国際情勢 北朝鮮が声明「非核化は交渉のテーブルにない」/ アフガンで銃撃、家族とともに中村哲さんの遺体が帰国の途に


 北朝鮮が7日、声明を発表し、「非核化はすでに米朝交渉のテーブルからなくなった」と主張しました。

 声明は、北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使の名前で発表され、非核化に向けた米朝交渉について、「アメリカが呼び掛ける“継続的な対話”は国内政治に利用するための時間稼ぎに過ぎない」と非難。そのうえで、「我々は今、長く話し合う必要はない。非核化はすでに交渉のテーブルからなくなった」と主張しました。北朝鮮が一方的に交渉期限に設定した「年末」が近づくなか、アメリカから譲歩を引き出すため圧力を強める狙いがあるとみられます。

 一方、声明を受け、トランプ大統領は7日、「北朝鮮がもし、敵対的な行動を取れば私は驚くだろう。金正恩(キム・ジョンウン)党委員長との関係は良好で、2人ともこの関係を維持したいと思っている」と述べました。

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アフガンで銃撃、家族とともに中村哲さんの遺体が帰国の途に

 アフガニスタンで復興支援中に銃撃され死亡した医師の中村哲さんの遺体が、家族とともに帰国の途につきました。8日夕方、日本に到着する予定です。

 福岡市のNGO「ペシャワール会」の現地代表で医師の中村哲さんの遺体は7日、首都カブールにある空港に運び込まれました。その際、アフガニスタンの国旗にくるまれた棺を、ガニ大統領が兵士らとともに運ぶ様子も見られました。追悼式典には、妻の尚子さん、長女の秋子さんが参列。ガニ大統領は、逃走中の犯人の逮捕に全力を尽くす考えを強調しました。

 「中村医師を殺害した犯人は、地獄へ落ちることになる。警察と軍が見つけ出し、法の裁きを受けさせる」(アフガニスタン ガニ大統領)

 出発の際、涙を浮かべる秋子さんの姿も見られました。中村さんの遺体は8日の夕方、日本に到着する予定です。

 一方、地元メディアは、事件直後に、現場から逃走した犯行グループをとらえたとされる監視カメラの映像を公開しました。AP通信は、地元当局者らの話しとして、「襲撃が事前にアフガニスタン国外で計画されたことを示す証拠がある」と伝えていて、警察は犯行グループの特定を急いでいます。

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菅長官、拉致問題は「最重要、最優先課題として対応」

 菅官房長官は熊本市で開かれた拉致問題に関する集会で挨拶し、「政府の最重要、最優先課題として解決に向けて対応する」と強調しました。

 「安倍内閣の最重要、最優先課題である拉致問題解決に向けて、国際社会と連携を取りながらしっかり対応してまいりたい」(菅義偉官房長官)

 拉致被害者・松木薫さんの出身地である熊本市で開かれた拉致問題に関する集会で菅官房長官はこのように述べ、先月、日本を訪れたローマ教皇フランシスコとの会談など、あらゆる機会に拉致問題を提起し、国際社会の理解と協力を得ていると強調しました。

 その上で、政府として「全ての拉致被害者の帰国実現に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で行動する」考えを改めて示しました。

 また、拉致被害者・横田めぐみさんの弟、拓也さんは講演で「部分的解決という言葉にのってはいけない」として、全ての拉致被害者の即時一括帰国に向け支持を訴えました。

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ノーベル化学賞 吉野彰さん「企業の若い研究者 勇気づける」

ことしのノーベル化学賞の受賞者に選ばれた吉野彰さんが、スウェーデンのストックホルムでノーベル財団が主催する記者会見に臨み「私が受賞することは企業に所属する若い研究者たちを勇気づけるだろう」と受賞の意義を語りました。

日本時間の7日午後5時半からストックホルムにある王立科学アカデミーで行われた記者会見には、ノーベル賞の物理学と化学、それに経済学の受賞者、合わせて8人が並びました。

吉野さんと一緒に化学賞を受賞するアメリカのジョン・グッドイナフさんは欠席しましたが、吉野さんは同じく一緒に受賞するアメリカのスタンリー・ウィッティンガムさんと並んで席に着き、世界中の記者からの質問に答えました。

会見で、吉野さんたちが開発したリチウムイオン電池が社会に与えた影響について聞かれた吉野さんは「開発した1985年当時はスマートフォンやノートパソコンなどはなかった。リチウムイオン電池の市場がこれほど大きくなるとは予想していなかった」と述べました。

また、大学などではなく、民間企業の研究者としてノーベル賞に選ばれた感想を聞かれると「企業研究者である私の受賞は、企業に所属する若い研究者たちを勇気づけるだろう」とその意義を語りました。

そして、日本時間の8日行われる「ノーベルレクチャー」と呼ばれる記念講演に触れ、「環境問題についての私の意見やビジョンを世界に向けたメッセージとして話したい」と抱負を述べました。

吉野彰さん単独インタビュー「記念講演の反響が楽しみ」
ノーベル財団が主催する記者会見のあと、吉野彰さんはNHKの単独取材に応じました。

吉野さんは、会見場から出てくると「記者会見は緊張しましたが、記念講演が私にとっての本番なのであしたも頑張ります」と笑顔を見せました。

そして、記念講演の準備状況について「99%はできているが、どうまとめるか最後のメッセージの文章をまだ迷っているので、きょう中に考えます。どのような反響があるか楽しみです」と話していました。

また、電池開発における日本の貢献について尋ねると「電池産業をみると日本が商品化した製品が多く、世界を引っ張っている。リチウムイオン電池でも多くの日本人が貢献している」と語りました。

そして、若い研究者たちに対して「ノーベル賞の受賞者が研究成果を出した平均は35歳くらいなので、35歳までに勉強や経験をつんで力を発揮してほしい」と話していました。
選考委員「リチウムイオン電池は今後も社会に大きな影響」
ことしのノーベル化学賞に選ばれた吉野彰さんたちの研究について、化学賞の選考にあたった委員は「これまでも、これからも社会に非常に大きな影響を与え続けるだろう」と述べて、功績をたたえました。

ことしのノーベル賞の授賞式が、日本時間の今月11日に行われるのを前に、化学賞の選考委員を務めるスウェーデンのストックホルム大学のグンナル・フォンヘイネ教授が7日、NHKのインタビューに応じました。

この中で、フォンヘイネ教授は、携帯電話や電気自動車を例にあげて「現代社会ではどこを見てもリチウムイオン電池がある。これまでも、そしてこれからも社会に非常に大きな影響を与え続けるだろう」と述べて、リチウムイオン電池を開発した3人の功績をたたえました。

そのうえで、「リチウムイオン電池の強みは、二酸化炭素の排出を削減する可能性を生み出したことにある。気候変動や二酸化炭素の排出に、リチウムイオン電池が大きなインパクトを与えてくれることを望んでいる」と述べて、環境問題の解決につながることに強い期待を示しました。

また、フォンヘイネ教授は、ことし10月、受賞者が決まり、吉野さんに連絡をした時の状況について「吉野先生の非常に喜んでいる様子が電話をしているこちら側にも伝わってきた」と話していました。

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