慮している」と話しています。

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高齢者と薬「多すぎる薬と副作用」

Aさんのケース

Aさんのケース
70代の男性Aさんは、高血圧があり、軽い脳梗塞を起こしたこともあります。不眠症と腰痛にも時々悩まされます。しかし、それぞれ治療しながら、あまり支障なく暮らしてきました。ところが最近、足元が時々ふらつくようになりました。また、物忘れが増えたとも感じています。
心配になったAさんは、高齢者の病気に詳しい医師に診てもらいました。医師はAさんが薬を7種類も使っていることに注目しました。高血圧の薬が3種類、脳梗塞の再発を防ぐ薬、不眠症の薬が2種類、そして腰痛の薬です。Aさんのふらつきと物忘れはこれらの薬の副作用だったのです。血圧の薬が多く血圧が下がり過ぎていることもふらつきに影響していました。こうしたケースは高齢者によくあります。


薬はなるべく5種類まで
75歳以上で薬を使っている人では、1か月に1つの薬局で7種類以上の薬を受け取っている割合が26%にものぼります。薬が6種類以上になると、副作用を起こす割合が10~15%にまで高まります。したがって、薬は「なるべく5種類まで」を目安にしましょう。


高齢者に多い薬の副作用
高齢者に多い薬の副作用には「ふらつき・転倒」「物忘れ」「うつ」「せん妄」「食欲低下」「便秘」「排尿障害」などがあります。特に「ふらつき・転倒」は、骨折して寝たきりになることも少なくありません。ぜひ避けたいものです。
高齢者は、若い人に比べ、副作用が重症になりやすく様々な臓器に及びやすいのが特徴です。うつ・せん妄などの精神的な症状が多いため、認知症と間違えられることがあります。また、食欲低下・便秘などの日常的な症状が多いため、薬の副作用だと気付きにくいことがあります。


高齢者は薬が効き過ぎる
高齢者に副作用が増える理由は、薬の数が多いことだけではありません。薬の効き方が加齢とともに変わってくることも影響します。
薬は通常、服用すると胃や小腸から吸収され、血液によって全身を循環します。そして目的の臓器に到達しますが、これを「分布」と言います。このあと薬の効き目が現れるのです。時間の経過とともに、薬は、肝臓などで徐々に「代謝 分解」されたり、腎臓から「排泄」されたりして効き目が消えていきます。
しかし高齢になると、肝臓や腎臓の働きが低下するため、薬の代謝分解が遅れて効き目が必要以上に長引いたり、薬の排泄が遅れて薬が体内に長く残ったりします。そのため薬が効き過ぎてしまうのです。
多すぎる薬は減らそう

多すぎる薬は減らそう
副作用を避けるには「多すぎる薬は減らす」が鉄則です。そのポイントは、まず薬の優先順位を考えること。そのうえで「本当に必要な薬か」どうかを検討します。また、控えるべき薬、つまり高齢者が副作用を起こしやすい薬は、できるかぎり避けます。同時に生活習慣の改善も合わせて行います。


高齢者の心得1 むやみに薬をほしがらない
薬の数が増えすぎたり副作用を招いたりするのを避けるために、高齢の患者さん自身が心得ておきたいことがあります。
まず「むやみに薬をほしがらない」ことです。医療機関は病気や健康の相談に行くところであり、けっして薬をもらいに行くところではありません。


高齢者の心得2 若い頃と同じだと思わない
子どもには子どもに適した薬の処方があるように、高齢者にも高齢者に適した処方があります。体の状態も薬の効き方も若い頃とは違うことを念頭に置きましょう。また、若い頃とはちがい完璧な治療は難しくなります。薬もほどほどでよいので安全を第一に考えた薬の使い方が大切です。


高齢者の心得3 処方された薬は きちんと使う・自己判断でやめない
けっして「薬を使うな」ということではありません。薬は正しく使えば必ず治療や生活の質の向上に役立ちます。大切なのは、処方された薬は「きちんと使うこと」そして「自己判断でやめないこと」です。薬をのみ忘れたり、勝手にやめることによるトラブルも非常に多いので、絶対に守りましょう。


高齢者の心得4 他に使っている薬は必ず伝える
病気ごとに異なる医療機関にかかることも多いもの。薬が重複したり増え過ぎたりしないよう、他に使っている薬があれば、その都度正確に伝えましょう。お薬手帳には自分の薬が記録されるので、1冊にまとめておいて受診ごとに見せることがすすめられます。かかりつけ薬局やかかりつけ医をもち、自分の病気と薬をすべて把握してもらうのもよいでしょう。

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